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気管支喘息やCOPDの改善の鍵は
早期発見、そして治療の継続

古井医院

(不破郡垂井町/垂井駅)

最終更新日:2021/10/12

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  • 保険診療

咳が出る、息切れしやすい、たんがからむ……これらの症状があれば、それは呼吸器疾患に起因しているのかもしれない。子どもの病気と思われがちな気管支喘息は、成人以降にも発症する。またアレルギー性鼻炎との関係性も強いと考えられている。喫煙習慣などにより肺機能が低下し、息切れなどを引き起こすCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、悪化し症状が重くなるまで気づきにくく、潜在的な患者の数は少なくないとの指摘も。さらに気管支喘息とCOPDの合併例もあるという。今回は呼吸器を専門とする「古井医院」の古井秀彦院長に、気管支喘息やCOPDの特徴、治療・管理方法、呼吸器疾患と併せてアレルギー疾患の治療を行う重要性などを詳しく解説してもらった。

(取材日2020年4月24日)

長引く咳、たん、息切れは呼吸器疾患のサイン。適切な治療につなげるためにも、専門の医師に相談を

Q呼吸器疾患にはどのようなものがあるのですか?
A
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▲詳しい病歴の問診から診察が始まる

気管支喘息、COPD、肺がん、呼吸器感染症が四大疾患で、年々増加傾向にあります。呼吸器疾患で全般的に表れるのが、咳や息切れ、たんといった症状です。これらの症状が続いている場合には、呼吸器疾患を疑ってみると良いでしょう。肺は、呼吸により外気に直接触れ、さらに全身を巡った血液が循環します。そのため肺や気管支の病気は多種多様で、代表的な疾患以外に、アレルギー性肺疾患や間質性肺疾患、職業性肺疾患、薬剤性肺疾患、肺循環障害、胸膜の病気などが挙げられます。正確な診断を下すためには、専門の医療機関を早期に受診するのが重要で、胸部エックス線撮影やCT撮影などの画像診断に加え、肺機能検査が有用です。

Q気管支喘息について教えてください。
A
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▲気道炎症の状態を検査して治療薬を選択する

気管支喘息とは、気管支が発作的に収縮して咳や呼吸困難を招く疾患です。発作が出ると、ぜいぜい、ひゅーひゅーといった喘鳴が聞かれることがあります。発作の原因は気道の慢性的な炎症で、この炎症がもたらす気道過敏性によって発作が起きるのです。治療にあたっては、気道炎症の状態をみる検査により的確に病態を評価して方針を決定する必要があります。治療で主流となるのは吸入薬です。吸入薬は進歩が目覚ましく、近年喘息のコントロールは改善しています。また最近は、症状が咳のみという咳喘息が非常に多くなっています。咳が続き、一般的な治療で改善が見られない場合は呼吸器科の医療機関を受診しましょう。

QCOPDとはどういった病気ですか?
A
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▲左は同院で戦前に使用していたハッチンソン氏が考案した肺気量計

COPDとは、肺構造の破壊と気道の病変がもたらされる病気で、進行すると空気の出入りが悪くなり呼吸困難が起きます。主な原因は喫煙です。気管支喘息とは異なり発作性のものではなく、階段や坂道などで苦しくなる労作時の息切れが特徴です。日本人には530万人以上の患者がいると考えられていますが、COPDと診断されているのは1割以下でそれ以外の方は放置されています。軽症だと症状が目立たず、悪化するまで気づかないケースが多いのです。喫煙者がしつこい咳やたん、息切れを感じたら、早期に肺機能検査を受けましょう。COPDには治療法がないとされていましたが、現在は予後の改善も期待できるようになってきました。

Q気管支喘息やCOPDはどのように治療・管理するのですか?
A
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▲モストグラフで末梢気道の状態を評価して精密な診断を行う

まず重要なのが、病態の鑑別です。COPD患者の約20%が気管支喘息を合併しているなど、複雑な病態がしばしば見られるため、広域周波オシレーション法による呼吸抵抗測定などの新しい検査によって詳しい病態を解明し、適切な治療計画に結びつけます。COPDの患者さんに喫煙習慣があれば第一に禁煙指導を行い、重症度に応じ吸入療法や呼吸リハビリテーションを検討します。気管支喘息もCOPDも慢性疾患なので、治療にあたり「長く付き合っていく」という患者さん自身の理解が不可欠です。呼吸器疾患は感染の合併により悪化するため、インフルエンザワクチンや高齢者肺炎球菌ワクチンの接種を促し、生活指導も実施します。

Q花粉症やアレルギー性鼻炎と気管支喘息の関係を教えてください。
A
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▲アレルギーの根本療法である舌下免疫療法も積極的に行っている

呼吸器疾患には複雑な病態が関与するケースが多く、成人の気管支喘息患者は約40%、小児の気管支喘息患者は約70%がアレルギー性鼻炎を合併するとされています。アレルギー性鼻炎には、スギ・ヒノキ、イネ科、キク科といった花粉抗原を原因とする季節性と、ダニ抗原を原因とする通年性があります。そしてアレルギー性鼻炎が悪化すると気管支喘息も悪化するという関係 “one airway, one disease”が知られており、当院では積極的にアレルギー性鼻炎の治療を行っています。最近は、スギ花粉とダニに関しては根本治療として評価される舌下減感作療法が保険適用となっており、当院でも実施しています。

ドクターからのメッセージ

古井 秀彦院長

気管支喘息の症状が一時的にでも改善すると、治療をやめてしまう患者さんがいらっしゃいます。しかし慢性の気道炎症が完治することは少なく寛解の状態なので、治療の中断で悪化する可能性が非常に高いのです。放置すれば気道が肥厚したまま元に戻らなくなる「リモデリング」という喘息の難治化や喘息死につながる病態を招きます。COPDも進行性の病気で、放置すると徐々に肺機能は低下し息切れのため日常生活を営むことが困難になります。当院ではそのようなことがないよう諸検査で病態を把握し、十分な説明の上で治療を行っています。治療で重要なのは、病気を正しく理解することです。気になることは気軽に専門の医師に相談しましょう。

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