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池庭 誠 院長の独自取材記事

池庭医院

(多治見市/多治見駅)

最終更新日:2020/04/01

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多治見駅から北東方向へ歩いて10分。静かな住宅街の一角にたたずむ「池庭医院」。1960年の開業以来、親子3代で地域の健康を見守り続けてきた老舗クリニックだ。3代目院長である池庭誠先生は、日本糖尿病学会糖尿病専門医。名古屋大学医学部卒業後は、地域の基幹病院で糖尿病・内分泌内科領域を中心に研鑽を積んできた。2015年に院長に就任してからは、糖尿病の専門医として豊富な臨床経験を生かし、東濃エリアの医療に貢献するドクターだ。特に得意としているのは、糖尿病患者へのコーチングで、丁寧な対話を重ねることで糖尿病に対する患者自身の理解をサポートしている。気さくで話し上手な池庭院長に、クリニックの歴史から診療に対する思いまで、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2018年9月21日)

親子3代にわたって地域医療に貢献

こちらのクリニックは、親子3代にわたって診療されていると伺いました。

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はい、1960年に祖父がこの場所で開業をして、その後父、私と続いています。この辺りは今でこそたくさんの医院がありますが、祖父が開業したばかりの頃は件数が少なかったので、春日井のほうまで往診に出かけていました。そんな祖父の背中を今も覚えています。その祖父は5年前に93歳で亡くなりましたが、前日まで普通に仕事をしていました。昔から「患者さんとじっくり話すことができるのが開業医の醍醐味だ」と言っていましたので、患者さんと接する時間を最期まで楽しんでいたのだと思います。このクリニックは父が後を継いだ1990年に一度改築をしていて、受付の位置が変わったり、機器が増えたりしているので、院内の様子は随分と変わりましたね。

先生が医師をめざしたきっかけはなんですか?

正直なところ、子どもの頃は車が大好きだったので自動車関係の仕事にも憧れていましたし、社会問題にも興味があったので政治家もいいなと思った時期もありました。でも、私の家は代々医師の家系でもあったので「自分が後を継がなくてはいけない」という思いはどこかにずっとあり、結局は医学部へ進学したんです。開業医として地域医療に貢献する祖父と父の姿も見てきましたので、大学卒業後は地域の人と関わりながら、生まれ育ったこの地のために働くのがいいのではと思いました。このクリニックを継いだ頃は、システムが整っていないところも多く、苦労も多かったですね。当時はまだ糖尿病の専門医が東濃エリアに少なかったので、可児と土岐の総合病院で非常勤をしながらの診療で本当に忙しい日々でした。

こちらでの勤務を開始してから3年、現在はどのような患者さんがいらっしゃっていますか。

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近隣の方が多く、父の頃から続けて通ってくださっている患者さんもいらっしゃるので、うれしいですね。近頃はインターネットなどを見て、可児や中津川といった遠方から来院される方も増えています。糖尿病治療で長く研鑽を積んできたので、お悩みの患者さんも多く来院していただいています。あとは糖尿病を中心に派生した病気に悩む方や、高血圧などその他生活習慣病の治療を求めて来られる方も多いように思います。父の代から漢方を取り入れた診療を行っているので、漢方を用いた医療を求めて来院される患者さんもいらっしゃいます。

患者の興味を引き出し、前向きな治療につなげていく

先生が糖尿病を専門にしようと思ったきっかけはなんですか?

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きっかけは研修医時代にとても熱意のある糖尿病を専門とされている先生に出会ったことです。糖尿病は人と関わることの多い分野なので、そういった面もおもしろそうだなと思いました。糖尿病は成人教育の世界なので、ご自身の健康について、または治療について、どのように伝えたらご理解いただけるかを常に考えなくてはなりません。私は「口から先に生まれた」なんて人から言われるくらい、話をするのことが好きなので(笑)、患者さんと特に人間的な関わりができる糖尿病を専門に学ぶことにはとても魅力を感じました。

糖尿病の患者さんに対する指導で苦労されることはありませんか?

難しいのは、「関心のない人たちにどのように関心を持ってもらうのか」ということですね。自覚のない人や、「どうでもいい」と考えている人たちを指導するには工夫が必要になります。一般的には、どの程度の興味をもっているかによって行動にも変化が出てきます。「変化ステージモデル」というものがありますが、まったく関心がない「前熟考期(無関心期)」、興味はあるけどやらない「熟考期」、やりはじめようと思って少しやっている「準備期」というように、それぞれの段階に応じてアプローチを変えるようにしています。例えば、前熟考期の患者さんに大切なのは、「聞いて、待つ」ということなんです。「糖尿病についてどう思っていますか?」という感じで、考えを聞いてみる。苦労することも多いですが、いかに興味を引き出してやる気を持たせるのか考えるのが楽しいです。

患者さんと向き合う時に気をつけていることはありますか?

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患者さんを自分の家族だと思って接すること、相手が医者だったとしても恥ずかしくないような説明をするということですね。相手によって態度を変えるということはしないと決めています。誰かに見られて恥ずかしいことはしたくないですからね。あとは、患者さんがなんでも相談しやすいような雰囲気も大切にしています。患者さんから相談されるということは、医師としてうれしいことなので、患者さんが積極的に話をしてくれるというのはとてもありがたいですね。糖尿病の患者さんに対しては、糖尿病のコントロールが忍耐だけのつらいものにならないように気をつけていて、その人が何を大切にしているのかをきちんと見極めることが大切だと思っています。

自覚症状のない糖尿病は、年1回の健診で早期発見を

漢方に対する先生の考えをお聞かせください。

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漢方というのは野球のピッチャーでいうと、変化球をたくさん持っているのと同じだと思っています。たくさんの種類があるから、いろいろな症状に対応することができるんです。漢方医療では、「ぱっと見」というのが意外と大切で、その人を見た時に元気そうか否かが基準になります。「望診」という言葉があるように、患者さんの全体像をしっかり見つめることが欠かせません。最近はインターネットなどで情報収集ができるので、患者さんも漢方に関する知識が豊富な方が多くて、この薬をくださいと頼まれることもあるんですが、漢方というのは人によって使い方が違います。その人に合った漢方を出すためには、その人を知るということが大切なんです。

プライベートについても少しお聞かせください。お休みの日はどのように過ごされていますか?

患者さんに健康指導をする立場もあるので、自分が太ってはいけないと思ってテニスをしていますが、私はどちらかというと文化系の人間なんです。高校時代には絵を描いていましたし、大学ではコーラスをしていました。歌に関しては今も続けていて、大学を卒業後も年に2回のコンサートには続けて出ていました。伏見にあるしらかわホールなどで教会音楽を歌ったこともあります。家内ともコーラスがきっかけで出会ったんですよ(笑)。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

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糖尿病というのは自覚症状がないので、長期間をかけて症状が進んでしまうこともあるんです。症状が出てきた時にはひどくなってしまっているケースもありますので、健診はしっかりと受けてほしいと思います。特に子育て世代の方や専業主婦の方などは、どうしても自分の健康を後回しにしてしまいがちです。そういう方こそ、年に1回はきちんと健診を受けていただきたいと思います。あとは、家族に糖尿病や脳梗塞などになった方がいる場合には、注意が必要です。糖尿病に限らず、何か困ったことがあったら、気軽に相談していただければと思います。

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