首、肩、腰、膝の痛みは
ブロック注射で素早く改善をめざそう
夏目整形外科
(多治見市/多治見駅)
最終更新日:2025/04/07


- 保険診療
首、肩、腰、膝は、痛みが出やすい部分だ。慢性的な痛みや違和感に悩まされている人も、少なくないだろう。しかし、これらの痛みを解消しようとしても、内服薬やリハビリテーションが合わず、なかなか改善に向かわない例も多い。こうした場合のもう一つの選択肢として、ブロック注射がある。痛みに役立つアプローチではあるものの、その一方ですべての医療機関が対応できるわけではないため、選択肢に入ることがまだまだ少ないのが実情だ。「夏目整形外科」の夏目英雄院長は、数多くブロック注射の経験を積み、その有用性を実感してきた。「できるだけ早く痛みを和らげるための、大きな選択肢」と語る夏目院長に、ブロック注射の治療ステップについて聞いた。
(取材日2025年2月6日)
目次
原因となる部位にアプローチし、素早く痛みを抑えることをめざすブロック注射
- Qブロック注射はどんな痛みを治療対象としていますか。
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A
▲できるだけ早く痛みを取ることをめざす
骨、筋肉、関節などの痛みであれば、全身を対象としています。多くの人が痛みを感じるのは、首、肩、膝、腰だと思います。一方で手首や指などの腱鞘炎、人によっては肘、股関節や足の甲といった部分が痛む場合もあります。当院では股関節や足の甲といった部分に対しても、ブロック注射を取り入れています。整形外科が対象とする体のすべての部分に対して、できるだけ早く痛みを軽減するための治療を推進しています。
- Q診察の流れを教えてください。
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A
▲年齢を問わず、どんな症状でも相談できる
まずは問診で、いつからどの部分がどれくらい痛いのかをお聞きします。さらに、痛みを感じる部分や、原因となっていると思われる部分に触れて、状態を確認していきます。必要に応じて、体を動かしたり姿勢を変えたりしながら、痛みの変化を確認することもあります。実は人間の体の痛みを感じる部分はおよそ決まっており、しっかりと観察することで原因部分もある程度わかってきます。その後、エックス線や、場合によってはエコー撮影を行って、痛みの原因部分を特定していきます。手術が必要な場合などには高次の医療機関に紹介しますが、それ以外の場合にはブロック注射での治療も検討します。
- Qブロック注射とはどんな治療ですか。
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A
▲積極的に注射での治療経験を重ねた院長
主に局所麻酔とステロイドを使用する注射です。症状に応じて、首、肩、腰、膝、さらに手足にも注射するケースがあります。神経を落ち着かせることを促し、血管や筋肉の緊張を和らげることにもつなげます。1回の注射で済むことも少なくありません。1回の注射で症状の改善が見込めない場合には、注射の位置を再度検討した上で、2週間ほどの間隔で再度注射を行います。注射の位置が原因となる部分と一致していれば、痛みの波が徐々に小さくなっていくことが望めるでしょう。ブロック注射は安全性を重視した治療ですが、体が火照ったり、首への注射時にごくまれに血圧が下がったりする副作用があります。
- Q痛みの原因となる部分はすぐにわかるものなのでしょうか。
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A
▲手術を検討している人にも有用なブロック注射
多くは初診時に原因部分を突き止めることができますが、必ず確定診断できるわけではありません。実際にブロック注射を打ってみて、どの程度症状に変化があったかによって、注射位置が適切かどうか、より適した位置はないかを確認していくことができます。症状に合わせて打つ場所をずらしながら、より適切な位置を探っていくケースもあります。ブロック注射は診察の精度を高めるためにも、役立つ手段だと思っています。
- Q痛みがある場合、ブロック注射以外の選択肢はありますか。
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A
▲大きな病院とも連携している
ブロック注射と並行して、痛み止めなどの内服薬を処方することがあります。一方で痛みが非常に強い場合や、長く続く場合、さらに神経痛があると認められた場合などには、MRI検査などをお勧めしています。あまりに症状が強い場合は、手術が必要となることもあるでしょう。ただし、手術は極力避けたいと思っています。いずれにせよ症状を把握し、痛みの原因を突き止めた上で、治療法を選択していくことが重要です。患者さんはいくつかの選択肢の中から、ご自分にとって最適な治療を選んでほしいと思います。