手足の痛みに適用可能な
ハイドロリリースとは
河合外科・整形外科
(岐阜市/加納駅)
最終更新日:2025/06/24


- 保険診療
最近ハイドロリリースという言葉はよく目にするけれど、実際は何をするのかな、痛くないのかな、などと思っている人は多いのではないだろうか。ハイドロリリースについて詳しく聞いたのは、1936年の開業から地域の健康を支えてきた「河合外科・整形外科」の院長である江崎正浩先生。日本整形外科学会整形外科専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医の資格を持ち、ペインクリニックやリハビリの分野にも精通しているドクターだ。ハイドロリリースを行う上で重要な高解像度エコーシステムの登場には、「診断能力や治療能力が上がっただけでなく、物の考え方が根源的に変わった」と江崎院長は話す。そんな江崎院長に、同院で行っているハイドロリリースや高解像度エコーシステムの進化が治療に与えたものについて聞いた。
(取材日2025年6月5日)
目次
高解像度エコーシステムで痛みの原因の描出が可能に。「見える」ことで、より的確な治療をめざせる
- Qこちらで行っているハイドロリリースについて教えてください。
-
A
▲エコーを使用することで、より鮮明に組織を観察することが可能
ハイドロリリースとは、高解像度エコーシステムで描出した画像をリアルタイムで見ながら、ごく薄い局所麻酔薬を患部に注入し、痛みの原因となっている筋膜にアプローチする治療法のことです。筋膜とは筋肉の膜という意味ではなく、筋肉、内臓、神経などあらゆる組織を覆っている膜を指します。その膜の中に痛みを感じるセンサーがあるので、痛みの解消のためにはそこに薬液でアプローチすることが必要となるのです。
- Qハイドロリリースは、どのような症状に適したものでしょうか?
-
A
▲エコー検査は、診察中に手軽に検査することが可能
手足や頸、腕、肩の痛み、神経痛など幅広い部位の痛みに適していると言えます。高解像度エコーを使用することで筋肉、骨、神経、血管などすべてを精密に描出できますので、原因の箇所を分析し、見ながら注射を打つことが可能です。例えば、指先が痛む場合、指先へつながる神経はこの辺りだろうとエコーで探し、画像を見ながらピンポイントで注射することができますね。今では手首や足首の末梢神経までエコーで見えるようになりました。他には、肩凝りや頸の痛みの原因はいろいろありますが、筋肉の凝り部分なのか、頸の骨同士をつないでいる椎間関節なのかなど、痛みの原因をエコー画像から追究できます。
- Q治療の期間や回数について教えてください。
-
A
▲エコーで筋膜や神経を確認しながら、 ピンポイントで注射をする
症状の原因や痛みの程度によっても期間や回数は異なります。これぐらいの期間がかかるということもなく、逆にこれ以上は続けられないということも基本的にはありませんね。1回で改善が見込める場合もあれば、もともと椎間板ヘルニアなどの素因があると、根本的な解決にならないケースもあります。素因があるということは、いったん痛みという火に水をかけても、また燃え上がる可能性を持っているということ。治療を終えた後には、再燃しないようにビタミン剤やセルフストレッチなどで対策することが必要ですね。痛みがひどいときは連続でできなくもないですが、同じ箇所に注射を打つわけですから、実際は週に2回くらいが限度だと思います。
- Qメリットやデメリットについてもお聞かせください。
-
A
▲痛みやしびれの治療に力を入れている
メリットは、使用する薬液は体への負担が少ないもので、副作用もほとんどないこと。そのため繰り返しての治療も可能です。また以前は触診でトリガーポイントを探していましたが、高解像度エコーによって適切な位置を目で確認しながら注射を打てるように。血管を傷つけて出血してしまうリスクがぐっと減り、安全性にこだわって治療を進めることが可能です。治療時間もそんなにかかりません。デメリットはほとんどありませんが、どうしても効果が望めないケースもあるということですかね。注射の痛みはほとんどの場合がその瞬間だけです。注射後の腫れや感染の危険度は通常の筋肉注射と変わらないので可能性がないとは言えませんが、その程度です。
- Q高解像度エコーの登場は非常に画期的なことなのですね。
-
A
▲大学病院や総合病院で多くの症例を手がけた経験豊富な院長が診療
ハイドロリリースというのは、薬液を注射することで筋膜に直接アプローチできるという点ばかりが注目されますが、その根源はエコー技術がこの10年ほどで劇的に進化したことにあると考えています。筋肉や神経、腱、血管などを精密に描出することができ、それを見ながらピンポイントで注射を打つことができるというのは画期的でした。エコー技術の進化には2つの大きな意味があると思っています。1つはハイドロリリースが精密に行えるようになったこと、もう1つは医師と理学療法士が情報共有できるようになり全体の治療能力が格段に上がったことです。リハビリを行う上でも大切なので、正確に情報共有できることは大きな意味を持ちます。