竹田 洋祐 院長の独自取材記事
たけだ内科クリニック
(岐阜市/各務原市役所前駅)
最終更新日:2024/01/29
「たけだ内科クリニック」は、45年以上にわたり地域に根差し住民に親しまれてきた。リニューアルされた院内は土足でそのまま入れるバリアフリー設計で広々とし、幅広い年齢層の患者が気兼ねなく通える温かな雰囲気がある。父から同院を継承した2代目院長の竹田洋祐先生はやわらかい物腰と優しい笑顔が印象的なドクター。診療では「解決策を見つけていく窓口」として適切な見立てと全身管理を重視した診療を心がけ、CTやエコー、経鼻胃内視鏡、血球計数・CRP測定装置のほか、リハビリテーション設備も各種そろえている。「めざすのは家族みんなが通えるクリニック。何かあればまず相談してほしい」と、患者との対話を何よりも大切にする竹田院長。地域医療へのさまざまな思いを存分に語ってもらった。
(取材日2020年2月10日/情報更新日2024年1月23日)
全身管理のもと健康の窓口となり適切な見立てをめざす
どんな経緯で院長を継承されましたか?
当院は父が1978年に開業したクリニックです。私は藤田保健衛生大学を卒業して、当時は感染症リウマチ内科と呼ばれていた膠原病内科に入局し、7年ほど勤務をしましてこちらに入りました。専門としていた膠原病内科というのは、基本的には免疫疾患の全身の病気なんですね。合併症として肺や消化器、神経、循環器などほぼすべての臓器を診て全身を管理する分野だと言えます。全身をまとめて診ることのできる科に身を置いた経験が今でも生かされています。
数年前にはリニューアルもされたとお聞きしました。
以前はここの隣地に、父が開業したクリニックがありましたが、25年くらい前にこちらに移動して新しく建て直しました。こちらに移ってしばらくは2階部分に19床の入院施設があったんですよ。今はやっておりませんので、空いたスペースにリハビリテーションができるよう設備を整えています。高齢の方の病気予防を目的に、体の痛みやしびれ、筋力低下に対するマッサージや運動について専門のスタッフが対応しています。
クリニックの改名もされているそうですね。
以前は「たけだ内科胃腸科」という院名でしたが、2015年に「たけだ内科クリニック」と改名しました。消化器だけではなく全般的に診療していくという思いを込めています。クリニックを利用する際、風邪をひいた場合は耳鼻科へ、体が痛い場合は整形外科へといったように、ご自分で判断して行かれる方が多いと思いますが、どんな状態でもまずは当院に来ていただけたらと思います。ここで済むことなら治療を進めていきますし、無理だということなら適切な病院へきちんと紹介し、健康の窓口となり適切な見立てを行っていくように努めています。改名前は消化器や循環器の疾患に関する患者さんが多かったのですが、改名後は内科的なことであれば何でも来院してくださる方が増えてきましたね。
患者さんの年齢層はどうでしょうか?
この地域の方々は高齢の方が多いですし、同グループの介護老人保健施設も隣接していますので、患者さんの年齢層は高いですね。ただ、私に変わってからは、胃カメラ検査やCTを導入したりして、なるべく新型のものをそろえるようにしていますので、検診や健康診断での2次検査を希望される若い方も増えてきています。最近は、父の頃から来てくださっていた方が親になられて、お子さんやお孫さんを連れて来てくださるようになっています。3世代にわたり家族ごと利用してくださる患者さんも多くありがたいです。また、無料送迎バスも運行していますので、お気軽にご来院いただければと思います。
患者とのふれあいを大切にし地域に根差した医療を提供
先生のモットーを教えてください。
常に全身の機能を診るようには心がけています。頭のてっぺんから足先まで、例えば転んでケガをしたというのであれば処置しますし、水虫などの皮膚の相談も受けます。「爪くらいで皮膚科に行っていいのか」「喉の症状だと耳鼻科なのか、それとも呼吸器科なのか」など、どこへ行けばいいのか迷う方もいらっしゃるので、とりあえずなんでもいいので、まずは来て相談していただくというスタイルです。「これはここに行ったほうがいいですよ」と、必要であれば適切な専門病院に紹介して受診していただく手配をとります。内科的なことに関してはきっちりやっていますし、それ以外のことは常に広く知識を入れるようにしています。
どういった時にやりがいを感じますか?
地域に根差した医療をめざしていますので、どんな方も気楽に来ていただけたらと思っています。診察に関しては、患者さんの質問にお答えしますし、いろいろな話をしてくださる患者さんが多いので、一人ひとりにかける時間が長くなってしまうことも。ただ、分野に関わらず来院して話をしてくださる時は、頼りにされていると感じてうれしくなりますね。
患者さんとのコミュニケーションを大切にされているんですね。
父も患者さんからなんでも話を聞いていましたし、私もそういうやり方が好きなので受け継いでいますね。「ここに来て相談すれば何とかなる、解決しますよ」と安心感を与えたいですから。患者さんとの距離が近く、病気には関係ないことを話してくださる方も多いです。旅行の話が出れば「こういうことに気をつけて」とか、お子さんが風邪を引いてとなれば「移るといけないから早めに診察に連れてきて」と、ちょっとした会話からアドバイスもできます。スタッフも和気あいあいといつも楽しそうに会話をしていて、患者さんに対しては事務的ではなく、自分の家族のように接してくれています。畑で採れた野菜や、手作りの巾着袋などを持ってきてくださる患者さんもいるんですよ。
他機関との連携を密に健康管理を。高齢者医療も注力
検査設備も充実していますね。
胃カメラやCT、エックス線やエコーなど先鋭の設備を導入しています。特に胃カメラでは、経鼻内視鏡を使用しているので苦痛も少ないですし、時間の余裕がなく、「朝ごはんを抜いてきました」という方には、当日の検査も可能です。大腸カメラは、当院では行っていませんのでほかの医療機関を紹介いたします。また、CTに関しては、大学院にいた時に放射線科で4年間ほど専門的に勉強してきていますので、読影も得意なんです。会社や市町村の検診で引っかかった方や、きちんと検査を受診したい方は、気軽に相談してください。
隣接するグループ内の歯科医院との連携はどのように取られていますか?
その歯科医院では、妹が院長を務めています。内科での診察と同時に、歯科の処置が必要な方もいらっしゃいますし、入れ歯や噛み合わせのことで相談を受けることもあります。一方で歯科でも、抜歯をしていいか判断がつかない、入れ歯を飲んでしまったという誤飲、歯科処置中に気分が悪くなってしまったなど、そういうことがあればすぐにこちらに来ていただいて対応しています。お互い連携を取り合いながら、早期に適切な対応ができるメリットがあり、私たちがめざしている全身管理にもつながっているのではないでしょうか。
これからの展望についてどのようにお考えですか?
先代から受け継いだ患者さんとの関係を引き続きつないでいきたいです。地域の患者さんにとってお子さんからお年寄りまで家族ぐるみで通えるかかりつけ医として、気がねなく頼っていただきたいです。分野外のことでも、まずは相談いただき、解決策を見つけていく窓口になっていきたいと思っています。また、通りを挟んですぐの場所には私たちの法人が運営する老人保健施設もあります。当院でも高齢者医療に力を入れていきたいと考えており、施設内では90代や100歳を超えた方もいらっしゃるので、24時間365日、健康管理をしなくてはいけません。平均寿命は上がっていますが、健康寿命を延ばしたいといつも思っています。長生きされるのであれば、少しでも元気に笑顔でいていただけるよう全力でサポートをすることをめざしています。医療と介護、みんなで力を合わせてやっていきたいですね。