竹田 洋祐 院長の独自取材記事
たけだ内科クリニック
(岐阜市/各務原市役所前駅)
最終更新日:2026/05/01
長年地域に根差して診療してきた「たけだ内科クリニック」は1978年開業。現在、2代目院長を務める竹田洋祐先生のもとには、父の代から通い続ける患者や、親子3世代で来院する家族も少なくない。「どんなことでも、まずはご相談いただければと思います」と語る言葉には、どこに相談すれば良いか迷う症状でも受け入れ、必要に応じて適切な医療機関へつなぐ地域の窓口であり続けたいという竹田院長の思いがにじむ。検査や設備はあくまで診療を支える手段であり、最も重視しているのは、患者の表情や歩き方、言葉の端々から伝わる小さな変化を感じ取ること。その積み重ねが信頼につながると話す。患者の声に耳を傾け、一つ一つ丁寧に受け止めていく姿勢が印象的な竹田洋祐院長に、地域とともに年を重ね歩んできた同院の医療について語ってもらった。
(取材日2026年2月4日)
迷ったときに、まず相談できる場所でありたい
竹田院長のこれまでの歩みを教えていただけますか?

当院は、父が1978年に開業したクリニックです。私は藤田保健衛生大学を卒業後、当時感染症リウマチ内科と呼ばれていた膠原病内科に入局し、約7年間勤務した後、当院に戻ってきました。膠原病内科は免疫疾患を扱う診療科で、肺や消化器、神経、循環器など、全身を診ることが求められます。この経験が、今の診療スタイルの基盤になっています。以前は「たけだ内科胃腸科」として診療していましたが、2015年に「たけだ内科クリニック」へと改名しました。消化器に限らず、全般的に診ていくという思いを込めています。どこを受診すればいいか迷ったときに、まず相談できる場所でありたい。ここで対応できることはしっかり行い、難しければ適切な医療機関へ紹介する。健康の窓口として、適切な見立てを行うことを大切にしています。
隣接するグループ内の歯科医院とも連携されていると伺いました。
歯科医院とは日常的に連携しながら診療を行っています。歯科医院で何かあれば当院で全身状態を確認しますし、逆に当院に通院されている患者さんが、同じ日に歯科医院を受診されることも多いですね。歯科医院の予約時間に合わせて受診される方もいらっしゃいます。処置が必要な場合でも、薬剤情報やアレルギーの有無などをすぐに共有できるため、診療はとてもスムーズです。歯科治療では全身状態や生活習慣病が影響する場面もありますので、歯科医院と近い距離で連携できる体制は、患者さんにとって安心につながっているのではないかと思います。また、グループ内には高齢者施設もあり、歯科医院が口腔管理を担い、当院が内科的な管理を行っています。
患者さんの年齢層や、地域との関わりについてはいかがでしょうか?

以前はご高齢の患者さんが中心でした。ただ、ここ数年は法人としてホームページを整備したり、SNSで情報発信を行ったりするようになり、若い方の受診も増えてきたと感じています。この地域は岐阜市と各務原市のちょうど境目にあたり、最近では、岐阜市の市街地や各務原方面から来院される若い方も増えてきました。こちらからの発信が届いていることを実感でき、ありがたく思っています。地域柄、ご夫婦やご家族で受診される方、世代を超えておじいちゃんとお孫さんが一緒に来院される方も多く、家族ぐるみで医療を受けていただくかたちが自然に根づいていると感じています。
先進機器をそろえ、診療の精度向上をめざす体制を整備
検査設備が充実していますね。

若い方の来院が増えている背景には、検査機器をできるだけ新しい物に整えてきたこともあると思います。CTは院内で検査できますし、血液検査も白血球、赤血球、血小板、CRP、HbA1cなどをその場で数分のうちに確認できる体制を整えています。院内で完結できる検査が多い点は、当院の強みの一つです。また、インフルエンザや新型コロナウイルスの抗原検査に加えて、百日咳やマイコプラズマ肺炎など16種類の呼吸器感染症を一度に調べられるPCR検査機器も導入しました。喉の写真を撮影し、AIによる診断補助機能を搭載した機器も取り入れ、患者さんの負担軽減にもつなげています。ほかに、超音波検査、骨粗しょう症の簡易検査、エックス線検査、ホルター心電図、胃内視鏡検査など、一通りの検査に対応しており、胃内視鏡については、AI機能つきの機器に更新しています。
検査機器にAIを導入されているのですね。どのような思いがあったのでしょうか?
AIにすべてを任せるのではなく、あくまで補助的に活用しています。導入したのは、微細な病変の見落としを防ぐためです。一人で診療している以上、どうしても思い込みや小さな見落としのリスクはゼロにはできません。そうした部分を今の時代の技術で補い、より安全で精度の高い診療につなげたいと考えています。エックス線画像の読影についても、AIを補助的に活用しています。こうした検査体制や機器の充実は、当院の強みの一つだと思っています。私自身がしっかり診ることに加えて、AIの力を補助的に用いながら、診療の精度を高めていく。それが、患者さんにとっての安心につながればと考えています。
こちらでは多くのスタッフさんが活躍されていますが、スタッフさんについてもお聞かせいただけますか?

当院は基本的に、私と事務スタッフ、看護師という構成です。法人が運営する施設と兼務しているスタッフも多く、法人内で連携しながら診療や業務を行っています。スタッフは皆明るく、患者さんとも自然な距離感で接してくれています。特別なルールや指示によって今の雰囲気ができているというよりも、スタッフが日々積み重ねてきてくれた患者さんへの関わり方によるものだと思っています。
切れ目のない医療と家族のような温かさで地域を支える
日々の診療で大切にしていることは?

診察室に入ってこられる前から、声をかけたときの反応や歩いてくる様子、入ってくる際の姿勢や顔色などは、診断のヒントにつながることも多く、丁寧に見るようにしています。まずは自分の目や感覚で患者さんの様子をしっかり見ること。その上で必要な検査を行うことを大切にしています。そして、何よりも話をよく聞くことです。どうしても時間はかかってしまいますが、「ここに来るだけで元気になる」と思っていただければ、それだけでありがたいです。検査で数値を確認することも大切ですが、それ以前に、ちゃんと見てもらえた、話を聞いてもらえた、という安心感が、患者さんにとっては大きな意味を持つのだと思います。そうした一つ一つを積み重ねながら、診療を続けていきたいと考えています。
これからのクリニックづくりで大切にしていきたいことはありますか?
風邪などで受診したお子さんが成長し、やがてご自身のお子さんを連れて来院されるようになり、さらに年齢を重ねていく中で、往診や施設、介護サービスを利用しながら、ご自身の生活を大切に過ごされていく。そうした流れの中で、患者さんの人生に継続して関われる体制があります。父の代から通ってくださっているご家族もあり、その方の体調や背景を理解した上で関われることは、医療者としても大きな意味があると感じています。今来られている若い世代の方が年を重ねていくと同時に、私自身も年を取っていきます。それでも、診療を続けていくことで、地域の方を切れ目なく、長く支え続けられる体制を維持していくことが大切だと考えています。
最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

当院にはゾウをモチーフにしたマスコットキャラクターがあります。ゾウは共感力が高く、家族思いで、いざという時には大きな体と力で仲間を守るといわれています。そうした姿に重ねて、ゾウのように頼りがいがあり、共感力を持って寄り添えるクリニックでありたいという思いを込めています。地域の相談窓口として、内科に限らず、まずは相談していただけたらと思っています。対応できることは対応しますし、難しい場合には正直にお伝えした上で、適切な医療機関をご紹介します。「内科じゃないかもしれないけれど、相談したい」と言って来てくださる方も少なくありません。そうして頼っていただけることはありがたいですし、その信頼にきちんと応えられるよう、これからも診療を続けていきたいと考えています。

