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山賀 寛 理事長、山賀 篤 院長の独自取材記事

やまが整形外科

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2023/04/03

山賀寛理事長、山賀篤院長 やまが整形外科 main

開業して30年以上、地域に根づいて診療を続けてきた「やまが整形外科」。現在は山賀寛理事長と息子である山賀篤院長の2人体制で診療にあたっている。4階建ての内部にはMRI室やエックス線撮影室、けん引などを行う一般リハビリテーション室に加えてスポーツリハビリテーション室を備えており、診療スペースは全面バリアフリー仕様。各階へはエレベーターで移動できる。スポーツ障害の治療に注力していることも特徴で、常に患者の立場に立った治療やリハビリを心がけている。「けがを治しておしまいではなく、その後の競技復帰まで見据えた治療やリハビリに取り組んでいきたい」と声をそろえる両先生。チームで診療にあたる同院の特徴や患者への思いなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2023年3月9日)

日常の不調からスポーツ障害まで幅広く対応

これまでの経緯や患者層について教えてください。

山賀寛理事長、山賀篤院長 やまが整形外科1

【寛理事長】このビルはもともと僕の父が建てたもので、1991年に3~4階を借りて当院が誕生しました。けがは初期治療が大事なので、地域の皆さんが遠くの病院まで行かなくてもすぐに治療ができるようにと地元での開業を決めたのです。その後、患者さんが増えたことに伴い、ビル全部を医院としました。
【篤院長】長年通ってくださる方も多く、午前中は高齢の方が、午後はスポーツをしている学生さんが多いでしょうか。主訴は、膝や肩、腰の痛み、部活動でのけがや傷害のほか、コロナ禍以降は運動の機会が減ったからか肩関節周囲炎、いわゆる凍結肩で痛みを訴える方が増えたように思います。また最近では当院が行っている通所型リハビリテーションのニーズが高まっており、いずれはスペースを広げて地域の方々のご要望に応えていきたいと構想中です。

先生方が医師をめざされ、整形外科を専門にされたのはなぜですか?

【寛理事長】僕は、人のためになり、喜んでもらえる仕事に就きたいと高校時代から医師をめざしていました。最初に病院で整形外科の分野に携わり、この道に進もうと決めたのです。中学からサッカーをしていた縁で、サッカーチームのチームドクターをした経験があり、膝関節鏡視下手術を多く手がけていたことから自然とスポーツを行っている人を診る機会が増えました。
【篤院長】人に感謝され自分も幸せな気持ちになれる医師という仕事に魅力を感じていました。父の存在も大きいですが、診断から治療まで一貫して自分でできる整形外科は面白いと感じたことが選択した大きな理由です。大学では競技スキー部に所属していました。今は小学生のわが子とスキーに出かけています。

院長は病院勤務時代、足の外科の治療もされてきたそうですね。

山賀寛理事長、山賀篤院長 やまが整形外科2

【篤院長】はい。整形外科の一般疾患、外傷疾患に加え、奈良県総合医療センターでは足の外科分野についても学びました。足の外科というのは、外反母趾や扁平足なども扱いますが、私は主に足の関節におけるスポーツ障害の手術、治療に携わりました。スポーツ活動全般で起こり得る、靱帯損傷、離断性骨軟骨炎、インピンジメント症候群などといった足の関節を痛めてしまう病気が対象です。この地域に専門の医師が少ないこともあり、現在も必要に応じて病院へ赴き手術を行っています。

治療後もパフォーマンス維持・向上のためのリハビリを

普段、心がけておられるのはどんなことですか?

山賀寛理事長、山賀篤院長 やまが整形外科3

【寛理事長】スポーツをする人にとってつらいのは、医師から「スポーツを休みなさい」と言われることだと思います。ですから診察では復帰が見込める目安を伝え、スムーズに復帰できるよう体力を維持することを目的としたリハビリを治療と並行して行うようにしています。けがが日常生活には困らない程度に治れば良いというのではなく、競技に復帰でき、さらにはそれ以上のレベルになるよう支えていくことを心がけています。「やまがのリハビリは部活より厳しい」という声を聞くことがありますが、リハビリのスタッフはサッカー、バドミントン、野球、アメフトなどスポーツの経験者であり、無理のないように心得ています。また、復帰が見込める目安やプロセスを、本人だけでなくチームの指導者に伝えることも大事ですね。おかげさまで指導者から「けがをしたら、やまがへ行ってこい」と言われて来院する方もいるようです。

院長はいかがでしょうか?

【篤院長】理事長が話したように痛い所だけ治せば良いわけではなく、根本から治療しないと、治ってもまた疲労骨折をしてしまったりするのです。ですからスポーツを休んでいる期間を「体の環境を変えてあげる期間にしましょう」とお話しします。全面的に休むのではなく「これはできないけれども、できる部分を鍛えよう」という方向性を考えて提案していきたいですね。また、ある先生に教えてもらったのですが、「ストレッチをしよう」という言い方ではモチベーションが上がらない子どもも「この期間に肉体改造しよう」と言うと頑張れることもあるようです。そのように患者さんがポジティブに取り組めるような声かけを工夫しています。

検査機器についても教えてください。

山賀寛理事長、山賀篤院長 やまが整形外科4

【寛理事長】オープン型MRIを備えていますので、「MRIは圧迫感があって苦手」という方でも受けやすいと思います。病院では予約が難しいこともありますが、スポーツに取り組んでいる人は特に早く結果を知りたいこともあり、導入して良かったと思っています。
【篤院長】超音波診断を積極的に使っています。エックス線撮影との大きな違いは、被ばくがないことと、動態を診られること。関節内注射やブロック注射をする際も針が入る場所をしっかり確認できるので、治療の精度向上につながります。また、例えば靱帯がどれだけ回復してきたかなど経過観察にも役立ちます。超音波検査は「コミュニケーションツール」といわれていて、患者さんも画像を一緒に見ることができるので、「今はこんな状態ですよ」と説明できたら安心される方も多いのではないでしょうか。

子どもの頃から体を動かすことが大事

スタッフの方々とどのように連携されていますか?

山賀寛理事長、山賀篤院長 やまが整形外科5

【寛理事長】現在、理学療法士やトレーナーなどのスタッフが多数在籍しています。週1度のミーティングで、患者さんの状態を確認したり、どのように治療を進めていくかを話し合ったりします。若いスタッフが多く、先進の治療についても積極的に勉強するなど皆熱心で頼もしいです。私たちの仕事は院内で患者さんを診るだけでなく現場へ行くことも大事で、スタッフも練習や試合を見に行って、患者さんの復帰状況を確認したりテーピングを行うことも大事だと考えています。そうした活動の中で、私たちもスタッフからいろいろ提案してもらうなど、いつでも意見を言い合える雰囲気は大切だと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

【篤院長】父が開業した時からずっとそうですが、身近な医療機関として地域に根づいた医院であり続けたいと思います。スポーツの医療にも力を入れていますが、地域の幅広い年齢層の方々に信頼される治療をしっかり行いたいです。医療はどんどん進歩していくので、今後も常にアンテナを高くして新しい知識を吸収し、岐阜の患者さんが新しい医療を求めてわざわざ名古屋まで行かなくても当院で治療できるようにしていければと思います。整形外科は、「移動する」「スポーツを楽しむ」など人の活動に対して貢献できる分野。お子さんからお年寄りまで、すべての疾患が完治までいかなくとも、当院でできるだけのことをして生活の質を保つお手伝いができればうれしいです。

スポーツをする方にも運動が苦手な方にもアドバイスをお願いします。

山賀寛理事長、山賀篤院長 やまが整形外科6

【寛理事長】けがをしたときは早めに来院していただきたいですね。早く治療すればそれだけ復帰も早くなることが期待できることが多いのです。また成長期は骨が伸びるのに筋肉や軟部組織がなかなかついていかないのですが、小さい頃から柔軟性を身につけておくと、例えば肉離れが起こることも少ないと思います。子どもの時から自分の体のケアをすることが高齢になっても元気でいられる秘訣の一つだと思いますので、生活の中に運動とケアを取り入れてほしいですね。
【篤院長】今は基礎体力がない子どもが多いと感じます。外遊びの機会が少なくなり、中高生もコロナ禍で運動部に入る子が減っているようです。骨密度は若い時の運動の貯金といわれているので、子どもの頃からいろいろな運動を試みると良いと思いますし、中高生の時に体を動かすのは精神的にもプラスになるのではないでしょうか。運動する機会はいくつになっても持ち続けてほしいですね。

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