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宮崎 千惠 院長の独自取材記事

宮崎千惠婦人クリニック

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2019/08/19

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近くに神社の緑がこんもり見える静かな環境に「宮崎千惠婦人科クリニック」は立つ。入り口のアプローチには季節の花々が植えられ、来院者の心を和ませる。宮崎千惠院長は長年出産に携わってきたベテランの医師で、昨今は、女性の健康増進に関わる活動や、子どもに向けた性と生の教育にも力を注ぎ、行政にも働きかけを行っている。「外来では、自分の体や生殖の仕組みについて理解していない女性が多いと感じます。子どもや若い女性は日本の宝。自分の体は自分で守り大事にすべき、と伝えたい」と話す。75歳とは思えないパワフルな活動や肌の艶は、6歳から続けている日本舞踊のおかげかも、と笑う気さくな先生だ。「患者さんには厳しいですよ」と言いつつも、心の奥は、女性たちへの強く優しい思いにあふれていた。
(取材日2019年7月17日)

時間をかけて患者に合わせた治療法を選択

先生のご経歴などについて教えてください。

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私は岐阜の出身で、小学校から中高校生の時代はよく遊ぶ学生でした(笑)。久留米大学医学部でも勉強の傍らテニスと麻雀に明け暮れる日々でしたが、志を持って大学院に進学。小倉国立病院産婦人科でレジデントとして勤務し、岐阜に戻って岐阜大学附属病院、岐阜市民病院の産婦人科、麻酔科で経験を積みました。1980年、35歳で開業。以来40年、女性の健康に関わってきました。

患者はどのような方が来られているのでしょうか?

開業から25年間はお産がメインでした。お産をした方が娘さんやお孫さんを連れてこられたり、町で声をかけてくださったりすることもあり、とてもうれしいですね。メディアに登場したときは遠方から電話をくださる方もいました。今はお産は行っておらず、患者さんは、生理不順や月経困難症、婦人科疾患、更年期障害、不定愁訴などの方が中心です。当院はペインクリニックの診療も行っており、帯状疱疹で痛みを抱える方などもいらっしゃいます。妊婦健診、婦人科のがん検診も行っています。開業して40年ですので、カルテの通し番号は10万以上。愛知県から来られる方もありますが、約40万という岐阜の人口から考えると、たいへん多くの女性にご来院いただいているのだと、歴史を感じますね。

更年期障害にはどのような治療をされているのですか?

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症状が強い場合はホルモン補充療法が良いと考えていますが、どうしても「怖い」というイメージを持つ方も少なくありませんので、漢方薬でも対応しています。ホルモン補充療法を2~3ヵ月試してみて、その後どうしていくのが良いのか話し合って決めていくパターンが多いですね。治療法については患者さんのお話をじっくりお聞きすることがとても重要で、ぱっぱっと診察するわけにはいきません。お一人お一人の診療にはかなり時間をかけていると思います。

女性の健康増進は国にとっても重要と考える

女性ホルモンやホルモン補充療法について教えてください。

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50歳前後から、男性ホルモンは緩やかに減少することが多いですが、女性ホルモンは激減する方も多いのです。女性ホルモンは排卵や出産に関わるだけでなく、自律神経のバランスや血管、粘膜などの弾力性、脂質の代謝、骨密度の保持などに大事な役割を果たしています。それが一気に減少するとバランスが崩れて、肩こりや不眠、ホットフラッシュなどさまざまな不調が起きやすくなってしまうのです。高脂血症や骨粗しょう症に女性の割合が高いのもそのためですね。ですから、女性ホルモンを補充することで、体のバランスを整えることを促します。

更年期の過ごし方がその後の人生に関係してくるのですね。

そのとおりです。「更年期だからこのぐらいの不調はしょうがない」「自分は運動しているから大丈夫」などと言っていないで、健康診断はもちろん、婦人科での女性ホルモン、骨密度、脂質などの定量検査をお勧めします。その際はホルモンの働きやホルモン補充療法についてきちんと説明してくれる先生を選びましょう。本来、企業でも産業医に加え、産婦人科の医師が年に1回ほど診療することが望まれます。昨今、医療費の増加が問題になっていますが、女性、男性とも高齢になっても元気でいるためには、特に女性の健康を考慮することが重要だと思うんです。

女性が生涯健康でいることが、国の医療費にも関わっているとお考えなのでしょうか?

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内閣府の高齢社会白書によると、2017年時点で平均寿命は女性87.26歳、男性81.09歳。女性のほうが長いのですが、日常生活に制限のない健康寿命は女性も男性も70代前半まで。つまり寝たきりなど日常生活に制約のある期間は女性が男性より数年長くなると考えられるのです。これを短くして女性の健康寿命を延ばせたら医療費は抑えられることでしょう。また女性がもし病気で倒れたら、家族や周りの人たち、勤務する会社にとっても社会的、経済的損失は大きいのではないでしょうか。アメリカでは、女性と男性の体は違うものとして「性差医療」が提唱されていますが、日本ではまだまだ浸透していません。私個人の力では限界があり、団体として行政に政策提言を行うことが必要と感じ、2005年に岐阜県女性医師懇談会を立ち上げました。その後、市長や知事、国会議員の方々に、じかにお話をさせていただく機会もありました。

自分の体は自分で守り、大事にすることを伝える

先生が行政に働きかける目的は何ですか?

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日本の将来を良くしたいということです。そのためには医療だけでなく教育も重要。今は、いじめ、児童虐待など多くの問題があり、性について間違った情報も氾濫しています。私は10年前に市に働きかけて、産婦人科の医師が中学校で「出前講座」をする活動を始めました。医師仲間で市内の中学校を回り、性や生をテーマにお話をするんです。外来をしていると、思春期でも結婚していても、体や生殖の仕組みについて正しく知っている女性は少なく、中学生から知識を持つべきだと感じます。自分の体は自分で守り、大事にすべき、と伝えたい。ですから患者さんにも健康を害する習慣を直さない人には、厳しく言うこともありますよ。ちゃんとアドバイスを受け入れて、症状が良くなってきた人とは喜び合っています。まずは基礎体温の記録をつけることが基本ですね。

他のご活動についても教えてください。

性暴力被害にあった女性を支援する活動もしています。被害にあったらまず警察と考えますが、それはなかなか行きづらい。そのときにまず電話をくだされば支援員が対応します、というもので、そこから産婦人科の医師につながります。かつて大阪で、ある先生のお話を聞いて、これは岐阜でもやらなければと県に陳情して実現した仕組みです。コールセンターは24時間365日対応で、複数の医師が月に数回ずつ交代で対応し、必要に応じて診察をします。長年お産に注いできたエネルギーを、今はこうして教育や行政に働きかける活動に一生懸命注いでいます。お話ししたように、女性が自分の体を知り、守ることの重要性を、産婦人科の医師が広く啓発することも必要だと思っており、各地で講演もしています。

今後についてのお考えをお聞かせください。

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子どもたちや若い女性は、日本の宝。心身ともに元気で成長していけるように、産婦人科の医師として、女性として、私ができることは何でもしたいです。現在、若い女性の間で子宮頸がんが増えていますが、早期発見のために20歳を過ぎたら2年ごとに検診を受けてほしいと思います。進行すると子宮を取らなければならないこともあり、膀胱や直腸に転移すると命にかかわることも。個人的にはワクチンを接種してほしいですね。産婦人科は若い女性には来にくいかもしれませんが、すぐに内診するわけではなく、お話だけでも大丈夫。出前授業の後は学校の先生を通じて相談が来ることもあります。気になることがあれば気軽にいらしていただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

子宮がん検診/1万円~(税抜き価格)

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