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日常生活に支障を来す認知症
初期症状に気づいたら早めに相談

武井内科医院

(小田原市/国府津駅)

最終更新日:2020/10/02

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  • 保険診療

認知症というと、加齢による物忘れをイメージする人が多いのではないだろうか。もちろん物忘れなどの記憶障害もあるが、時間や場所がわからなくなる見当識障害、幻覚や幻視、徘徊などの行動・心理症状なども認知症の特徴だ。性格や人格が変わったのではないかと感じるほど、怒りやすくなったり趣味に興味を示さなくなったりする人もいるという。「認知症にはその人の置かれている心理状態や環境も大きく関わってくるんです」と語るのは、「武井内科医院」の武井和夫院長。神経内科を専門とする武井院長は認知症も多く診察しており、患者とその家族が安心して暮らせる地域づくりにも尽力している。そんな武井院長に、受診のタイミングや患者への接し方など、家族が知っておきたい認知症への備えを聞いた。(取材日2020年9月9日)

認知症を正しく理解し周囲の協力を得ることが、患者と家族双方の不安や負担の軽減につながる

Q認知症というのは、どのような病気なのでしょうか。
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▲脳に障害が出て、日常生活に支障を来すと認知症と診断される

さまざまな原因により脳の機能が障害され、日常生活に支障を来す病気です。生活が障害されていなければ、物忘れがあろうと見当識障害があろうと、認知症とは診断しません。そういう症状と生活が障害があることで認知症と診断されます。いわゆる3大認知症と言われているのは、アルツハイマー型、血管性、レビー小体型認知症です。アルツハイマー型は認知症の中で最も頻度が高く、初めの症状は記憶障害や見当識障害が多いです。血管性は脳梗塞、脳出血といった脳血管の病気が原因で、損傷された脳の部位によって症状が変わります。レビー小体型は、幻覚やパーキンソン病のような症状があり、初期にはもの忘れが目立たないことがあります。

Qどのタイミングで受診をすればよいのでしょうか?
A
2

▲患者家族への説明で理解を深める

誰かが「あれ?」と思ったときですね。周囲の方が心配して連れてくるケースが多いのですが、もちろんご本人でも良いのです。今は認知症でなくても2年、3年と時間がたてば、変わってくるかもしれません。ですから、「あれ?」で終わらせないで、医療につなげてください。まず1回、きちんと診察をしてもらい、現時点での評価をした上で、継続的に診てもらうのが良いと思います。その際には、いきなり認知症や物忘れなどを専門とする医療機関に行くのではなく、かかりつけの医師に相談してください。患者さんの家族のことも知っていますし、日常生活に近いところにいる、かかりつけ医だからこそわかることもありますからね。

Qクリニックでは具体的にどのような対応をされていますか?
A
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▲まずかかりつけの医師に相談することが大切

何に困っているのか、そして誰が困っているのかが重要なので、まず、この2つをお聞きします。本人はそんなに困っていないけれど、家族がとても困っているという場合がけっこう多いですね。この場合に大事なことは、認知症と診断したら、病気であるということと、どういう病気であるかを理解してもらうこと。そしてご家族がどうすればいいかを、できるだけ具体的に提案します。そうすると家族が患者さんに対してかける言葉が変わることもあり、患者さん自身が圧倒的に落ち着きやすいのです。また重症化のリスクを下げるには、生活習慣病対策も大切です。神経内科の医師は内科の医師でもあるので、生活習慣病の管理も併せて行っています。

Qご家族はどのように接し、対応すべきなのでしょうか?
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▲介護保険や地域の制度を利用することで、家族の負担も軽減

やはり病気であるということを認めて、病気について理解することです。わからないことは、できるだけ聞いていただきたいですね。そして、ご家族だけで抱え込まないことです。かかりつけ医はもちろん、地域包括支援センターやケアマネジャーに困ったことを相談してください。介護保険を利用すればさまざまなサービスが利用できますし、介護保険以外の制度も開発されています。そういった仕組みを活用したり、プロの力を借りたりすることで、ご家族の負担も軽減できるかもしれません。そして患者さんに対して、「そのままで良いんだよ」と思える環境や空間がご家庭にできると、ずいぶんと違ってくると思います。

Q認知症でも不安に思わず暮らせる地域をめざしているそうですね。
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▲些細なことでも気軽に相談してほしいと話す武井院長

認知症というのは、患者さんご本人も家族も不安なものです。その不安を少しでも軽くするためには本人やご家族だけが頑張るのではなくて、地域の皆さんが連携しながらサポートを続けることが大切だと思っています。私は脳神経内科の医師として貢献したいですし、それ以外にも地域のためにできることがあれば積極的にしていきたい。現在は医師会で仕事をしていることもあり、多職種の連携を推進したいと考えています。例えば歯科医師が自分の患者の異変に気づいたら、その方のかかりつけ医や地域包括支援センターに連絡するなど、それぞれの立場の人たちが連携して、地域にお住まいの方が利用しやすくできるようにしたいと思っています。

ドクターからのメッセージ

武井 和夫院長

認知症は誰でもなり得る病気です。認知症になったら終わりだと思っている人は圧倒的に多いですが、そんなことはありません。認知症でも、自分らしく楽しく暮らしている人は大勢いらっしゃいます。また、失禁や異食、徘徊など周囲が困る行動は、必ずしも全員に出る訳でなく、個人差があるということを知ってください。良い状態を長く保つためには、少しでも早く気づいてあげることが重要です。認知症と診断されたら、地域の医療機関や介護サービスの介入があるほうが、良い時間を長く確保できるでしょう。それを実現するために、さまざまな取り組みをしていますので、些細なことでも気軽に相談してください。

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