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武井 和夫 院長の独自取材記事

武井内科医院

(小田原市/国府津駅)

最終更新日:2021/02/01

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小田原市国府津の国道1号沿い、西湘バイパス越しにきらめく相模湾を望める場所に「医療法人 武井内科医院」はある。国府津駅徒歩3分という便利な立地もあり、常に多くの患者を迎える人気のクリニックだ。医院を訪れると、診療を終えたばかりの武井和夫院長が笑顔で迎えてくれた。「設備が整った先端医院の対局にある当院だからこそ、対話を大事にしたい」と穏やかに語る武井院長は、内科、神経内科の専門家。老年病にも詳しく、近隣に住まう高齢者からの相談も多いという。どんなに医療が進歩しても、患者と医師は常に「人と人」。心の通う対話にこそ、病克服のヒントが隠されているという。そんな武井院長に話を聞いた。
(取材日2020年4月7日)

頭痛、めまい、しびれの原因を分析診断する神経内科も

相模湾を望むすてきなクリニックですね。

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そうおっしゃっていただけるとありがたいのですが、普段はともかく台風の時には大変です(笑)。当院は勤務医だった父が定年退職後、1984年に開設したのが起こり。私は大学病院勤務の傍ら1995年から診療に加わってきました。父が体調を崩したことをきっかけに、大学病院を辞して本格的にこちらに戻り、2002年から現在の体制で運営しています。一般内科を中心とした診療ですが、父が糖尿病の診療に力を入れていたことから、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の患者さんが多くいらっしゃいます。私の専門は神経内科でして、そうした分野での専門診療も行っています。また、地域で小児も診る必要があったことから、継承後は小児診療も開始。難しい症例は他院へご紹介していますが、軽微な症状への加療や健診、予防接種など、0歳からのお子さんにも対応しています。

ご専門の神経内科とはどのような診療科になるのでしょうか?

最近では脳神経内科と言われ、いわゆる脳外科の内科版と考えていただけるとわかりやすいかもしれません。脳や脊髄、神経、筋肉に関わる病気を扱うのですが、頭痛やめまい、しびれなどといった症状を内科的に分析診断し、投薬を中心とした治療を行うのが神経内科です。症状の原因がどこにあるのか、精神的な要因などさまざまな可能性を考慮に入れながら、特定していきます。もちろん、必要に応じて脳外科と連携する機会も多くあります。具体的な病気としては、脳卒中やパーキンソン病、認知症などです。

症状の原因はどのように特定するのでしょうか?

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問診での患者さんからのヒアリングが中心になります。今どきの神経内科クリニックではCTやMRIなどを備え、画像診断に力を入れているところも多くなっているようです。必要に応じて当院でも近隣施設にそうした検査を依頼することもありますが、そこに頼りすぎていては的確な診断を行うことは難しいと考えています。いつから、どんなタイミングで、どのように発生しているのかといった症状の詳細はもちろんのこと、その裏にある生活背景までも聞き出し、得られた情報からあらゆる可能性を探っていくのです。

患者との対話を大切に、病気の本質に迫る診療を展開

診療の際に心がけていらっしゃることはありますか?

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難しい検査ができる体制があるわけでもなく、いわゆる「最先端」の対極にあるクリニックですから、とにかく患者さんとの対話を大切にしたいと考えています。その際は、限られた時間の中で的確に必要なことを聞き出すこと、思い込みを避けることが重要です。インターネットの発達により、ある程度症状や疾患について下調べをしてから受診される方が、若い患者さんを中心に増えています。具体的な病名を挙げて、「こんな症状があるので○○ではないかと思うのですが」とご相談されるのです。そんなケースでも、必ず「なぜ調べるに至ったのか?」という地点にまで立ち返り、丁寧に情報を引き出すことを心がけています。思い込みによる病名からスタートしてしまっては、病の本質を見落とす危険がありますから。時には患者さんから「なぜそんなことまで聞くのですか?」と言われることもありますが、一見病気と関係のない部分にヒントが潜んでいることも多いのです。

専門である神経内科の患者さんを診る上で大切にしていることがあれば教えてください。

神経内科は難治性の疾患が多い領域です。今でも、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなど、いまだ発病のメカニズムが明確でなく、治療法が確立されていない病気が多いのです。そんな病を抱えた患者さんとのお付き合いでは、医療がどんなに進歩しても、医師と患者は常に「人と人」であるということを強く再確認させられます。神経学的診察では、反射を見るハンマーや痛覚を刺激するルーレット、触覚を調べる筆やライトなど、いわゆる「7つ道具」のようなツールを使って時間をかけて診察します。以前勤務していた病院で、こうした診察を受けた患者さんから「丁寧に診てもらえてうれしかった」というご感想をいただいたことがあり、こちらもうれしく思いました。大先輩から神経内科的な症例をご紹介いただくことも多く、経験が必要となる診療ですから、信頼に応え努力を怠れないなと気を引き締めています。

認知症の患者さんも診ていらっしゃるのですよね?

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はい。認知症は神経内科領域でも患者さんの多い病気です。認知症にもさまざまなタイプがありますが、世間の誤解が多く、偏見も強い病気だと感じています。年を取ればさまざまな機能が失われるのは当たり前のこと。認知症に限ったことではありません。認知症でも住み慣れた地域で安心して暮らせる地域を実現できればと考えています。

認知症患者が安心して暮らせる地域を、手を取り合って

院長が医師を志されたきっかけは何ですか?

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勤務医である父の姿を見ていましたから、中学生くらいまではむしろ「絶対に医師にはなりたくない」と思っていました。社宅住まいで自宅に電話が2台あり、1台は内線で病院に直通しているような環境。休日でも何かあれば昼夜を問わず呼び出されているのを見て、単純に大変だなあと。ただ、当時は退院後の患者さんに社宅まで感謝の気持ちを伝えにいらしていただくようなこともあり、人に感謝される仕事であることは強く意識していました。3人兄弟で医師になったのは自分だけ。特に勧められたこともありません。医学部在学中には実家が開業医という状態で、漠然と「後を継ぐなら内科かな」と考えていました。各科を回った最後の研修先が神経内科だったのですが、その職人っぽさと丁寧に診断を下す先輩の姿に憧れて専門に選びました。自然な流れで老年医学も学び、現在の診療に生かせているのは縁ですね。

休日のリフレッシュ方法などあれば教えていただけますか?

特に趣味などないのですが、犬の散歩で気分転換しています。不思議なことに、犬を連れている知らない人とも話をする機会が増え、それまで接点がなかった人ともつながりができます。住まいの近くには山坂が多いので散歩もハードではありますが、健康のためにも続けています。診療を通しても感じることですが、他人と話すということは、心にも良い効果を及ぼします。病気や感染症の流行などで気持ちが沈んでいる人も、診療を通して前向きになれるようなアプローチをするように気をつけています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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認知症の方が安心して暮らせる地域づくりのために、診療も含めたサポート体制の構築に、仲間と一緒に取り組んでいます。認知症の診療では患者さんに寄り添い伴走することが大切ですが、伴走者は多いほうが安心感も大きいもの。連携により、それぞれの専門を持ち寄ればカバーできる領域も広がります。こうした体制をエリア全体に広げ、困っている人が声を上げやすく、自然に支え合える環境をつくれればと思っています。インターネットなどで医療情報を簡単に得られる昨今ですが、表面的なキーワードだけでは診断は難しいもの。かかりつけ医師や歯科医師、薬剤師を持ち、上手に付き合っていただきたいと思います。

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