石川 範和 院長の独自取材記事
善行団地石川医院
(藤沢市/善行駅)
最終更新日:2026/10/21
子育て世代から高齢者まで幅広い世代が暮らす善行団地の一角で、1977年から診療する「善行団地石川医院」。2代目院長、石川範和(のりかず)先生は、勤務医時代は主に循環器を専門とし、心疾患の治療に携わってきたドクターで、同院では地域のかかりつけ医として子どもから高齢者まで幅広い診療を行っている。より良い医療の提供をめざして、毎年新しいことにチャレンジすることがモットー。直近ではエックス線撮影装置を更新して検査体制を充実させた他、肥満症治療にも取り組む。医師会での活動を通じて地域貢献にも積極的な石川院長に、同院の診療や今後の展望などについてじっくり話を聞いた。
(取材日2026年8月21日)
地域密着の総合的な診療と循環器科の専門性を生かして
まず、こちらの特徴を教えてください。

父の代から続く地域密着型のクリニックです。患者さんは0歳から100歳までと幅広く、一般内科から小児科、循環器内科、生活習慣病、特定健診など幅広く対応しています。患者さんの多くは近隣にお住まいの方ですが、特徴ある治療を求めて市外から来てくださる方もいらっしゃいます。胸の痛みや動悸など私の専門である循環器症状の方も目立ちます。必要に応じて大規模病院や近隣のクリニックと連携しながら、何か困った時に気軽に相談できる最初の医療窓口として適切な診断を心がけています。2023年には院内改装を行い、発熱者用の専用待合室も設置し、発熱者の受付時間を8時半〜10時、15時〜16時としています。動線と時間を分けて、感染症が疑われる方もそうでない方も、安心して受診していただける体制にしています。
先生は循環器が専門なのですね。
そうです。医療の分野では、すべての治療は“心臓が動いている”ことが大前提となっています。もともと急性期医療、特に心臓の病気に携わりたかったこともあり、迷わず循環器を専門に選びました。大学病院では心筋梗塞や狭心症など、まさに命に関わる現場で多くの症例に携わってきました。責任もありますがやりがいも大きかったですね。その後、総合病院で内科一般に携わり、風邪や腹痛で来られた患者さんの中に、胸痛や不整脈などの疾患が紛れていることが多いことを学びました。このような経験から、どのタイミングで病院に紹介するべきかの見極めや診断力が鍛えられたと思っています。また、病院によっても得意分野が異なりますから、症状や患者さんの年齢などを検討して適切な病院に紹介しています。そして、手術などの治療後は、当院で手厚くフォローできる体制も整えています。
専門的な検査も積極的に行われていると聞きました。

循環器疾患は命に関わることもあり、病気に至る前の段階で介入できるよう動脈硬化などの早期発見に努めています。その一環として、「血管の健康診断」ともいわれるFMD(血流依存性血管拡張反応)検査を、クリニックレベルでは珍しく導入しています。専門知識を持つ検査スタッフが常勤しており、心臓、頸動脈に加え消化器、乳房、泌尿器など、幅広い検査を行っています。心エコーは朝の診療時間枠で毎日実施、ホルター心電図もフル稼働の状態です。また、エックス線撮影装置を更新し、肺炎などの疾患に対し、早期かつ適切な診断ができるよう体制を整えました。呼気NO(一酸化窒素)検査にも対応しており、喘息の有無を診断することも可能ですので、長引く咳や夜間の咳でお悩みの方はご相談いただきたいですね。
肥満症治療をはじめ、特色ある治療を積極的に導入
新しい治療にも積極的に取り組まれているそうですね。

保険診療、自由診療を問わず、地域のニーズに合った治療を取り入れています。例えば、薬物治療と運動・食事のアドバイスを組み合わせた肥満症治療を始めました。筋肉量や体脂肪率、骨量などを計測できる体組成計により、治療開始前と治療後に体組成の確認も行い、治療前後の変化を確認しています。禁煙治療も早期に取り入れていましたが、新型コロナウイルスの流行により、飛沫感染防止のため検査を中断していました。しかし、最近、禁煙治療を受けたいという方が増えてきたので再開したいと思っています。さまざまな治療を取り入れているため、遠方からも患者さんが来られます。
睡眠時無呼吸症候群の診療にも注力されていると聞きました。
自宅で実施できる簡易検査を行い、検査結果に基づいてCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を行っています。以前から手がけてきましたが、最近希望される方が増えていますね。睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気により仕事や車の運転に支障を来すだけでなく、心筋梗塞や脳卒中にもつながる病気ですから、いびきが気になる、昼間に強烈な眠気を感じるという方はご相談ください。また、SNSでのチャット機能や睡眠を管理するためのスマホアプリを用いた睡眠障害の治療にも取り組んでいます。
診療の際の心がけを教えてください。

患者さんは悩みや不安を抱えて来院されるので、その悩みを一つでも減らして帰れるよう、しっかりと患者さんの立場になって治療をすることです。ありがたいことに患者数が多く、お一人にたくさんの時間を割くことは難しいですが、だからこそかかりつけ医として、病歴や治療歴といった患者さん一人ひとりの状態を把握する努力を怠りません。生活習慣病や慢性疾患の患者さんでも、最低でも1ヵ月に1度は来ていただいて、顔色や全身の様子など小さな異変を見逃さないようにしています。もう一つは、患者さんを真面目に診ること。これは先代院長である父からの教えで、データばかりに頼らず患者さんと向き合い、問診、視診、聴診で判断する。医療に対して丁寧であり続けるという父の姿勢をなくさないよう心がけています。
スタッフさんの行き届いた対応も印象的ですね。
患者さんが多い中でもスムーズに診療が進むのは、抜群のチームワークを発揮するスタッフのおかげと心から感謝しています。長く勤めているスタッフも多く、初診対応なども丁寧に行い、待ち時間の短縮にも努めてくれて、本当に助かっています。
心不全の増加を見越して、地域での取り組みを促進
地域での活動について教えてください。

藤沢は私が生まれ育った地域なので、地元へ恩返ししたい思いが強く、藤沢市医師会で活動しています。この地域は病診連携だけでなく、診診連携も活発で、気軽に専門的な検査や治療を受けられる体制が整っています。さまざまな先生とつながりを持っているので、皮膚科や消化器内科もご紹介できますし、訪問診療についても、精神系に強い医師、外科系が得意な医師など、ケースに合わせてご紹介できます。医療の入り口としての機能を果たし、地域ネットワークを活用しながら、常に患者さんが迅速に適切な診療にたどり着けるようサポートしていきたいと思っています。
今後に向けて、どのような展望がありますか。
高齢化につれ、今後は心不全がますます増えると予想されています。そこで、病診連携で心不全の予防や早期発見といった管理ができないかと、地域の病院の循環器科医師と話し合っているところです。藤沢市の検診事業の中にも、心不全マーカーを取り入れた心不全検診を導入したいと医師会としても働きかけています。すでに東京都や大阪府では取り入れている市町村がありますので、早く実現したいですね。また、睡眠時無呼吸症候群や糖尿病、高血圧症といった生活習慣病は、進行すると心疾患にもつながりやすいので、早期発見や生活習慣の改善について市民の皆さんへの啓発にも努めたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

毎年一つずつくらいは新しいことをスタートさせ、常により良い医療をめざしたいというのが目標で、直近では働き盛りの世代に多い病気や悩みへの対応に力を入れてきました。クリニックレベルでも、地域のニーズに合った新しい治療をどんどん取り入れて、新しい情報や治療について知らないことで患者さんが損をされることのないようにするのも私たちの役目でもあると思っています。また、急に体調を崩した方もいつでも受診していただけるよう、予約制の導入は考えていません。待ち時間が長くなることもあり、心苦しいのですが、やはり「コンビニのように気軽に立ち寄れるクリニック」でありたいと思っています。体にまつわるお困り事や気がかりがあれば、なんでもご相談ください。当院は、お子さんの患者さんも多く、その成長をうれしく拝見しています。小児への点鼻インフルエンザワクチンなども導入していますので、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは肥満症治療/2万3100円~

