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秦野 寛 院長の独自取材記事

ルミネはたの眼科

(藤沢市/藤沢駅)

最終更新日:2019/08/28

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「大学受験をした昭和44年春は、全国で全共闘らによる学生運動が大荒れとなり東大入試が中止され、まるで戦時中みたいな大混乱の時代でした。さしたる志もなく、漠然と理系志望だった自分が、この動揺とメマイのような時が過ぎて、気付けば医学部に在籍していました。理学系志望のメッキが剥げた。だから私が医者になったのは偶然のいたずらのようなもの」と笑って話すのは「医療法人湘陽会 ルミネはたの眼科」の秦野寛院長。ユーモアを交えた会話に引き込まれ、先生の眼科医療に対する真摯な思いに圧倒される。この夏に内装のリフォームを終えたばかりという真新しい同院には近隣の住民が多く通う。大モニターに映し出された水晶体の美しさに目を見張りながら、専門である白内障・角膜移植の日帰り手術やコンタクトレンズに関する話などたっぷりと伺った。
(取材日2015年9月1日)

ただ治すだけでなく、正しい知識と治療に対する意欲を育てる地元のクリニック

「はたの眼科」は長年にわたり藤沢で多くの方から信頼を集めているクリニックだと伺いました。

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当院はおかげさまで2017年1月10日には開業20周年を迎えます。私自身代々藤沢市の出身なので、駅周辺にデパートやビルなど何もなかった頃から、この我が町を熟知しています。開院当時からの患者さんは、大学病院時代からの患者さんや、出身校の小、中、高が市内のこともあって縁故者が多いです。その後は地元の藤沢市をメインに近隣市や三浦半島、伊豆半島からも通ってくださっています。駅直結のクリニックなので、通勤通学途中の方から、小さなお子さん連れの方、ご高齢の方まで安心してご来院いただいています。白内障や角膜手術に数多く携わってきたからでしょうか、病診連携や診診連携として他院からの紹介、インターネットで調べて来院される患者さんも多いですね。また、遠方に通いきれず地元帰りするケースもあり、特に高齢者で地域医療の存在意義を感じることが増えてきました。まだ、往診までは手が回らないのですが。

町の発展とともにクリニックも成長してこられたのですね。

1997年の開院初日の患者さんは34人でした。最初の患者さんのことは今でもはっきりと覚えています。当院では開院当時から現在までの患者さんの画像はすべて電子化して保存しており、3つの診察室で共有しています。当時はルミネの8階で広さも今の半分くらいだったのですが、少しずつ患者さんが増えてきて院内が手狭になり2001年に現在の7階に移転しました。また、2005年には廊下の向かいに会議室とコンタクトコーナーを新設し、定期的に白内障や緑内障などの説明会を開いたり、コンタクトレンズの装用練習を行なったりしています。コンタクトレンズは宿命的に感染・アレルギー・ドライアイの3大疾患と表裏一体であり、その予防治療が重要です。専門の感染免疫学を基礎背景として、眼の安全を考えたコンタクトレンズ装用の指導を徹底しています。

患者に接する時はどのようなことを心がけていらっしゃいますか。

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眼科に来られる方は眼が悪くて来られるわけだから、基本的にはご家族にも一緒に診察室に来ていただいて、大きくはっきり見える大モニター画像を使ってわかりやすく説明するようにしています。診察室にあるモニターは40インチあるのですが、例えば白内障ならこの画面いっぱいに患者さんの水晶体の断面や眼球の様子を映し出しながら説明すると、ほとんどの患者さんは納得されますね。目に見える説明は本当に効果的だと思います。当院では、まず自分の眼の状態をきちんと把握していただいた上で、治療方法やそのメリットとデメリットをしっかり説明して、最終的にどうするかご判断いただくようにしています。また、感染症の場合でも目やにや眼からの擦過物を顕微鏡で拡大した画像を見ていただいて実際に微生物を確認していただくことで、多くの方に納得していただき、本気で治そうという気持ちになっていただいています。まさに「百聞は一見に如かず」ですね。

コンタクトレンズの安易な使用で角膜感染症の若者が急増する現状に警鐘を鳴らす

秦野先生は数多くの白内障手術と角膜移植手術の執刀をされてきたと伺いました。

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白内障と角膜移植は約20年間勤務した母校の横浜市立大学病院でかなりの症例を手術してきたので、開業しても手術治療は是非続けようと思っていました。手術は効果が分かりやすいので、多くの患者さんに喜んでいただけて私も本当にうれしく思っています。当院では白内障手術、緑内障レーザー手術、角膜移植手術を日帰りで行なっています。特に宣伝に力を入れているわけではないのですが、手術の予約が途絶えたことはありません。当院には白内障を主として、角膜移植を希望される方など多くの方が手術を希望して来院されます。手術についてお悩みの方は定期的に説明会を行なっておりますので、どうぞ気軽にお問合せいただければと思います。

かなり前からオルソケラトロジーにも取り組まれているそうですね。

オルソケラトロジーとは、睡眠中にハードコンタクトを装用して角膜を平坦化させて、日中はレンズを外して裸眼でも近視メガネをかけたのと同じ視力に保つ治療法。着脱は通常のコンタクトと同じで、いわば角膜に当てるギブスのようなものです。昼間に裸眼で過ごせることや角膜が軟らかければ軟らかいほど治療効果が大きいことから、激しいスポーツをしている方や近視手術を受けられない19才以下のお子さんをもつ保護者の方から注目を集めています。当院では10年以上前から取り扱っており、治療開始から10年以上経つ患者さんたちが今も続けていらっしゃることから、効果が期待できる治療法の一つとして対応しています。ただ、感染予防のための装用ルールを守って使用することが大前提となります。何事も長短所のバランス管理がすべてですね。

最近、若者を中心にコンタクトレンズによる角膜感染症が増えているのだとか。

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角膜は眼球前部の厚さ0.5ミリほどの透明な組織で、免疫機構を含めて簡単には微生物が侵入できない構造になっています。しかしコンタクトレンズは角膜を覆うように装用するため、角膜に傷をつけやすくなるだけでなく、酸素が欠乏することにより上皮細胞が変性脱落して微生物に感染しやすくなってしまいます。しかも、コンタクトを使う方で本当に使い捨て(1DAY)の人は少なく、2週間、1ヵ月とリユースすることで洗面台にうじゃうじゃいる環境微生物(緑膿菌、アメーバ)がコンタクトやケースを媒介して目に入ってしまい、感染症を引き起こしています。特に最近のカラコン(カラーコンタクトレンズ)ブームで、医療品としてではなく、美容品感覚で安易に装用する若い人たちが増えてきた結果、失明につながるような大変な感染症の人が出てきています。コンタクトレンズは正しい使い方をすれば、強度近視、スポーツなどで大変有益な文明ツールです。しかし大きなリスクを伴うことを決して忘れないでほしいですね。

1人でも多くの人が角膜移植できるよう、移植医療の底上げを

印象に残っている患者のエピソードを教えてください。

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白内障でも角膜移植でも手術をされた方は「世界が変わった」「もっと早くやれば良かった」と言われます。患者さんに喜んでいただけれるのが何よりうれしいですね。ただ、印象に残っているのは子どもの頃に眼をけがして失明し、眼が真っ白になってしまっていた患者さん。その方は、お孫さんが会うたびに自分の眼をのぞき込むのがつらいと相談に来られました。そこで「角膜移植をすれば、視力は戻らなくても黒目の再生はできるかもしれませんよ」とお話したら「ぜひお願いします」ということで手術をしました。その結果、お孫さんが目をのぞき込まなくなったそうで、大変喜ばれていました。眼科の医師として角膜移植の適応を改めて考えさせられた一件です。

大変お忙しい毎日だと思いますが、プライベートで取り組まれているなどはありますか?

クラシック音楽好きが高じて、大学生の頃にヴァイオリンを習い始めました。何とかして少しでも弾けるようになりたくて頑張った結果、横浜交響楽団ジュニアオーケストラ、藤沢市民オーケストラで第2ヴァイオリンを弾いてるふりができるまでになりました。結局はバレました。そんな私の姿に影響されたのか息子がヴァイオリニストになりました。息子が演奏するようになったので、自然と私はヴァイオリンから離れていましたが、最近シニアオーケストラに誘われ、改めて入団したところです。この2年来はクラリネットのレッスンにも通っています。失明した人たちが暗闇の中で何を楽しみに生きて行けるのかを考えると、誰もが考えるのは「音」の世界ですね。そこで「光」が眼科、「響」が音楽の「光響」という一般社団法人を作り、音楽家である息子の力を借りながら音楽の総合力を実験したいと考えているところです。音楽を通じて、失明者、認知症など多くの方を笑顔にできるような活動に結びつけばと思います。

さまざまなところでご活躍の秦野先生。最後に今後の展望をお聞かせください。

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角膜移植は多くの場合、視力の改善につながります。しかし術後に視力の検査をしても意外に数値が上がらない場合もあるのです。でも不思議なことに皆さんニコニコとされています。恐らく、視力検査の数値には出ない色合いやコントラストが改善するのでしょうね。移植全般では残念ながら日本の心臓、肝臓などの臓器移植はまだ世界に遅れをとっていて、多くの場合は家族や知人が募金を募って海外渡航移植をしているのが現状です。早く日本でも移植が国内提供臓器で日常的になってほしいと思います。食と臓器は独立すべきですね。角膜移植は臓器移植の中でも、結果が安定している移植です。この良さがもっと広く伝わって、臓器移植全体が日本でも広がってほしいですね。ささやかでも全移植医療の底上げの期待も込めて、地元藤沢の草の根グループ“湘南アイバンク”の方々と一緒に角膜移植で頑張っていきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

オルソケラトロジー/16万円(税別)

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