牛腸 俊彦 院長の独自取材記事
牛腸内科クリニック
(藤沢市/藤沢本町駅)
最終更新日:2024/11/15

町のかかりつけ医の3代目として、2024年10月に継承開院した「牛腸内科クリニック」。前身は、藤沢の地で70年以上にわたり診療を行ってきた「牛腸内科医院」だ。牛腸俊彦院長の専門分野は消化器内科。内視鏡検査の経験も豊富で、「大学病院で身につけた技術と知識を、地元の地域医療に生かしたい」との思いが開院のきっかけだと穏やかな口調で話す。新たに内視鏡検査やエコー検査機器を導入し、一般内科の診療のほか、生活習慣病の予防や治療、健康診断、胃がんや大腸がんの検診も可能。かかりつけ医ならではの親しみやすさと、高い専門性を兼ね備えているのが同院の特徴だ。「優しさのある診療をめざしています」と笑顔で話す牛腸院長に、診療内容や専門分野について聞いた。
(取材日2024年10月7日)
これまでの歴史を大切に、時代に合わせてアップデート
こちらの前身である「牛腸内科医院」は、70年以上にわたり診療されてきたそうですね。

父の代で40年以上、その前の祖父の代も合わせると70年以上、私の家系はこの藤沢の地で診療を行っています。いわゆる「町のクリニック」で、お子さんからご高齢の方まで、風邪など日常で生じる不調に広く向き合ってきました。私は2021年より当院で非常勤として働き始めたのですが、父はいつでも「患者さん第一」。その姿勢をとても尊敬していますし、これからも引き継いでいきたいと思っています。一方、時代は移り変わりますし、患者さんや時代のニーズに応えてこそ「町のクリニック」。今回の継承開院にあたっては、これまでの歴史を大切にしながらも、建物や診療内容などを時代に合わせてアップデートしました。
具体的に、どのように変わったのでしょうか?
まずは建て直しを行い、設備の充実を図りました。新たな建物は3階建てで、1階が駐車場、2階が診療室、3階が内視鏡検査のフロア。エレベーターやスロープも設置されたバリアフリー設計です。地域の誰もが気軽に来院できるような、ゆったりとリラックスできる空間づくりを心がけました。エックス線検査機器はデジタルのものに変わりましたし、エコーや内視鏡検査システムの導入も大きな変化です。これらの検査は診療日ならいつでも、もちろん土曜でも受けられます。これらの受診環境を整え、院名も新たに「牛腸内科クリニック」とし、ロゴマークも作成しました。湘南の海をイメージしたブルーを基調に、人と人が支え合うデザインで、当院の頭文字である「G」を表しています。これからもこの場所で、人とのつながりを大切にした医療を提供していきたい。そんな思いを込めました。
これまでどおり、風邪など日常の不調も相談できますか?

もちろんです。専門的な検査ができるようになりましたが、患者さんの不調に広く向き合う「町のクリニック」であることには変わりません。父も非常勤で診療していますので、これまでどおりに父の診療を希望される場合は受付にご相談ください。一般内科の診療のほか、生活習慣病の予防や治療、健康診断、胃がんや大腸がんの検診も可能です。かかりつけ医でここまでカバーできれば、検査に対する患者さんのハードルも下がるかもしれませんね。健康チェックのついでにおなかの不調の相談もできますし、「いざ、内視鏡検査」となった場合でも、普段から見慣れている私が担当しますのでご安心ください。また血液検査だけでなく、エコーや内視鏡検査の結果まで総合的に見て判断できるのもメリット。変化がわかりやすく、精度の高い診断につながります。
親しみやすさと、高い専門性を兼ね備えたクリニック
エコー検査ではどのようなことがわかるのですか?

エコーとは、臓器や血管などの状態をリアルタイムに把握するための検査機器です。例えば脂肪肝や胆石などを見つけることも可能。健康診断で肝臓に関する心配な数値が出たときや、おなかの不快感の原因を探るときにもエコー検査を活用します。動脈硬化の評価にも、エコー検査は有用です。当院にも糖尿病や高血圧といった生活習慣病の患者さんが多くいらっしゃいますが、これらの病気は血管を傷つけて動脈硬化につながる恐れがあるんです。頸動脈の状態から動脈硬化の進行度合いを測っておけば、もし多少進んでいたとしても、大きな病気を引き起こす前に対応することができるでしょう。
先生の専門分野は消化器内科だそうですね。
はい。私は母校である昭和大学の消化器内科で助教を務め、山梨県富士吉田市立病院でも診療に携わってきました。日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、そして日本肝臓学会肝臓専門医でもあります。消化器領域の診療や内視鏡検査に関する経験と知識を積み重ねてきました。大学病院で先進の技法や知見にふれてきましたが、「身につけた技術を、地元の地域医療に生かしたい」と考えたのが、今回の開業のきっかけでもあります。内視鏡検査を必要としている方は多くいらっしゃいますから、大学病院と比べて遜色ない内視鏡検査を提供していきたいですね。
内視鏡検査は苦痛を伴うイメージがありますが、工夫していることはありますか?

私の内視鏡検査のモットーは「つらくない内視鏡検査」ですから、その点には十分に気を配っています。上部消化管の検査は経鼻と経口のどちらにも対応しており、嘔吐反射の強さや鼻の通り道の状態によって苦痛の少ない方法を選択。下部消化管の検査ではご自宅での下剤服用に不安を感じる方も多いのですが、当院では院内で下剤を服用することが可能です。また上部・下部ともに、ご希望があれば鎮静剤を使用できますし、下部内視鏡挿入時は空気ではなく炭酸ガスを使うことで、検査後のおなかの膨満感を軽減。内視鏡の挿入方法にも工夫を凝らしており「つらくない内視鏡検査」の実現に努めています。
患者の痛みや不安に寄り添い、優しさのある診療を
エコー検査や内視鏡検査など診療内容が広がりましたが、院内体制は以前のままでしょうか?

これまでのスタッフも引き続き活躍してくれていますし、新たに事務が3人、それと看護師が5人加わりました。問診や検査は私が行うこともありますが、看護師も対応します。もし「先生には話しにくい」ということがあれば、遠慮なく看護師にご相談ください。
病診連携にも、引き続き力を入れていらっしゃいますね。
そうですね。エコー検査や内視鏡検査が可能になったことで、これまで以上に病気を早期発見できるようになりました。その分、重い病気も見つかりやすくなりましたから、病診連携が必要なケースも増えるかもしれません。祖父や父の代から、藤沢市民病院、湘南藤沢徳洲会病院、湘南鎌倉総合病院など、近隣の大きな病院とのネットワークを築いてきました。「町のかかりつけ医」として、適切な医療につなげるための見極めもしっかりと行っていきたいです。
診療の際に心がけていることをお聞かせください。

患者さんに優しい診療を行うことです。痛みや不安を抱えて来院される患者さんがホッと安心できる場所、安心できる医師でありたいと思います。こちらが一方的に話すのではなく、患者さんの話に耳を傾けることを大切に。説明の際は患者さんの理解度を考えながら、わかりやすい説明を心がけています。スタッフも優しい方ばかりですし、私も患者さんやスタッフに優しくできる人間でありたいですね。そのようなお互いを思いやる気持ちが、院内の雰囲気を和らげてくれると思っています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
祖父や父が築いた「牛腸内科医院」の歴史を引き継ぎながら、「牛腸内科クリニック」として、内視鏡検査やエコー検査などの消化器領域の診療を強化しての開院となりました。患者さんの痛みや不安に寄り添うような、優しさのある診療をめざしています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部消化管内視鏡検査/2万円、下部消化管内視鏡検査/2万5000円、人間ドック/1万5000円
※内視鏡検査は、人間ドックの場合のみ自由診療となり、基本は保険診療内になります。