負担の軽い、痔の日帰り手術
注射による内核痔硬化療法
永瀬医院
(平塚市/平塚駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
気になるけれど相談しづらくクリニックへの受診も勇気がいる痔の悩み。手術が必要だとすると、痛そう、怖そうという不安を持つ人も多いのではないだろうか。しかし、従来法では入院が必要だった痔の手術も、注射による切らない治療「内核痔硬化療法」の導入により日帰り手術が増えてきている。保険適用で費用の負担も少なく、育児や仕事で多忙な人でも受けやすい治療だという。そこで、痔の日帰り手術に取り組む「永瀬医院」の永瀬剛司院長に内核痔硬化療法とその流れについて詳しく話を聞いた。
(取材日2018年11月13日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q痔になりやすい方に傾向はありますか?
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A
痔は大きく3つの種類に分けられます。まずは通称イボ痔と呼ばれる「痔核」、これは肛門の内側にできる「内痔核」と肛門の外側にできる「外痔核」があります。次に切れ痔と言われる「裂肛」、そして3つ目があな痔、肛門周囲膿瘍の「痔ろう」です。痔核便秘がちな人や便が硬めの人は切れ痔に、便通時に気張り過ぎてしまう人はイボ痔になりやすい傾向にあります。お酒やからい食べ物は症状を悪化させます。生活習慣を改善しながら、練歯磨き粉くらいのやわらかな便通をめざしましょう。
- Q痔は切ることでしか治せないのでしょうか?
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A
今までは痔の手術は、術後の痛みや出血を考慮して入院して行われてきました。しかし、最近は治療技術が発達したこともあり、日帰り手術が増えてきました。手術と聞くと不安になる人もいるかもしれませんが、まず事前に、坐薬などを用いながら運動や食事とトイレの指導で様子を見ます。その後1〜2ヵ月して、それでも手術が必要であればご提案しています。日帰り手術の場合は、当日と翌日午前中を安静に過ごしていただきますが、その後は日常生活に戻ります。
- Q痔の手術というとすごく痛そうですが、日帰りで大丈夫ですか?
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A
当院では、脱肛を伴った内痔核に対して「内核痔硬化療法」による日帰り手術を積極的に行っています。この治療は、痔核を硬化、縮小させるための薬剤を患部に注射するもので、切らずに手術が行えるところが大きな特徴です。また、痔の再発を抑えるため、必要に応じて外痔核の切除も行っています。この場合、多少の痛みはありますが、それでも従来法に比べると出血も痛みも少なく、患者さんの負担も軽いと思います。帰宅後、下剤による排便コントロールなど気になることや不安があるときは、夜中でも私の携帯電話にご連絡をくだされば直接、アドバイスをしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1手術が決定。まずは事前説明を受ける
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手術が決定したら、「内核痔硬化療法」による日帰り手術の解説用小冊子をもとに詳細について説明を受ける。術式はこの時点で決まるので、当日に予想以上の時間がかかることはないそうだ。術後は下剤の使い方がポイントになるので、普段から使い慣れておくと良いそう。
- 2当日の術前検査
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手術は12〜15時に行われる。当日朝昼の食事は抜きだが、水分は2時間前まで取ることができる。麻酔を使用するので車や自転車の運転は厳禁。B型肝炎、C型肝炎などの感染症を防ぐため、手術前に採血して血液検査を行う。
- 3いよいよ手術開始
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昼前に来院。麻酔注射は少しチクッとした痛みを感じることがあるそう。麻酔の程度は受け応えはできるが意識はぼんやりとしたくらいの状態だという。術式によるが、手術自体は20〜30分で終了する。
- 4リカバリールームで休憩
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手術後、最初の排尿時に立ちくらみの可能性があるため、バイタルをモニタリングしながら、麻酔が切れる頃までの2時間ほどは横になって休む。術後の痛みがほとんどないため、熟睡する患者がほとんどなのだそう。
- 5術後の経過観察
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手術の翌日か翌々日に診察をして、傷の腫れ具合や出血の程度をチェック。約1週間で痛みや腫れ、浸出液の染み出しは収まり、1ヵ月ちょっとで完了するそう。用心のために3ヵ月間は、月に1度の診察を推奨している。