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佐々木 大樹 院長の独自取材記事

佐々木医院

(船橋市/滝不動駅)

最終更新日:2022/06/27

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新京成線・滝不動駅から徒歩5分ほどの住宅街に構える「佐々木医院」は、戦後すぐの開業から3代続く歴史あるクリニックだ。医院のある船橋市南三咲に拠点を移してから50年以上を経て、2021年4月には、消化器内科を専門とする佐々木大樹院長が3代目院長に就任した。町のクリニックとして祖父の代から地域で担い続けてきた総合的な診療に対応しつつ、自身が大学病院で培った消化器内科の専門性を生かし、胃や大腸の内視鏡検査にも注力しているという。祖父、父から受け継いだクリニックのこれまでの歩みや院長就任から丸1年を経ての手応え、専門に手がけてきた内視鏡検査や、病診連携の取り組みなどについて、佐々木院長に詳しく話を聞いた。

(取材日2022年5月20日)

内視鏡検査の予約が増えて、患者層に広がりも

クリニックのこれまでの歩みを聞かせていただけますか?

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もともとは祖父が戦後すぐに内科医院として開業したのが当院の始まりで、1960年代にこの場所に移ってきたと聞いています。私自身、祖父と父の姿を見ながら育ち、幼い頃から「自分も医師になって地域の人々の身近な存在であるクリニックで患者さんの役に立ちたい」と思い描いていました。私が院長になる以前は、父が自身の専門である整形外科を中心に、内科、小児科の診療を手がけていました。現在は診療科目に消化器内科を加え、地域のかかりつけ医としての診療と、消化器内科の専門性を生かした診療の双方に対応しています。

院長就任から1年が過ぎ、手応えはいかがですか?

ここでの診療を始めるにあたり、当初は消化器内視鏡検査をメインに手がけていこうと考えていました。しかし、院長就任直後から新型コロナウイルスのワクチン接種に追われ、慌ただしいスタートとなりました。感染リスクを避けるために内視鏡検査を受けるのを控えるムードが世間一般にあって、いざ内視鏡検査を始めてみても件数はなかなか伸びませんでした。でも感染状況が落ち着きを見せていた2021年秋ごろから、ワクチン接種をきっかけに来院された30~50代くらいの患者さんが内視鏡検査希望で来院されるケースが増えてきたんです。以前は高齢の患者さんが中心でしたから、ワクチン接種や内視鏡検査を機に患者さんの年齢層も徐々に広がり、当院の取り組みについて地域での認知度が少しずつ上がってきているのかなと実感しているところです。

患者さんと接するにあたり、日々どのようなことを心がけていますか?

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当院は地域にお住まいの方がどんなことでも気軽に相談できるようなクリニックでありたいと考えています。だからこそ患者さんと対話する時間はとても大事。目と目を合わせて言葉を交わし、表情や話し方も含めて注意深く拝見するようにしています。また話すときは専門用語を使わず、できるだけわかりやすい表現を使うように意識していますね。例えば喉の腫れであれば、咽頭炎とは言わずに「喉の風邪ですね」と言い換えたりします。私自身もそうですが、人は相手がわかりにくい言葉を使っていると、内容が頭に入ってこなくて、何となく聞き流してしまうものですよね。医師が患者さんに話す際の言葉のわかりやすさは、患者さん自身の症状に関する理解を促す上でも、とても大事な要素だと思っています。

患者に寄り添い、検査時の心身の負担軽減にも配慮

注力されている内視鏡検査についてもお聞かせください。

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内視鏡検査は今ではかなり一般的になりましたが、つらそう、痛そうといったイメージから抵抗感をお持ちの方もまだ多いかもしれませんね。エックス線検査やバリウム検査ではなかなか発見の難しい病変であっても、内視鏡検査は胃や腸の内部の様子をスコープの高精細な画像でくまなく捉え、一目瞭然で早期に発見できる点が大きな特徴です。そうしたメリットの一方で、過去に受けた検査時に苦痛を感じた経験がトラウマになって、その後検査を受けたがらない方も少なくありません。そこで当院では、できるだけ検査を受ける患者さんの心身の負担が軽くなるように配慮しています。胃の内視鏡検査では、カメラを鼻から挿入する手法も取り入れて、嘔吐反射が起きにくくして検査を受けられます。希望に応じて、鎮静剤を使って眠っているような状態のうちに検査を終えることもできます。

大腸内視鏡検査はあらかじめ行う前処置もあり、身構えてしまう患者さんも多いのでは?

そうですね。腸の中をきれいにするために、前もって消化の良い食事に切り替えたり、錠剤や液体の下剤を一定量飲んで準備をしていただく必要があり、患者さんはなかなか大変だと思います。大学病院時代から私がずっと気になっていたのが、こうした前処置の都合で検査時間が午後のスタートになって、患者さんに長い時間を取らせてしまうこと。当院では検査当日だけ少し患者さんに早起きしてもらって、前処置の開始時間を前倒しにすることで、お昼前には検査を受けていただけるように調整しています。また、患者さんの体調や普段の便通の状態に応じて、下剤の種類を選択して処方するなど、患者さんのニーズに寄り添った配慮も行っています。腹部の手術歴など既往歴も確認し、検査方法全般において一人ひとりの患者さんに無理なく受けていただけるよう努めています。

身近なクリニックで検査体制が整っていると、地域の方の安心にもつながっていそうですね。

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患者さんのご事情に応じて小回りの利く対応ができるのは、町の個人病院ならではの強みだと思っています。万が一検査で異常が見つかった場合も、1センチ以下の小さなポリープであれば、当院で日帰り切除にも対応しています。当日の帰宅後の生活で多少の制限はありますが、翌日には出血や合併症を起こしていないかなど、必ず電話でフォローさせていただいています。大きなポリープについては近隣の病院をご紹介するほか、私自身、週に1度、船橋二和病院の非常勤医として内視鏡検査・治療を担当していますので、患者さんのご希望があれば、同院で私が対応することも可能です。また、古巣の東邦大学医療センターでも若手ドクターの指導をしていたりと、病院とも密接なつながりがありますので、病診連携の体制も整えています。

不調について患者が気軽に聞ける「相談所」の役割も

内科以外にも幅広い症状の患者さんが来院されているそうですね。

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父が週2で整形外科の診療を行っているのですが、父が不在のときに整形外科の症状で来られる患者さんもいますし、めまいや腹痛など不調の種類によっては、ここでできる診察をしておおよその病状を判断し、眼科、耳鼻咽喉科、婦人科など専門の先生をご紹介するようなケースもあります。患者さんがご自分の症状からどの科を受けるべきか自己判断するのは、とても難しいこと。吐き気の症状1つとってみても、必ずしも消化器系の異常だけでなく、脳や耳鼻咽喉科領域の異常である可能性も考えられますからね。かといって、いきなり大きな病院に出向くというのも、なかなかハードルの高いものです。そんなときはぜひ当院に来てご相談いただければ、こちらで症状を診て受診すべき診療科をお知らせします。そうした振り分けも町のクリニックの役割の1つだと思っています。

スタッフの体制についても少し教えてください。

診療にあたる父と私、看護師を含め、総勢6人体制で診療を行っています。スタッフとは月に1度、必ずミーティングを行っていて、さまざまな意見交換や情報共有を行っています。スタッフの中には父の代から長く働いているメンバーもいるので、患者さんが当院をより快適に利用していただけるように、さまざま改善案なども提案してくれています。そして何より、私よりも患者さん一人ひとりのことを背景を含めてよくわかっていてくれるので、本当に頼もしい存在です。

最後になりますが、読者に向けて一言メッセージをお願いします。

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せっかく病院やクリニックに足を運んでも、本当はもっと心配事があるのに「こんなことを先生に聞いたら怒られるんじゃないか」「忙しそうだから聞くのはやめておこう」と、医師に本音を言えずにいる方も、実は意外と多いのではないでしょうか? そんな心配は無用です。患者さんがドクターに何げなく伝えてくれたその一言がきっかけで、病気の早期発見につながることもあります。当院は総合内科的な立ち位置で診療にあたり、ここででき得る検査や治療を行って、必要があれば速やかに適切な医療機関を紹介します。不調があったらとりあえず行って相談してみる、そんな「町の相談所」として多くの患者さんに利用していただきたいと思います。

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