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佐久間 葉子 院長の独自取材記事

滝澤眼科

(市川市/行徳駅)

最終更新日:2020/04/01

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東京メトロ東西線行徳駅から徒歩5分。昔ながらの商店が立ち並ぶ、どこか懐かしさを感じさせる町並みの一角に、母娘2代にわたって続く「医療法人社団恵眼会 滝澤眼科」はある。この土地に生まれ育った2代目を務める佐久間葉子院長は、人に安心感を与える温かな雰囲気をもつドクターだ。先代の頃から通っている患者には、いまだに下の名前で親しみを込めて呼ばれているという。その一方で、自分からは、なかなかドクターに話しかけられない患者にも気軽に不安や疑問を話してもらえるよう心を砕いている。今回は、最近よく診る目の症状からスタッフ教育、大学病院に勤める夫の俊郎先生との絶妙な連携についてまで幅広く語ってくれた佐久間院長。話の端々からも患者一人ひとりに対するこまやかな気遣いが感じられた。
(取材日2017年6月26日)

母から娘へと受け継がれた温かみあふれる眼科医院

先生が医師や眼科の道をめざしたきっかけについてお聞かせください。

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やはり、母の影響が大きかったと思います。母も眼科の医師で、30年余り前にこの医院を開業しました。真面目で節約家で勤勉。そんな言葉がぴたりと当てはまる女性ですね。ところが、私が大学を卒業して、順天堂大学医学部附属順天堂医院に勤めていた頃に母が病気になりまして。少しずつ診察が難しい状態になり、2005年に私が後を引き継ぐことになりました。同じ眼科の医師、そして同じ母親になってみて、改めて母のすごさがわかった気がしますね。

2005年ということは、とても長い間こちらの医院で診療を続けていらっしゃるのですね。

後を継ぐことになった当時は、勤務先が同大学医学部附属浦安病院に変わっていたのですが、一時期はそちらで助手を務める傍ら、この医院でも診療にあたっていました。個人の医院は大学病院とは違い、患者さまとの距離が近いと感じます。率直に意見を言っていただけることも多いですね。私はここで生まれ育ったため、母の代から通ってくださっている方には、いまだに下の名前で呼ばれることもあるんです。ちょっと恥ずかしいのですが、うれしくもありますね。

患者さんの年齢や性別、症状に傾向はありますか?

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以前は、緑内障や白内障、老眼のご相談でいらっしゃるご高齢の方が多かったのですが、最近は40~50代の中高年層が増えた印象を受けますね。老眼による見えづらさを、病気ではないかと心配してお越しになっています。眼精疲労の方が多いのは、スマートフォンやタブレット型端末が普及したことも影響しているのでしょう。心配なのは、近視の方の低年齢化が進んだり、ドライアイのお子さんが増えたりしている点です。モバイル端末は便利で楽しいものではありますが、1回につき使う時間を決めたり、休憩を挟みながら使用したりして目の健康を損ねないよう上手に付き合えるといいですね。

丁寧なヒアリングとわかりやすい説明がもたらす安心感

患者さんに接する際、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

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生活習慣を含めて、じっくりヒアリングをすることです。お話の中から、症状を引き起こす原因や改善できる手がかりを見つけることも少なくありません。例えば、お子さんの突発的な視力低下が、家庭や学校生活の悩みなど心理的な側面が原因で起こるケースがあるんです。眼精疲労による頭痛を訴える方は、シャワーだけで入浴を済ませていることがあるので、湯舟に浸かって血行を良くするようご提案しています。それから、こちらから説明する際は、できるだけ専門用語を使わずに伝える工夫もしています。私の説明を聞いたときの患者さまの反応は千差万別ですので、一人ひとりに合わせて伝え方も変えているんですよ。ただ、感情を表に出さない方は対処が難しいですね。少しでも不安や疑問を覚えたら、話していただけると私も安心します。そのためにも「ほかに気になることはありませんか?」と繰り返しお尋ねするよう心がけています。

幅広い症状に対応されていますが、ご専門はどういった治療分野なのですか?

網膜に関するものです。病名でいえば、糖尿病網膜症や網膜剥離などですね。以前勤めていた順天堂大学医学部附属浦安病院が、網膜に関する病気を多く取り扱っていて、術前・術後の経過などをよく診察しておりました。あまり知られていませんが、アトピー性皮膚炎の方が目の近くに症状が出て、こすり過ぎてしまうと網膜剥離や白内障を起こすことがあります。また、「目の病気になったら手術をする」というイメージが強い方も多いかと思いますが、薬で治せる病気もあります。大切なのは、手術の有無に限らず、病気をできるだけ早いうちに見つけて治療を始めるということですね。

印象深い患者さんとのエピソードを教えてください。

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浦安病院に勤めていた頃、提携している新潟の病院から移られてきた患者さんを担当していたことがあります。黄斑前膜の術後に網膜剥離を起こしていて、手術後の経過観察をさせていただきました。先ほども申し上げたとおり、ちょうどその頃、母の調子が悪くて、私は浦安病院とこの医院の両方で診察していたんです。その患者さんを診せていただくのが夜遅くなることもあったのですが、いつもニコニコして待っていてくださいました。無事に退院されて、新潟に戻られた後もきちんと通院していらして、視力が1.0まで回復されました。その後たびたび手書きのお手紙をくださったのですが、「よく見えているんだな」ということが伝わってくる、とてもきれいな字でしたね。私が結婚した時もとても喜んでくださって、「写真を見せてもらえませんか」と言われたので、少し恥ずかしかったですが、結婚式の写真をお送りしました。その方が一番印象に残っています。

全力で診療に取り組み、一人ひとりにじっくり向き合う

現在も順天堂大学医学部附属浦安病院と連携して診療を行っていると伺いました。

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より専門性の高い治療や検査が必要な患者さまを浦安病院へご紹介しています。幸い、私の夫はそちらで眼科の医師を務めています。ご紹介後も夫を通じて、患者さまの容体を把握できるので、治療や検査を終えて当院に戻ってこられた方のケアをスムーズに行うことができるんです。患者さまにとっても、通い慣れた当院のほうが何かと気兼ねがいらないのでしょうね。浦安病院で聞きそびれてしまったことを、診察中に尋ねていかれます。大きな病院だと「先生や看護師さんは忙しそうだから」と遠慮して、質問を控えてしまうのかもしれません。大学病院でできることと当院でできることは違います。それぞれの良さと役割をきちんと見極め、今後もより密接な「病診連携」を図って、診療にあたりたいと考えています。

旦那さまはこちらで白内障の日帰り手術を担当していると伺いました。手術を受ける際の注意点はありますか?

白内障は、術前・術後に抗生物質や消炎症剤などの点眼が必要になってきます。点眼を忘れると、眼内炎になって最悪の場合は失明に至るケースもあるからです。物が歪んで見える嚢胞様黄斑浮腫(のうほうようおうはんふしゅ)を発症することも考えられます。また、術後は慎重に経過観察をしていくため、日帰り手術を受けた方には一定期間、毎日通院していただいています。万が一何かあったときは、速やかに受診していただきたいですね。一人暮らしの方や足の不自由な方は、いざというときにすぐに診てもらえるよう入院して手術を受けられたほうが安心かもしれません。日帰り手術と入院手術、それぞれにメリットがありますので、生活環境や状況に応じて使い分けていただければと思います。

最後に、読者へのメッセージと今後の展望についてお聞かせください。

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一人ひとりの方にじっくり向き合って診療を行っているため、お待たせすることが多いとたいへん心苦しく感じています。特に初診の方が多い日は、生活環境やご質問などを詳しく承っている関係で、どうしても診療に時間がかかってしまいます。それにも関わらず、当院を選んでお越しいただいていることに、この場を借りて改めて感謝申し上げます。お待たせしている分、スタッフともども全力で診療に取り組めるよう努めています。私が言うのもなんですが、当院のスタッフは皆、優しい人ばかり。患者さまからも気さくに言葉をかけていただいています。最近は、スタッフ教育に一層力を入れ、咄嗟のケースにも対応できるよう勉強会の数を増やしました。今後も医療のクオリティを高め、地域の皆さまから「ここへ来て良かった」と言っていただける眼科医院であり続けたいですね。

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