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佐久間 葉子 院長の独自取材記事

滝澤眼科

(市川市/行徳駅)

最終更新日:2023/07/19

佐久間葉子院長 滝澤眼科 main

行徳駅から歩いて5分の場所にある「滝澤眼科」。昔ながらの商店が立ち並ぶ一角にある、母娘2代にわたって続くクリニックだ。2代目を務める佐久間葉子院長は、人に安心感を与える温かな雰囲気を持つドクター。この土地に生まれ育ち、先代の頃から通っている患者には、いまだに下の名前で親しみを込めて呼ばれているという。患者との会話を大切にし、親身になって解決策を見つけ出す佐久間院長。話の端々からも患者一人ひとりに対するこまやかな気遣いが感じられる。「不安や疑問をなんでも話していただけると、私も安心します」と語る佐久間院長に、専門分野や診療時の心がけについて、また順天堂大学医学部附属浦安病院との連携についても話を聞いた。

(取材日2022年6月8日/更新日2023年7月12日)

母から娘へと受け継がれた温かみあふれる眼科医院

開院から約40年、歴史のあるクリニックだと伺いました。

佐久間葉子院長 滝澤眼科1

当院は私の母が開業したクリニックで、2005年に私が後を引き継ぐことになりました。母は真面目で節約家で勤勉。そんな言葉がぴたりと当てはまる女性です。同じ眼科の医師、そして同じ母親になってみて、あらためて母のすごさがわかった気がします。私はここで生まれ育ったため、母の代から通ってくださっている方には、いまだに下の名前で呼ばれることもあるんです。ちょっと恥ずかしいのですが、うれしくもありますね。後を継ぐことになった当時は、勤務先が順天堂大学医学部附属浦安病院に変わっていたのですが、一時期はそちらで助手を務める傍ら、この医院でも診療にあたっていました。個人の医院は大学病院とは違い、患者さんとの距離が近いと感じます。

診療内容について教えてください。

地域の皆さんのかかりつけ医として、白内障や緑内障、網膜の病気、コンタクトレンズのご相談など、あらゆる年代の目の悩みに対応しています。白内障で日帰り手術を希望される方は当院で、入院手術を希望される方には順天堂大学医学部附属浦安病院をご紹介しています。レーザー治療や硝子体注射も日帰りで受けられます。硝子体注射とは、加齢黄斑変性や網膜中心静脈閉塞症など黄斑部の浮腫を伴う疾患に対して用いられる治療方法です。医療レーザーも備え、網膜剥離裂孔・糖尿病網膜症・閉塞隅角緑内障・後発白内障などの治療に用いています。また小児の斜視・弱視の検査にも力を入れており、経験豊富な視能訓練士が、予約制にて丁寧に検査を行っています。視野検査は、中心だけでなく周辺の視野も評価できる動的視野検査を導入、こちらも視能訓練士が対応しています。

幅広い症状に対応されていますが、ご専門はどういった治療分野なのですか?

佐久間葉子院長 滝澤眼科2

網膜に関するもの、病名でいえば糖尿病網膜症や網膜剥離などです。以前勤めていた順天堂大学医学部附属浦安病院が、網膜に関する病気を多く取り扱っていて、術前・術後の経過などをよく診察しておりました。あまり知られていませんが、アトピー性皮膚炎の方が目の近くに症状が出て、こすり過ぎてしまうと網膜剥離や白内障を起こすことがあります。また、「目の病気になったら手術が必要」というイメージを持つ方も多いかと思いますが、手術ではなく薬で済む場合もあるんですよ。大切なのは、手術の有無に限らず、病気をできるだけ早いうちに見つけて治療を始めるということですね。

患者との会話を大切に、一人ひとりにじっくり向き合う

どのような方が通われているのでしょうか?

佐久間葉子院長 滝澤眼科3

緑内障・白内障・老眼のご相談でいらっしゃるご高齢の方、また最近では働き世代の患者さんが増えていると感じます。リモートワークなど生活サイクルの変化から生じる自律神経の乱れが、目の疲れにつながっている方が多いですね。散歩やストレッチでリズムを整え、ゆっくりと入浴して血流を整えてみてください。原因を知り、生活をほんの少し工夫するだけで、症状の緩和につながることもあるんですよ。また、近視のお子さんも増えています。ゲームや動画をやめることは難しいでしょうから、その分、学校の休み時間には外で思いきり遊びましょう。太陽光の中には、近視を抑制する効果が期待できるといわれている光が含まれています。1日に2時間、日の光にあたる習慣をつけてみてください。

診療の際に心がけていることを教えてください。

生活習慣を含めて、じっくりヒアリングをすることです。会話の中から、症状を引き起こす原因や改善のヒントを見つけることも少なくありません。例えば、お子さんの突発的な視力低下は、家庭や学校生活の悩みなど心理的な側面が原因で起こるケースがあります。また、眼精疲労による頭痛を訴える患者さんに対し、シャワーから湯船に浸かる入浴方法に変えるよう提案することもあります。説明の際には、できるだけ専門用語を使わないようにしています。私の説明を聞いた時の患者さんの反応は千差万別ですから、一人ひとりに合わせて伝え方も変えているんですよ。少しでも不安や疑問を感じたら、話していただけると私も安心します。そのためにも話しやすい雰囲気づくりとお声がけを心がけています。

印象深い患者さんとのエピソードがあればお聞かせください。

佐久間葉子院長 滝澤眼科4

順天堂大学医学部附属浦安病院に勤めていた頃、提携している新潟の病院から移られた患者さんを担当していたことがあります。黄斑前膜の術後に網膜剥離を起こしていて、手術後の経過観察をさせていただきました。当時私はこの医院と掛け持ちで診察していたため、その患者さんの診察が夜遅くなることもあったのですが、いつもニコニコして待っていてくださいました。退院されて、新潟に戻られた後もきちんと通院されていましたね。その後度々手書きのお手紙を頂いたのですが、とてもきれいな字で。私が結婚した時もとても喜んでくださって、「写真を見せてもらえませんか」と言われたので、少し恥ずかしかったですが結婚式の写真をお送りしました。その方が一番印象に残っています。

大学病院と開業医。それぞれの良さを生かした病診連携

現在も順天堂大学医学部附属浦安病院と連携して診療を行っていると伺いました。

佐久間葉子院長 滝澤眼科5

より専門性の高い治療や検査が必要な場合、順天堂大学医学部附属浦安病院へご紹介しています。幸い、私の夫はそちらで眼科の医師を務めています。ご紹介後も夫を通じて患者さんの容体を把握できるので、治療や検査を終えて当院に戻られた際のケアをスムーズに進めることができます。患者さんにとっても、通い慣れた当院のほうが何かと気兼ねがいらないでしょう。大きな病院だと「先生や看護師さんは忙しそうだから」と遠慮して、質問を控えてしまうかもしれませんが、そこで聞きそびれてしまったことを、当院での診察中に尋ねることもできます。大学病院でできることと当院でできることは違います。それぞれの良さと役割をきちんと見極め、今後もより密接な「病診連携」を図って、診療にあたりたいと考えています。

白内障の手術を受ける際の注意点はありますか?

白内障は、術前・術後に抗生物質や消炎症剤などの点眼が必要になってきます。点眼を忘れると、眼内炎になって最悪の場合は失明に至るケースもあるからです。物がゆがんで見える嚢胞様黄斑浮腫を発症することもあります。また、術後は慎重に経過観察をしていくため、日帰り手術を受けた方には一定期間、毎日通院していただいています。一人暮らしの方や足の不自由な方は、いざというときにすぐに診てもらえるよう入院して手術を受けられたほうが安心かもしれません。日帰り手術と入院手術、それぞれにメリットがありますので、生活環境や状況に応じてお選びください。なお当院での日帰り手術、順天堂大学医学部附属浦安病院での入院手術、いずれも夫が担当いたします。

最後に読者へメッセージをお願いします。

佐久間葉子院長 滝澤眼科6

一人ひとりの方にじっくり向き合って診療を行っているため、お待たせすることが多いと心苦しく感じています。特に初診の方が多い日は、生活環境やご質問などを詳しくお聞きしている関係で、どうしても診療に時間がかかってしまいます。それにもかかわらず、当院を選んでお越しいただいていることに、この場を借りてあらためて感謝申し上げます。お待たせしている分、スタッフともども全力で診療に取り組めるよう努めています。私が言うのもなんですが、当院のスタッフは皆、優しい人ばかり。患者さんからも気さくに言葉をかけていただいています。最近は、スタッフ教育に一層力を入れ、咄嗟のケースにも対応できるよう勉強会の数を増やしました。今後も医療のクオリティーを高め、地域の皆さんから「ここへ来て良かった」と言っていただける眼科医院であり続けたいですね。

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