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有馬 秀明 院長の独自取材記事

有馬外科胃腸科

(千葉市中央区/西千葉駅)

最終更新日:2024/01/18

有馬秀明院長 有馬外科胃腸科 main

西千葉駅から徒歩3分の場所に「有馬外科胃腸科」はある。院長を務める有馬秀明先生は、2017年に同院の院長を継承。同院では内視鏡を用いた消化器疾患の検査と治療を中心に診療しており、ホームドクターとして長年地域に根差している。「内視鏡検査はつらいというイメージを払拭したい」と話す有馬院長は、拡大内視鏡の草分けで、「内視鏡検査に伴う患者さんの苦痛や負担は、医師の技術次第では軽減することが期待できる」と苦痛の少ない検査に力を入れる。また、有馬院長は病気の早期発見に使命感を持っており、同院では内視鏡検査だけでなく、千葉市の肺がん検診とマンモグラフィの乳がん検診も実施している。何よりもまず患者を第一に考えていることが、インタビューを通して伝わってきた。

(取材日2023年3月15日)

父を見て医師をめざし、父が開業した医院を受け継ぐ

医師をめざしたきっかけというのはありましたか?

有馬秀明院長 有馬外科胃腸科1

これといったきっかけはありませんね。ただ小さい頃には、父が当院を開業していましたから、休憩中に診療室に入って父の後をついてまわっていましたし、医療という存在は身近なものでした。それに父は楽しそうに仕事をする人でしたので、自分もあんなふうに仕事ができたらいいなと思っていましたね。ずっと父の背中を見て育ってきましたし、父が築いた地盤を引き継ぎたいという気持ちは自然と芽生えていました。当院に副院長として戻ってきて、父と一緒に仕事をしていたときは、父から高齢の患者さんへの対応を学びました。

歴史ある医院なんですね。

そうですね。父が開業したのが1963年ですから、ちょうど50年たちますか。父の代から通ってくださっている患者さんも多いですね。半世紀以上、地域のホームドクターとして頼りにされているというのは、当院の誇りです。父と私が築き上げてきたこの信頼を壊さないよう、これからもまい進していくつもりです。地域に関しても、時代とともに移り変わっていますね。昔は一軒家が多かった地域ですが、最近はマンションがよく建つようになり、当院に来院される患者さんも若い世代が増えてきました。こういう変化は長年医院を構えていないと感じられないものだと思うので、面白いですね。

こちらではどのような診療をされているのでしょうか?

有馬秀明院長 有馬外科胃腸科2

当院では消化器系の疾患の診療が中心ですね。最近は食道炎や腹部の違和感を訴えて来院される患者さんが増えています。ストレスや生活習慣が原因だと思われる方も少なくないですね。これが起こっている消化器疾患の場合、薬を飲めば治るというわけではありません。ストレスへの対処や生活習慣などの根本を改善しないと、たとえ薬で改善がみられても再発する可能性が高いのです。消化器系の診療以外では、高血圧や脂質異常、整形外科や皮膚科の患者さんも多くいらっしゃいます。その場で治療できるものや軽いものであれば当院で処置できますが、重い症状や専門の設備が必要な診療の場合は、他院を紹介いたします。見栄を張っても患者さんの負担になるだけですからね。自分ができないと思ったものは、私よりも専門的な知識と技術のある医師につなぎます。

経口の拡大内視鏡を使って細密な検査を

こちらで受けられる内視鏡検査について教えてください。

有馬秀明院長 有馬外科胃腸科3

検査の準備をしてきた患者さんには、予約なしでも可能な限り当日の検査ができるようにしています。具合が悪い時に検査をしないと意味がないと思っていますので、何ヵ月もお待たせするようなことはありません。当院の内視鏡検査は、患者さんの状態にもよりますが、鎮静剤を使用しない経口内視鏡検査を推奨しています。「鎮静剤を使わない経口内視鏡検査は苦しそう」と思われる方は多いと思いますが、鎮静剤を使わないことで検査後は動きやすいと思いますし、運転も可能です。患者さんの意識がはっきりしているため、息を吸ってもらう必要がある食道胃接合部の検査もできます。また経鼻内視鏡で使用する細いカメラは、拡大内視鏡より情報量が少ないです。その場合は再度内視鏡検査をする必要性が出てきてしまい、時間とお金がかかります。そのため、当院では拡大内視鏡を使って検査を行います。

拡大内視鏡というものがあるんですね。

そうなんです。当院では拡大内視鏡を、私の勤務と同時に導入しました。拡大内視鏡では、最大で約100倍まで患部を拡大できるので、気になる病変を発見したときに、それががんなのかどうかを診やすいです。そのため拡大内視鏡の使用は、食道がん、胃がん、十二指腸がん、大腸がんを、早期で発見するために有用だと考えています。例えば、内視鏡検査で気になった部分を拡大して診たところ、毛細血管が異常に増えて目立っていたとします。その場で拡大観察すると、その部分は実は食道がんだったということもしばしばあります。食道がんは食道炎による変化と見分けがつきにくいこともあるので、拡大してよく診察することが必要なんです。

ほかに力を入れている診療はありますか?

有馬秀明院長 有馬外科胃腸科4

いろいろありますが、胃がんの原因ともいわれているピロリ菌の除菌にも力を入れています。ピロリ菌は抗生剤を飲んで除菌しますが、保険適用だと二次除菌まで可能です。またピロリ菌があった人は、たとえ除菌したとしてもがんを発生しやすい状況にあるため、しばらくは定期的な内視鏡検査を推奨します。ほかにも当院は千葉市の検診機関ですので、肺がん検診とマンモグラフィの乳がん検診等が可能です。病気の早期発見を私は使命だと感じているので、検診にも手を抜くことはありません。症状がなくても受診するのが検診ですが、少しでも調子が悪いと感じたら気軽に受診していただきたいですね。

病気の早期発見に尽力。患者に信頼される医院をめざす

患者さんと接する上で気をつけていることはありますか?

有馬秀明院長 有馬外科胃腸科5

高齢の患者さんも多いので、ゆっくりとわかりやすい説明を心がけています。病状や治療についての説明はどうしても情報が多くなってしまうため、早口になる場合もありますが、特に大事な部分は患者さんが理解しやすいような言葉選びとスピードに注意していますね。同時に、患者さんが話しやすい環境づくりを意識しています。患者さんが話してくださる中には重要な情報が隠れていることが多いですから。そのためにも、私はもちろん看護師にも、患者さんと接する際のマナーには気を配るようにしています。パソコンだけを見て片手間で患者さんの対応をしないなど、基本的なことですね。それから、患者さんが診察室に入ってきたときから診療はスタートしていると思っています。顔色や歩き方などを観察して、患者さんが意識していない不調を感じ取るんです。

今後の展望をお聞かせください。

内視鏡検査は大変な検査ではないことを普及させたいですね。つらいイメージのせいで内視鏡検査から足が遠のく人を一人でも減らしたいです。内視鏡検査は病気の早期発見に有用とされていますので、積極的に受けていただきたいと思います。それから人間ドックにも対応していきたいと思っています。設備はあるので、後は手続きなどの対応が必要です。患者さんの中には人間ドックの結果を持参される方もいらっしゃいますが、人間ドックは検査項目が多いので、持参される書類もかなり多いんですよね。私が困惑するぐらいですから、患者さんも検査結果の理解が難しいのではないかと思います。患者さんにも医師にもわかりやすい人間ドックが当院で行えたらいいなと考えています。

最後に、メッセージをお願いします。

有馬秀明院長 有馬外科胃腸科6

消化器系に違和感や不調があれば、すぐに来ていただきたいと思います。そのうち治るだろうと思って放置していると、進行がんになる可能性もゼロではないんです。反対にちょっとした違和感で受診してがんを早期発見できたら、体に負担の少ない段階で治療を始めることができるかもしれません。患者さんと「この段階で病気を見つけられて良かったね」と言えたらいいですね。

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