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中井 秀一 院長の独自取材記事

ハーモニークリニック

(さいたま市緑区/東浦和駅)

最終更新日:2020/08/07

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JR武蔵野線・東浦和駅からバスに乗り、松ノ木東公園停留所で下車すると、目の前に「ハーモニークリニック」がある。1995年に開業した同院は、地域のかかりつけ医として内科を中心とした総合診療の実現をめざし外来診療・在宅医療を提供するクリニックだ。同院には複数の総合診療を担当する医師が常勤し、それぞれの専門性を持つ非常勤の医師を加えたチーム体制で診療を行っている。基幹病院とクリニックが双方向で協力し合う地域医療連携推進事業の地域側受け皿として中根晴幸理事長が開業したという経緯から基幹病院との連携が図れており、開業時から医師と看護師、薬剤師のチームによる外来診療、在宅医療を実践している。開業25周年を機に同クリニックの院長に就任した中井秀一先生にいろいろと話を聞いた。
(取材日2020年8月1日)

双方向の病診連携を軸に外来診療と在宅医療を一体化

まず、こちらのクリニックを開業した経緯についてお聞かせください。

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当院は、前の院長である中根晴幸理事長が1995年に開業しました。中根理事長はそれまで浦和市立病院(現:さいたま市立病院)に勤務していましたが、同院が地域医療連携推進事業のモデル病院に認められ、中根理事長がその旗振り役を任されることになりました。基幹病院と地域の医療機関とが双方向で連携しながら在宅医療を含む地域医療を支えていくという事業でしたが、実際に稼働してみたところ患者さんの引き受け先となる医療機関が圧倒的に不足していることが判明しました。それならばということで、中根理事長自らが開設したのが当院だったのです。そのため当初から訪問看護ステーションを併設し、外来診療と在宅医療を一体化した医療を提供してきました。私は開業後14年ほどたってから当院に勤務し始め、開業25周年を機に、2020年8月7日より院長を任されることになりました。中根先生は理事長として今後も当院で診療にあたります。

それまでの中井先生のご経歴を教えていただけますか?

自分はもともとなんでも相談できる町のかかりつけ医をめざしていて、そこに早く到達できる道を探していました。自治医科大学附属さいたま医療センターで初期研修を受けた後、同センターの総合診療科に勤務していた時期に、中根理事長に初めてお会いし、先生の理念や当院の取り組みに感銘を受けました。自分はその後も医師としてのキャリアを磨くため、栃木県の自治医科大学附属病院でプライマリ・ケアと家庭医療学を学び、さらに中規模病院の内科、救急や小児科、整形外科、放射線科などを回りながら、将来は出身地である福島県での開業も考えていましたが、ある時、中根理事長と、自治医科大学附属さいたま医療センターで指導を受けた同じ法人のデュエット内科クリニックの大和康彦院長から誘われ、必要とされる場所で頑張ることが自分の使命であると思い医療法人明医研に入職することを決めました。

最初から町のかかりつけ医をめざされていたのですか?

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そうです。小さい頃は風邪をひきやすかったりして、ちょっとした病気で近所のクリニックにかかることが少なくありませんでした。いろいろな先生に診てもらいましたが、その中には診療科の枠を越え、家族ぐるみで相談に乗ってくれた先生もいらっしゃって、そういった医師の存在は、安心して暮らすための日常の一部でもありました。いつしか自分もそういった存在として地域の役に立てたらいいなと思いながら医学部に進学しました。卒業後、ちょうど自治医科大学で総合診療のプログラムがつくられた時期でもあり、プライマリ・ケア、総合診療の道に進みました。

多様な疾患、健康問題を抱える地域患者をチームで診る

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

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総合内科、消化器内科、呼吸器内科、神経内科、整形外科、リハビリテーション科、小児科に加え、外来診療の延長としての在宅医療にも積極的です。CT、エックス線、内視鏡といった検査機器も充実し、がんの検診でも可能な限り受け入れていくという姿勢を取っています。実際に子どもからご高齢の方まで、幅広い症状の患者さんがいらっしゃいます。さいたま市立病院をはじめとする基幹病院との双方向での病診連携はもちろん、脳神経外科、心療内科、リウマチ科、眼科、皮膚科など専門性の高いクリニックとの診診連携も盛んに行っていて、病院に紹介するまでもなく解決できた例も数多くあります。在宅診療は医師と訪問看護師、薬局薬剤師を中心に、リハビリ・介護スタッフも含めたチーム体制で、退院後の回復期から生活期、さらには終末期の看取りにも対応しています。

チーム医療もこちらのクリニックの強みの一つだとお聞きしています。

医療法人明医研では、ハーモニークリニックとデュエット内科クリニックを合わせて、総合診療を担当する医師が6人常勤しているほか、それぞれの専門分野を持つ非常勤の医師が数多く加わったチーム体制で診療にあたっているので、患者さんの多様なニーズにお応えすることができ、在宅の患者さんに対しても迅速な対応が可能です。医師のほかにも外来・訪問看護師や薬局薬剤師、医療秘書科、介護スタッフ、リハビリスタッフ、事務スタッフなども含めた多職種連携によって、外来診療と在宅医療のどちらにおいても、きめ細かく質を重視した医療を提供できるのは当院の大きな強みだと言えます。

先生が診察において重視していることを教えてください。

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医学的知識や技術的な処置について万全を期することは当然ですが、それだけでなく患者さんの心理状態や生活環境、人間関係なども理解した上で問題の解決に向かうことを重視しています。そういった患者さんを取り巻く状況に対する情報が不足していたり、こちらからの説明が不十分だったりすると、治療がうまく進まなかったり、患者さんが納得せずにほかの医療機関に答えを求める、いわゆるドクターショッピングの原因になってしまったりすることもあります。もちろん初対面の医師には話しにくい部分もあると思いますし、診察の時間も限られていますが、その中でどれだけ多くの情報を得ることができるかということは常に意識しています。その上で、患者さんが納得いく診療を心がけています。

将来の地域医療を担う人材育成にも積極的に取り組む

チームのドクターやスタッフとの連携で心がけていることはありますか?

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2つのクリニックのドクターとスタッフが情報を共有するため、インターネット回線を利用した合同カンファレンスを毎日行い、重症者のミーティングも行っています。何が患者さんにとって最善なのかを最優先させるという点で、チームの方向は一致しています。みんな勉強熱心で良いスタッフばかりなので、いつも助けられています。ここ数年で在宅の患者さんの緩和ケアも増えてきていますが、それもチームでしっかり情報を共有することで、重症の患者さんに対しても夜間や休日、緊急時でも対応することが可能になっています。

将来の医療を担う人材育成にも積極的に取り組んでいるとお聞きしました。

当法人では、初期研修医や医学部生、看護学生など、将来の医療を担う方たちを積極的に受け入れ、教育の場を提供しています。地域医療がどんなものか肌身で感じ取ることができるのではないかと思います。また参加している勉強会なども通じて、プライマリ・ケアを勉強するドクターの人材育成にも積極的に取り組んでいます。教えるということは自分にとってもすごく勉強になりますし、クリニックでそれができるという環境もありがたいですね。

最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

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中根理事長が提唱した当法人の理念「WARM & RELIABLE(温かく信頼にかなう医療とケアの提供)」は、自分自身の医師としての信条にもなっています。これまでも医師には医学的な知識や技術だけでなく人間的な温かさ、礼節も必要だと思っていましたが、中根理事長はまさにそれを体現されている存在です。私たちは、患者さんの物語を聞きながら解決に導いていく「ナラティブに基づく診療(NBM)」を大切にしています。その理念をしっかり継承し、そして時代の流れによるニーズの変化にも柔軟に対応しながら、今後も地域の皆さまが安心できるような医療を提供していきたいと思います。

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