総合的なかかりつけ医として
外来から在宅診療までをサポート
医療生協さいたま生活協同組合 浦和民主診療所
(さいたま市浦和区/北浦和駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
北浦和で50年以上、地域に根差した医療を提供してきた「医療生協さいたま生活協同組合 浦和民主診療所」は、地元住民から親しみを込めて「うらしん」の名称で呼ばれている。同診療所にはもの忘れ・糖尿病の専門外来などもあるが、もっとも大きな特色と言えば「総合かかりつけ医機能」だろう。慢性疾患に対応する外来と、CTや内視鏡なども備え保健指導も行う健康診断が密接に連携し、加えて2016年から本格的な注力を始めた在宅医療事業で地域の健康づくりをサポートしている。取材ではこの3本柱に関わる、事務長の清水恵子氏をはじめ、外来看護師の岩隈望氏、健診部門の有江千晶氏、ケアマネジャーの近藤ゆかり氏、そして肥田泰所長にそれぞれ話を聞いた。
(取材日2017年4月4日)
目次
外来・健診・訪問医療&介護の3本柱で地域の健康づくりに寄与
- Q診療所の地域における役割から伺います。
-
A
【清水さん】北浦和の地で半世紀以上、地域の健康に寄与してきましたが2003年からは、外来診療・健康診断・在宅での療養サポートの3つを柱とする「総合かかりつけ医機能」を打ち出しています。つまり健診による予防、外来による慢性疾患の治療、そして住み慣れたご自宅での訪問診療、訪問と組み合わせた介護サービスです。さらに2016年度からは服薬や持病などの診療情報を、いざという場合にはすぐに医療関係者に提示していただける「かかりつけ医連絡票」を発行。現在は特定の疾患を対象に130人の方にお渡ししていますが、今後は在宅の患者さんを含め、より多くの方にお渡しできるようにしていく予定です。
- Q外来では慢性疾患が主になっているそうですね。
-
A
【岩隈さん】糖尿病・高血圧・脂質異常・認知症などに対応し、現在では2700人の患者さんが月に1回通院されています。検査から判明した情報をもとに治療計画表を作成し、電子カルテでそれを管理する体制です。何らかの事情で治療を中断されている方もすぐにわかるので、電話などで確認し、それでも連絡が取れない場合に高齢者の場合では、自宅訪問までしていますね。さらに電子カルテ登録により、さまざまな検査が必要な方の検査漏れの防止にもつながっています。また長年通院されている方では認知症の兆候を発見することも多く、遠方に住むご家族にお知らせするなど地域の医療施設ならではの長所を生かしています。
- Q健康診断についてはいかがでしょうか?
-
A
【有江さん】特定健診や協会健保生活習慣病予防健診の委託医療機関でもありますので、それらの検査を通じて予防と早期発見に努めています。現在は月間500人、年間6000人が受診。生活習慣病などが発見された際に、外来診療にシームレスに受け継がれるのが特徴ですね。また異常値が出たのに再検査や通院をされない場合には、電話をして放置することの危険性などについてお話もしています。また土曜日以外は管理栄養士が常駐していますので、脂質異常などに対する特定保健指導も行います。健康診断の受診を広く呼びかけお勧めすることで、今後もより多くの方の健康づくりをサポートしていきたいと考えています。
- Q在宅医療の「介護支援センター」の体制について伺います。
-
A
【近藤さん】在宅医療事業に力を入れるため訪問診療・看護のほか、2016年4月より介護サービスの充実を図っています。介護訪問は月あたり相談も含めて40~50件。実際にご自宅に伺うことで患者さんの食事や生活、そしてご家族のサポートでは不足する部分などを把握し、実情に合わせて介護保険を利用した居宅サービス、例えば訪問リハビリと訪問入浴、訪問ヘルパーなどの手配を行います。一方、訪問介護では関連事業の「ケアステーションうらしん」はもちろん、他の介護サービス事業者とも連携しますし、もし入院や特養施設への入所が必要であれば、そのお手伝いもする体制をとっています。