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関口 俊二 院長の独自取材記事

上尾ふれあいクリニック

(上尾市/上尾駅)

最終更新日:2024/04/08

関口俊二院長 上尾ふれあいクリニック main

「上尾ふれあいクリニック」は、約140年の歴史を持つ「関口医院」が2020年6月、隣に移転オープンしたクリニックだ。院長の関口俊二先生自らがデザインした建物は、大正時代のモダン建築を思わせるしゃれた外観に、広々とした待合室、リハビリテーション室を備えたこだわりの造り。エックス線などの検査装置やリハビリテーション機器なども充実し、内科、小児科、整形外科、リハビリテーション科にまたがる総合的な診療を行っているのが特徴だ。2021年からはプライマリケアや緩和ケアなどに携わってきた林順子先生も加わり、患者の生活に寄り添った治療やケアがより充実した。「こんなクリニックの近くに住んで良かったと思ってもらいたい」と話す関口院長に、診療で大切にしていることや今後力を入れていきたいことなどを聞いた。

(取材日2023年9月12日)

待ち時間を楽しく過ごせる待合室の工夫

2020年6月に移転オープンされたのですね。

関口俊二院長 上尾ふれあいクリニック1

ええ。以前は、先代院長が昭和40年代に建てたもので、院内の間取りや、リハビリテーション室が狭いなどの問題もあったため、前々から移転を考えていました。ただ、東日本大震災後に建築費の高騰があったことで、先延ばしになっていたんです。より地域のニーズに応えられ、選ばれるクリニックになるために準備を進めていたので、やっと理想のクリニックを実現することができ感無量です。それと、以前の建物は上尾ふれあい眼科という名称で、眼科単科のクリニックとしてオープンしました。同じ医療法人内のクリニックとして、引き続き眼科疾患の患者さんをフォローさせていただいています。

新クリニックをつくるにあたり、多くのこだわりがあったと聞きました。

まず、絶対に実現したかったのはこの広い待合室です。待ち時間をいらいらせずに、ゆったりと楽しんで過ごしてもらえるように、広さと間取りにはこだわりました。また、出入り口を2ヵ所に設けました。車の乗り降りなどで片方の出入り口が塞がってしまったとしてももう片方から出入りできるので、スムーズな受診につなげられていると思います。待合室以外では、リハビリテーション室も広く取りたかったので、2階全部をリハビリテーション室とし、ウォーターベッドや運動療法用など、機器類も増やしました。また、エックス線や骨密度測定器などの検査機器についても精度の高さにこだわって選び、診察用の椅子なども工夫しています。

検査機器にはどういうものがありますか?

関口俊二院長 上尾ふれあいクリニック2

内科関連ではエコーや各種の分析装置、整形外科分野では、大学病院でも使用される天井走行タイプのエックス線や精密に測れる腰椎大腿骨の骨密度測定器を使っています。精度の高い検査を行うことは、適切な診断に欠かせないのはもちろん、治療成果を評価する上でも重要なので、できる限り質にこだわって機器を選びました。また、診察室の患者さん用の椅子はベッドに変形もできるタイプにして、患者さんの負担を減らせるようにしました。これにより、具合が悪い患者さんがベッドに移動する手間が減らせます。些細なことですが、「患者は丸椅子に座るもの」「診察室にはベッドがあるもの」といった従来の固定観念を一度なくした上で、どうすれば使いやすくできるかを考えました。できる部分は積極的に改善するようにしています。

患者とその生活に寄り添ったケアをめざす

幅広い症状に対応する地域の開業医として、大切にしていることを教えてください。

関口俊二院長 上尾ふれあいクリニック3

当院は内科、小児科、整形外科、リハビリテーション科の診療を行っています。患者さんの症状は、高血圧や糖尿病、風邪などから腰や膝の痛み、骨折、外傷やスポーツ障害までさまざまで、親子一緒に受診される方や、一人でいくつもの症状を持つ方なども珍しくありません。そのように子どもから高齢者まで、幅広い世代のさまざまな症状に、まず最初に対応してプライマリケアを行い、より専門的な検査や治療が必要な場合には専門の医師や医療機関にお送りする。それが、地域の開業医の役目と考えています。診療では、患者さんの訴えにじっくり耳を傾けることを大切にしてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症流行以降、患者さんが大幅に増えたことで一人ひとりの患者さんの診察に時間をかけることが難しくなりました。そこで「もう一人先生がいてくれたら」と考え、林先生を迎えることになったのです。

林先生もさまざまなご経験を積まれているのですね。

林先生は、以前は一般病院やクリニックで内科の診療や訪問診療、プライマリケアなどに携わり、ホスピスで緩和医療を行っていた経験もあります。当院では主に内科の診療を担当していますが、高齢の患者さんはいくつも病気を抱えていることが多いので、専門的な医療に特化するというよりは、体全体を診て、生活面にも配慮したたケアをしてくれています。患者さんにはそれぞれの生活があり、病気はその側面の一つだと思いますが、林先生は患者さんやご家族の要望なども聞きながら、できるだけその方の今の生活スタイルに寄り添った診療をしてくれていると思います。また、患者さんだけでなく、ご家族と話をする機会も多いですね。特に認知症の患者さんなどはご家族とも話し合い、ケアマネジャーに入ってもらう手配をするなど、地域の介護・福祉のスタッフと多職種で連携したケアも行っています。

林先生が診療に加わったことでどのような変化がありましたか?

関口俊二院長 上尾ふれあいクリニック4

私も患者さんの話をしっかり聞くことを心がけてきましたが、林先生は私以上に患者さんの話をじっくり聞いてくれるので、長く通っている患者さんのことでも、林先生の話を聞いて「あ、そうだったんだ」と初めて知ることもあったりして(笑)。林先生が加わったことで内科診療の幅が広がり、患者さんとの関わりも深くなったと思います。とても心強く、今やクリニックに欠かせない存在です。当院を受診する患者さんは病気や症状もさまざまですが、生活背景もさまざまです。ご家族とともに生活する方もいれば、一人暮らしでご家族が遠方にいる方、施設に入居している方もいらっしゃいます。それぞれの方に、私たちにできる限りの対応をしていきたいと思っています。

患者のためにできることをさらに広げていきたい

感染症対策も徹底しているとお聞きしました。

関口俊二院長 上尾ふれあいクリニック5

当院では発熱の外来も設けていますが、皆さんに安心していただけるよう、感染症の患者さんと一般診療の患者さんとは完全に動線を分けて対応しています。発熱の外来を受診した患者さんには駐車場の車の中などで待機してもらい、順番が来たら感染症用の出入り口から診察室に入ってもらって、診療を行います。2023年には駐車場にコンテナを設置し、院内の診察室だけで対応しきれない時の診察や、徒歩や自転車で受診した患者さんの待機場所として使用しています。

今後力を入れていきたいと考えていることを教えてください。

関口俊二院長 上尾ふれあいクリニック6

リハビリテーションについては、手術後や脳卒中の後遺症に対するリハビリテーションも積極的に行っていきたいですね。今もそのような患者さんを受け入れてはいますが、もっと本格的に、じっくり時間をかけて取り組める体制を整えていきたいと考えています。内科については、例えばですが、40代、50代などの若い患者さんでがんなどの病気が見つかることもあるので、普段とちょっと違う症状や検査値などの小さな変化を見逃さず、大きな病気を早期発見できるよう努めたいと考えています。患者さんにも、気になることがあればどのようなことでも気軽にご相談いただければうれしいです。地域の方々に「上尾ふれあいクリニックがあるから、ここに住んでいて良かった」と思っていただけるよう、これからも林先生と助け合いながら、患者さんのためにできることの幅を広げていきたいと思います。

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