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関口 俊二 院長の独自取材記事

上尾ふれあいクリニック

(上尾市/上尾駅)

最終更新日:2021/10/12

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「上尾ふれあいクリニック」は、約140年の歴史を持つ「関口医院」が2020年6月、隣に移転オープンしたクリニックだ。関口俊二院長自らがデザインした建物は、大正ロマンの時代のモダン建築を思わせるしゃれた外観に、広々とした待合室、リハビリテーション室を備えたこだわりの造り。待合室にはカフェコーナーやマッサージチェアも置かれ、思わずクリニックだということを忘れそうになる。エックス線などの検査装置やリハビリ機器なども充実し、内科、小児科、整形外科、リハビリテーション科にまたがる総合的な診療を行っているのが特徴だ。「こんなクリニックの近くに住んでよかったと思ってもらいたい」と話す関口院長に、移転にあたってのこだわりや診療の際に大事にしていることなどを聞いた。

(取材日2020年7月15日)

待ち時間を楽しく過ごせる待合室の工夫

2020年6月に移転オープンされたのですね。

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ええ。以前は、先代院長が昭和40年代に建てたもので、院内の間取りや、リハビリ室が狭いなどの問題もあったため、前々から移転を考えていました。ただ、東日本大震災後に建築費の高騰があったことで、先延ばしになっていたんです。より地域のニーズに応えられ、選ばれるクリニックになるために、準備を進めていたので、やっと理想のクリニックを実現することができ感無量です。それと、以前の建物は上尾ふれあい眼科という名称で、眼科単科のクリニックとしてオープンしました。同じ医療法人内のクリニックとして、引き続き眼科疾患の患者さんをフォローさせていただいています。

新クリニックをつくるにあたり、多くのこだわりがあったと聞きました。

まず、絶対に実現したかったのはこの広い待合室です。待ち時間をいらいらせずに、ゆったりと楽しんで過ごしてもらえるように、広さと間取りにはこだわりました。角にカフェコーナーを設けたのもその一環です。今後は、コーヒー・紅茶のサーバーも置き、廊下には図書コーナーを作りたいと思っています。理想のかたちにするにはもう少し時間がかかりそうですが、待合室でもあるけれど、地域のコミュニティーのように、コーヒーを飲んだり、本を読んだりするような、温かみのある場所にしたいと思っています。待合室以外では、リハビリテーション室も広く取りたかったので、2階全部をリハビリ室とし、ウォーターベッドや運動療法用など、機器類も増やしました。また、エックス線や骨密度測定器などの検査機器についても精度の高さにこだわって選び、診察用の椅子なども工夫しています。

検査機器にはどういうものがありますか?

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内科関連ではエコーや各種の分析装置、整形外科分野では、大学病院でも使用される天井走行タイプのエックス線や世界標準で正確に測れる腰椎大腿骨の骨密度測定器を使っています。精度の高い検査を行うことは、正確な診断に欠かせないのはもちろん、治療成果を評価する上でも重要なので、できる限り質にこだわって機器を選びました。また、診察室の患者さん用の椅子はベッドに変形もできるタイプにして、患者さんの負担を減らせるようにしました。これにより、具合が悪い患者さんがベッドに移動する手間が減らせます。些細なことですが、「患者は丸椅子に座るもの」「診察室にはベッドがあるもの」といった従来の固定観念を一度なくした上で、どうすれば使いやすくできるかを考えました。できる部分は積極的に改善するようにしています。

医療機関を紹介するのも、開業医の大事な役目

診療科目は、整形外科、リハビリテーション科、内科、小児科ですね。

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はい。総合病院時代に一番長く所属したのは整形外科なのですが、「かかりつけ医」として総合的に診ることを大事にしています。私が医師免許を取り研修を受けた当時は、まだ現在のようにさまざまな科をローテーションして研修する制度はありませんでした。でも、その頃からプライマリケアのできる医師になろうと思っていたので、ローテーションできる病院を探して入局。内科、小児科、外科、産婦人科、耳鼻科、皮膚科、麻酔科、訪問診療科などで研鑽を積み、そこからは整形外科を中心にしつつも、内科的な診療も手がけてきた積み重ねがあります。現在、当院にいらっしゃる患者さんの症状はさまざまで、高血圧や糖尿病、風邪といったものから、腰痛、膝の痛み、打撲、骨折、外傷、スポーツ障害などまで診ています。整形外科分野では、治療の選択肢を増やすためにも、リハビリに力を入れています。

幅広い症状に対応されているのですね。

内科の症状を訴えて来られた方でも、話を聞いてみると整形外科やリハビリが関わってくることが少なくありません。また、親子で風邪をひいたなどで、ご家族一緒にみえる人もいらっしゃいますね。町医者に求められるのは、こんなふうにご高齢者から子どもまで、幅広い年代のさまざまな症状に対応することだと思います。医療を必要とする人の最初の窓口としてプライマリケアを行い、さまざまな症状の中からより専門的な診断・治療が必要な疾患を発見。それらを速やかに専門の医師・医療機関に任せるのが、本来の医療の在り方かなと思います。紹介先で多いのは、上尾中央総合病院、埼玉医科大学病院、さいたま赤十字病院あたりでしょうか。町の開業医にとっては、紹介に備えて、今この疾患に関してはどの先生がベストなのかといった情報を常に入手するのも大事なこと。適切な先生に紹介できるよう、常にアンテナを張り巡らしています。

診療の際に心がけていること、大事にしていることを教えてください。

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患者さんの訴えにじっくりと耳を傾けること、今日はどんな困り事があって当院にいらっしゃったのかを、しっかり聞き取ることです。患者さんの目的をしっかり聞き出した上で当院でできる限りのことは行い、満足して帰ってもらうことを大事にしています。大きな病院での診療は、患者さんの数が多すぎるので、なかなか担当科以外の話を聞く余裕はありません。その点、地域の開業医はいろいろな話を聞くのが仕事。高血圧を診てほしくてきたけれどやっぱり腰も痛いとか、耳が遠くなったけどどの病院で診てもらうのがいいのかといった相談に乗り、アドバイスしてあげることができます。きちんと治療できる医療機関を紹介できるのも、地域の開業医には重要な役割だと思っています。

「あって良かった」と実感してもらえる医院でありたい

感染症対策も、しっかり行われていると聞きました。

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感染症患者さんに対しては、クリニックの広さを生かして、通常の患者さんとは完全に動線を分けて対応しています。外には30台ほど駐車場があるので、熱がある方が来院された場合、診療の順番までは車で待機してもらいます。順番になったら、裏口から感染症用の診察室に入ってもらい、私と看護師が防護服を着てその部屋に行き、診察を行います。診察が終われば、同じ部屋で会計を済ませ、お帰りいただくという流れです。発熱症状のある患者さんの動線が一般の患者さんの動線と交わることは一切ないので、安心してもらえる施設になっています。

今後、特に力を入れて取り組んでいきたいことはありますか?

リハビリについて、マンパワーと機器類双方を充実させ、さらにいろいろな疾患に対応できるようにしていきたいですね。将来的には、リハビリスタッフを増員し、診察も2診体制にしていきたいと考えています。移転によりハード面は整ったので、ソフト面を充実させていくのが目標です。

最後に、地域の方々に向けてメッセージをお願いします。

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この地域を良くしていきたい、というような同じ志を持つ若手の先生たちとともに定期的に地域医療について話し合い、この地域で完結できる医療をめざしています。こういうクリニックが近隣にありますので、この地域に住んでいて良かったな、と実感してもらえるようこれからも尽力していきます。こんなことで行ってもいいのかな、というようなどんな些細なことでも、ぜひお気軽にご相談ください。

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