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自覚症状のない「肝臓病」
定期的な検診と継続した治療が重要

櫻澤医院

(狭山市/新狭山駅)

最終更新日:2021/10/12

櫻澤医院 自覚症状のない「肝臓病」 定期的な検診と継続した治療が重要 櫻澤医院 自覚症状のない「肝臓病」 定期的な検診と継続した治療が重要
  • 保険診療

肝臓は「沈黙の臓器」。自覚症状の出にくい箇所である。肝臓病にはさまざまな病気があるが、代表的なものとして、B型肝炎やC型肝炎などの「ウイルス性の肝疾患」、生活習慣病と大きく関わる「脂肪性肝疾患」などがあげられ、重症化することで肝硬変や肝臓がんを引き起こす怖い病気である。「櫻澤医院」で肝疾患の治療を行う茂出木成幸院長は、日本肝臓学会認定の肝臓専門医だ。C型肝炎に効果が期待できる内服薬を日々の診療に生かすとともに、肝疾患に対する正しい知識を広く発信するためにも尽力している。今回は、肝臓病を防ぐために重要となる定期検診や継続的な受診の必要性、薬での治療が可能な現在のC型肝炎治療などについて、詳しく話を聞いた。

(取材日2016年8月26日)

肝臓の専門家として、肝疾患の早期発見と継続治療の必要性を発信。C型肝炎の先進治療を実践

Q肝臓病にはどのようなものがありますか?
A
櫻澤医院 茂出木成幸先生。日本肝臓学会認定肝臓専門医の資格を持つ

▲茂出木成幸先生。日本肝臓学会認定肝臓専門医の資格を持つ

肝臓というのは身体の中にある主要な臓器ですが、肝臓だけでなくいろいろな全身の病気と関わって発症するのが「肝臓病」といえます。代表的なものは、ウイルス性の肝疾患の「B型肝炎」や「C型肝炎」があり、生活習慣病と関わる「脂肪性肝疾患」も多くみられます。肝臓病に罹られる方を年代別や性別で見ていくと、男性と女性に差がありまして、例えば健康診断で肝機能の数値が悪いと言われて来られる方は、働き盛りの30~50歳代の男性に多く、女性の方は閉経くらいから年齢が上がるとともに数値に異常が現れる傾向があります。肝機能の数値には食生活との関りが大きく、最近では脂肪肝が大きな原因となっています。

QB型肝炎とC型肝炎の違いを教えてください。
A
櫻澤医院 治療薬のサンプルと資料。まずは専門家に相談するのが一番だ

▲治療薬のサンプルと資料。まずは専門家に相談するのが一番だ

B型肝炎とC型肝炎はどちらも代表的なウイルス性の肝疾患。主に血液を介して感染します。B型肝炎は、昔は母子感染といってお母さんからお子さんにうつることがありましたが、今はその対策がしっかりしています。それでも保育所などでお子さんに感染してしまうことや性行為感染もあり問題視されています。C型肝炎は慢性化すると肝硬変や肝臓がんにつながっていく怖い病気で、肝臓がんで亡くなる人の60%はこのウイルスが原因です。治療法としては、C型肝炎にはウイルスを身体から排除するための内用薬が開発され、完治がめざせる時代に入っています。B型肝炎に関しては今年10月からワクチンが定期接種化されるのも大きな流れと言えます。

Q脂肪肝と脂肪性肝炎の違いを教えてください。
A
櫻澤医院 広々とした診察室。各種検査機器もそろえている

▲広々とした診察室。各種検査機器もそろえている

「脂肪肝」というのは肥満の方に多くみられますが、超音波検査などで脂肪肝が見られるだけで、基本的に肝臓に炎症などはありません。例えば、糖尿病や高血圧などの生活習慣病と合併してない人です。対して、「脂肪性肝炎」というのは怖い脂肪肝のことを指し、生活習慣病を背景にしていたり、将来的に肝硬変や肝臓がんにつながっていく可能性があります。脂肪性肝炎の方は年々増える傾向にあり、最近では脂肪肝の方の約10~30%が脂肪性肝炎に罹られているとの報告があります。健康診断などで肝機能の数値に異常があった場合、きちんと受診をして正しい治療を行い、その後の生活習慣の改善や継続的な検査が非常に大切になるわけです。

Qどのような症状や傾向があれば受診するべきですか?
A
櫻澤医院 経鼻内視鏡設備を備える。精密な検査に随時対応できる医院だ

▲経鼻内視鏡設備を備える。精密な検査に随時対応できる医院だ

初期の段階ではほとんど自覚症状がないのですが、一般的には、身体がだるい、食欲が落ちる、皮膚に湿疹が出る・かゆみがある、などの症状を起こすことがあります。まず大切なことは、市の検診や会社の健康診断などをきちんと受けていただくこと。そして、検査値に異常がある場合は、消化器内科の医師や肝臓専門の医療機関を受診し、将来怖い脂肪肝になるものではないか、隠れているウイルス性の肝疾患ではないか、などを調べていきます。今後どれくらいの期間で経過を追っていくべきかを知ることも大事です。「治療をしていたが途中で放置し、いつの間にか病気が進行した」というケースも多くあるので、継続的に経過をみていくことが重要です。

Q地域における肝臓疾患診療で、先生の役割はどんなものですか?
A
櫻澤医院 多数のスタッフが明るく丁寧に対応してくれるのもありがたい

▲多数のスタッフが明るく丁寧に対応してくれるのもありがたい

肝臓病というのは奥深く、まだまだ一般的に認知度が低い病気です。当院は肝臓疾患における地域ごとのエリアで、狭山市・所沢市・入間市を含む県南地区に指定されていて、埼玉医科大学病院、防衛医科大学校病院、西埼玉中央病院はその中の拠点病院として指定されています。少しずつではありますが、私がこの地区の日本肝臓学会認定肝臓専門医として地域の先生方や患者さんに認知していただくようになり、他院から肝臓疾患をお持ちの患者さんを紹介していただくケースも増えてきました。今後も、講演会や研究会などでの発信を続けて啓発していくとともに、より多くの患者さんを診療させていただき、地域の中で浸透していけたらと思っています。

ドクターからのメッセージ

茂出木 成幸院長

来院される方には、高血圧や糖尿病などをお持ちの方が多いです。その中で肝機能の検査に異常があった方は一度受診いただき、原因を調べさせていただきたいと思います。アドバイスをきちんとした上で他の病気とともに治療しながら経過を見ていきましょう。また、C型肝炎に罹られた方には、適応がある場合、内服薬での治療が可能です。C型肝炎治療と言えば副作用があり苦しいものでしたが、こちらの薬での治療は3ヵ月という期間でウイルスを身体から排除することが期待でき、他のご病気や現在服薬中のお薬との作用に注意すれば安全に配慮した治療ができます。肝臓がんや肝硬変になるのを防ぐために日々診療していますので、ぜひご相談ください。

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