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馬島辰典 院長の独自取材記事

馬島医院

(狭山市/新狭山駅)

最終更新日:2020/04/01

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狭山の地域医療を支える「医療法人社団 辰樹会 馬島医院」。5年前に先代からバトンタッチを受けた馬島辰典院長は、以前から近隣の中核的な医院の勤務医を兼務しながら同院の診療も行ってきた。現在では地元医師会の役員も務める“狭山のホームドクター”として、すっかり顔なじみの存在となっている。診察にあたっては患者がリラックスできるよう時折、笑い話などもはさみながらやさしく病状を聞いてくれる馬島院長。また受付では薬剤師でもある奥様が、待ち時間には地域の話題で語りかけ、院内にはいつも活気であふれている。インタビューでは馬島院長が力を入れる訪問診療や得意の分野である胃カメラの検診、今後の抱負などを語ってもらった。
(取材日2015年8月11日)

親子2代で狭山の地域住民を支える医療サービスを提供

まずは医院の歴史から教えてください。

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私が小学校6年生のころ、勤務医だった父が実家に隣接するこの地に開院しました。当時は有床の医院でした。地域医療に貢献する意味から内科と、父の専門が小児外科だった関係で一般外科も標榜していました。廊下や病室など医院のいたるところに絵画が飾られていますが、すべて開業した父が趣味で書いたものです。残念ながら2015年5月に父は亡くなりましたが、およそ40年近くこの地で診療を続けてきました。私はというと、まだ東京医科大学病院にいた頃から週1回アルバイトでこの地域の医療サポートをしていました。地域への顔見せみたいな形でしたが、それ以降も父の代診や訪問診療などを他の病院の勤務医と兼務しながら行っていましたから、トータルで数えると今年で12年目となります。5年前に医院全般の医療を引き継ぎ、昨年10月に医療法人化。「医療法人社団 辰樹会 馬島医院」の院名で新たなスタートを切りました。今では入院の対応などは行っておりませんが、病室は残っておりまして、具合の悪い患者さんに一時的に提供しております。

立場も変わられましたが、いまのお気持ちは?

理事長・院長兼務となって一番の大きな違いは、サラリーマンの勤務医とは違ってなかなか休めないことですね(笑)。休診日は日曜・祝日のみですし、地域のドクターとして例えば夜中に死亡確認をするために往診をすることもあります。私も人間ですから常にベストコンディションでいられるか? といわれれば厳しいですけれど、可能な限りはそうありたいと節制には努めております。

先代から受け継いだものは何でしょうか。

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父の診療方針は、地域のホームドクターとして、どんな重篤な症状であれ、軽い症状であれ、まずは診察してみて、患者さんやそのご家族に安心感を与えようとする姿勢でした。当院で対応できる病状であれば当時は6室の入院用ベッドも備えていましたので、そのまま入院してもらって、元気になって退院していただくという医院でしたね。父は医師として自らに厳しく、またプライドも持っていましたので、私が子どものころは怖い存在でした。ただそれも時代性によるものでして、後年は患者さんにもやさしい父でしたよ。医院は母屋のとなりなので、父の医師としての背中をみながら成長してきたと言えるでしょう。また母は医院の看護師・総務でして、患者さんのいろんなところに気を配って医院を切り盛りする素晴らしい父の片腕でした。そうした母の姿勢は今、薬剤師として当院で働いてる妻が継承してくれていますし、私は父の地域医療に対する医師としての姿勢を受け継いでいきたいと思っていますね。

訪問診療のエリアは狭山市内を中心に南大塚まで

訪問診療・往診も長く続けていらっしゃいますね。

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地域にニーズがあるのでそれに医師として応えようという姿勢です。余命いくばくもない高齢な患者さんから「最期の年末年始はどうしても自宅で過ごしたい」というお話もいただきますので。その方は自宅という慣れ親しんだ環境が功を奏し、その後1年自宅で過ごされました。現在、訪問診療は昼休みの時間をあてていますが、介護サービスの訪問入浴の時間とうまくタイミングをあわせて診療するなど工夫もしています。エリアは狭山市内のほか、南大塚など。入間市や所沢市の狭山市側に近い地域にも以前は患者さんがいらっしゃいましたね。今はおよそ20人ですが、多い時期は30人くらいの患者さんを担当していました。訪問診療のペースは基本2週間に1回ですが、容体が安定されている方は月に1回、あと手術して退院してから日が浅い方は毎週1回など、その患者さんの状況によって往診頻度も変えています。

訪問診療の際の医療装備は?

医療キットは近年コンパクトかつ高性能になって助かっています。聴診器などのほか、血糖測定器や酸素飽和度を計るサチュレーション、最近は小型の心電図検査機器なども充実してきましたので、それらを携行しています。狭山市では今年5月から成人の定期検診に心電図の検査が久々に復活しました。在宅医療の患者さんも対象でもあるので、負担なく市の検診が受けられるようになりました。それもあって、小型の心電図は必携のものとなっていますね。

具体的にはどのような診察内容でしょうか?

最近の様子を伺い、診察・検査して変わりはないか? と確認することですね。患者さんがまだしっかりしていらっしゃったらご本人と会話しますが、認知症などの場合は奥さんや娘さんなどご家族とコミュニケーションを取りながら、近況をうかがいながら診療を行っています。やはり国の方向性が長期の入院ではなく、在宅治療のほうに向かっていますので、訪問看護師、地域の介護士さんや、介護サービスのマネージャーとの連携が非常に重要となってきていますね。そうした地域の協力を受けながら、しかし私1人ができることには限界がありますので、レギュラーで訪問診療できる患者さんの数は30人ぐらいというのがマックスレベルではないかなと思っています。

近隣の施設との医療連携はどうなされてますか?

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必要であれば近くの大病院などに紹介しています。私は狭山医師会の役員も務めていますので、その他の専門病院でもそれぞれ先生と顔なじみですし、急ぐ場合にはホットラインでやりとりしています。紹介後もスムーズに検査、手術に進めていますね。

胃カメラは経口と経鼻、いずれも習熟した技術にて実施

先生はもともと消化器外科がご専門でしたね。

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大学時代は大腸癌で学位をもらうなど消化器外科が専門でした。勤務医となってからは内科の知識や技術も必要なのでいろいろと学び、資格や認定も取得しました。今となって思うのは、やはりお腹の中を知っているのは強いということ。触診の段階で異常はわかりますので、そういう緊急性のある患者さんにはすぐに近隣の医療機関を紹介しています。あまりないケースではありますが、もしもの場合にはそうした迅速な対応ができるのも外科出身の強みだと思いますね。

胃の内視鏡検査でもたくさんの実績を積まれています。

経口の上部内視鏡は勤務医時代から1日10例くらいの検査を担当していましたので、患者さんにできるだけ負担なく検査を受けてもらいながら、診療もしっかりできるよう技術を磨いてきております。また経鼻内視鏡も7年前から導入していますから、今では技術も習熟してきました。経鼻と経口では挿入の方法や分析方法などで異なるので、やはりそれなりの経験と実績が必要です。一般的な傾向としては、経鼻は経口よりも楽に飲み込める機器ですが、それでも苦痛を感じる患者さんもなかにはいらっしゃいますので、意外に個人差があるものです。当院ではまず鼻から仮想チューブを入れてみて、問題がなければそのまま経鼻にしますし、うまく仮想チューブが入らなければ経口にするなど、それぞれの患者さんに合わせた検査方法を採っています。いまは6対4くらいの割合で経鼻が多いです。また最近ではNBI(狭帯域光法)式内視鏡を導入しています。こちらは粘膜の微細な表面構造や毛細血管をくっきりと写し出すもので、従来のものに比べて解像度が上がり小さな腫瘍も見つけることができます。

休診日は日曜・祝日だけですが、プライベートの過ごし方は?

休みの日には近所の公園や、川越のデパートの屋上などに子どもと一緒に散歩に行くことが楽しみですかね。昔はゴルフもやっていましたが、今はなかなかコースに出ることはないですね。糖尿病などの患者さんには「とにかく歩いてください」とお伝えしていますので、私自身がメタボ体型になっていると説得力もないと思いますので(笑)、太らないようよう、できるだけ体を動かして規則正しい食生活を心がけていますよ。

今後の抱負をお聞かせください。

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地域に根差した医療サービスを続けていくことですね。小さなお子さんから高齢者まで、親子三代で診察している家庭も多いですから、皆さんが元気で過ごしていただけるように地域のホームドクターとして努めていければと考えています。在宅訪問診療に関しては、地域にニーズがある限り頑張ろうと思っていますし、長く地域に貢献できるように自分自身の体調管理もしっかりとしていきたいと考えています。

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