田中 孝幸 院長、西郡 真理奈 副院長、頃安 英毅 副院長の独自取材記事
杉浦医院
(川口市/川口駅)
最終更新日:2026/07/08
川口駅東口から徒歩4分の医療モール3階にあるのが「杉浦医院」だ。地域のかかりつけ医として長年、内科を中心にオールマイティーな診療を提供してきた同院。2026年4月からは、それまで副院長を務めていた田中孝幸先生が院長に就任すると同時に、それぞれ精神科・心療内科と内科を専門とする常勤医師も加わり、よくある病気や体の不調に対し、より幅広い視点で患者をサポートできる体制を整えた。「杉浦先生が、長年にわたり診療を通じて培ってきた患者さんからの信頼を損なうことのないよう、しっかりと努めていきます」と話す田中院長。今回は田中院長と西郡真理奈副院長、頃安英毅副院長の3人に、同院の診療について詳しく話を聞いた。
(取材日2026年4月17日)
体制をリニューアルし、より幅広い視点で診療を提供
診療体制が変わったと伺いました。

【田中院長】これまでは、副院長だった私と理事長だった杉浦敏之先生の2人が常勤医師として診療をしていましたが、2026年4月より杉浦先生が会長となり、私が院長を務めることになりました。それに伴い杉浦先生の外来診療枠は減りましたが、新たに精神科・心療内科を専門とする頃安英毅先生と、内科を専門とする西郡真理奈先生が常勤として加わり、現在はこの3人で外来診療を行っています。診療内容としては、かかりつけ医としての内科、循環器内科、消化器内科の診療に変わりはありませんが、頃安先生が常勤となったことで精神科・心療内科の診療も開始しました。杉浦先生は、主に訪問診療と4月から開始したオンライン診療を担当しています。
田中先生が力を入れていることは何ですか?
【田中院長】私の専門は循環器内科で、当院に来る前は埼玉県済生会川口総合病院に勤めていました。総合病院ですので、救急を含めて患者さんは心筋梗塞や心不全、不整脈など、容態が悪化してから受診される方が中心でした。一方で、当院のような診療所では、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や、健康診断で何かしらの指摘を受けて受診される方がほとんどです。これらの病気が、先ほど挙げたような重大な疾患につながりかねませんので、当院に通院している患者さんが病気を進展させたことで倒れたり、苦しんだりすることがないよう、生活習慣病をしっかり管理していくことが重要だと考えています。
西郡先生は、どのような診療を行っているのですか?

【西郡副院長】私も内科が専門ですが、患者さんが体調不良を感じたときに最初に受診するのは、当院のような診療所です。ですから、患者さんの様子から急を要する状態ではないかを判断しつつ、院内で血液検査やエックス線撮影、心電図、エコーなどの検査も行えますので、そうしたものも活用しながら、必要な場合にはタイミングを逃さずに専門の医療機関へつなぐことを心がけています。また、特に生活習慣病をはじめとする慢性疾患は、食事や運動が大切だということは皆さんよくご存じです。しかし、血糖値が高い患者さんに「炭水化物を減らしてください」とお伝えしても、仕事が忙しいと、どうしても手軽に食べられる麺類など炭水化物中心の食事になってしまうでしょう。そうした背景も詳しくお聞きし、状況を理解しながら、どうすれば少しでも改善できるのかを一緒に考えていけるような診療を大切にしています。
年齢や程度に関わらず体や心の問題をサポート
精神科・心療内科の診療についても教えてください。

【頃安副院長】当院はもともと体の病気を診る診療所で、その中に精神科を開設したこともあり、体と心の境界領域にあるような患者さんの診療に力を入れています。実際に、その症状が体から来ているのか、それともメンタルから来ているのか、判断が難しいケースは少なくありません。また、ストレスや緊張が起こると呼吸が速くなり、動悸も生じます。そうした症状があると不安や心配が強まり、それがさらに動悸や呼吸苦、発汗などを誘発し、悪循環に陥ってしまうことがあります。一方で、一般的な精神科では体の病気があると「それは内科で診てもらってください」、「こちらでは治療できません」と断られてしまうこともあります。しかし、それは患者さんにとって不利益になります。同じ診療所の同じ医師が体と心の両面を診ることで、より適切な治療を提供できればと考えています。
小児精神科にも対応していますか?

【頃安副院長】近年では、精神的な問題を抱えるお子さんも増えており、当院でも診療を行っています。小児にも対応する精神科クリニックはどこも混んでいて、受診が難しいこともあると聞いています。当院には臨床心理士がいませんし、専門的な検査などもできません。しかし、診察をした上で必要だと判断すれば、専門の医療機関に紹介することは可能です。専門の医療機関も、紹介状があれば受診できることが多いので、お子さんの精神的な問題についても、ぜひご相談ください。また、先ほど心と体の境界領域の患者さんの診療についてお話ししましたが、それだけに限らず、幅広い精神疾患の専門的な診療にも対応しています。
ほかに力を入れていることはありますか?
【田中院長】当院には複数の検査スタッフがいて、頸動脈や心臓、腹部のエコー検査も行うことが可能です。また、新たにマンモグラフィも導入し、女性の診療放射線技師が検査を担当しています。今のところは乳がん検診が中心になりますが、杉浦先生は乳がんの診断も専門としていますし、同じ医療法人の所沢のクリニックには乳腺が専門の医師がいますので、いずれはその先生に非常勤として週に何回か来てもらうようになるかもしれません。それ以外でも検査の結果、必要があれば近隣の専門医療機関に紹介しますので、乳がん検診でもご利用いただきたいと思います。
これまでの信頼を損なわないよう努めていきたい
診療の際に心がけていることを教えてください。

【田中院長】患者さんは専門用語で説明しても理解が難しいですし、忙しい中でじっくり話を聞く余裕がない方もいます。ですから、例えば動脈硬化であれば「キッチンのシンクの水道管が油で汚れて詰まっているような状態」というように、できるだけイメージしやすく説明するようにしています。積極的に薬を飲みたい、通院したいという患者さんはほとんどいませんが、それでも薬や定期的な通院や検査が必要な場合があります。そのときに、患者さん本人が病気や自分の状態をきちんと理解していないと薬や通院が中断されてしまい、それが結果として大きな病気につながる可能性もあります。もちろん問題がない場合には、そのことをしっかり伝えますが、そうでない場合にはわかりやすく、かつ丁寧に説明を行い、薬や通院が必要であることをきちんとお伝えするようにしています。
頃安先生と西郡先生はいかがですか?
【頃安副院長】丁寧に話を伺うことですね。時間がなかったり、中にはうまく説明できない方もいますので、まずどのようなことで困っているのか、何を解決すれば生活の質が上がりそうかなどをお聞きし、その上で適切に診断や治療を進めるよう心がけています。そして、同じ診断名であっても、実際に何を行うかはその方によって変わってくるものだと思っていますので、患者さんの気持ちやニーズを確認しながら、解決に向けて何が一緒にできるのかを相談することを大切にしています。
【西郡副院長】初心を忘れないことです。経験を重ねると、どうしても慣れが出てきてしまいますが、患者さんの訴えに丁寧に耳を傾け、しっかり胸の音を聞いたり、痛みのある部位に触れたりといった基本的な診察を省くことなく、慎重に手順を踏みながら診療することを大切にしています。
最後に今後の展望と地域の方へメッセージをお願いします。

【田中院長】この2人の先生方に常勤で診療してもらえることになって、特に西郡先生は女性ということで、女性の患者さんはいろいろなことを相談しやすくなったと思います。また、頃安先生は精神科が専門ですので、そういった意味でも、これまでより幅広いことに対応できるようになりましたし、患者さんからも自分に合う医師を選んでいただけるようになりました。もちろん当院だけですべてが完結するわけではありませんが、院内で連携しながら、必要なときにはタイミングを逃さず専門の医療機関につないでいく。何よりも患者さんの不利益にならないよう診療に取り組んでいきたいと考えています。そして、長年にわたり杉浦先生が診療を通じて培ってきた患者さんからの信頼を損なうことのないよう努めていきますので、これまでと変わらずに当院をご利用いただきたいと思っています。

