富田 智之 理事長の独自取材記事
二子山クリニック
(前橋市/前橋大島駅)
最終更新日:2026/07/01
二子山古墳で知られる地域にある「二子山クリニック」。内科と循環器内科を診療し、開業から15年以上にわたり住民の健康を見守ってきた。理事長の富田智之先生は前橋出身で、群馬県内の複数の中核病院で心臓疾患の治療を中心に研鑽を積んだ、経験豊富な循環器内科医。不整脈や生活習慣病などの治療に励む患者に対し、治療の目的をわかりやすく伝え、一人ひとりに寄り添った診療を提供している。急な胸痛などにも時間を問わず対応するなど、柔軟な診療体制もクリニックの強みだ。「無理のない程度で頑張ってほしい」と、患者との二人三脚での治療をモットーにしている富田理事長。これまでの歩みや診療方針、患者との向き合い方などについて、はきはきとした語り口で率直に答えてくれた。
(取材日2026年5月27日)
突発的な循環器疾患の発症に素早く対応し患者を支える
開業までの歩みを簡単に振り返っていただけますか。

動物が好きで、子どもの頃は獣医師に憧れていました。しかし、特定の分野の専門性を磨くことができる点や患者さんとの深い関係性に惹かれるようになり、高校生になったあたりで人を診察する医師を志すようになったんです。大学卒業後は群馬県内の複数の中核病院にて、主に心臓疾患と生活習慣病の診療を行っていたので、開業の際も自分が責任を持てる循環器内科と一般内科に絞りました。現在すぐそこにある「二子山幼稚園」は以前この場所にあったので、地元の皆さんになじみのある「二子山」を院名にして開業し、今に至ります。
循環器内科というと、長期的に通院されている方が多い印象があります。
「風邪のような症状がある」「最近体調が良くない」といった症状で来院されることもありますが、慢性疾患を抱えて長く通っておられる患者さんがほとんどではないでしょうか。メインの患者さんの世代も高いです。主訴では高血圧症や脂質異常症が目立ち、糖尿病を併発されている方も結構おられます。そのため検査機器も、5分程度でできる簡単な血液検査からエックス線、心電図など循環器関連のものを中心に強化しています。心臓超音波検査、狭心症や不整脈の発見などにつながる運動負荷検査、手足の動脈硬化を調べるABI検査も可能です。
長期にわたる治療を支える体制を整えておられるのですね。

循環器内科は、症状の急変や発症後の素早い適切な対応が特に求められる診療科です。例えば診察で「取りあえずは様子見で、少しでも苦しくなったら夜でも構わないから来てください」と患者さんにお伝えし、本当にその夜に具合が悪くなり緊急で来院されるようなことも考えられます。逆に、不整脈の発作で来られた場合、処置を行ってその日のうちにご帰宅いただく場合もあるでしょう。ですから、近年は予約制のクリニックが増えていますが、当院では診療予約なしで受診できるようにしています。何かあったら真っ先に頼りにしてもらえるクリニックであり続けたいですね。
治療で重要なのは「無理しない程度の頑張り」の継続
診療ではどのようなことを心がけておられるのですか。

患者さんに現状をきちんと把握してもらえるよう、治療の根拠と内容について、専門用語を多用せずに筋道立ててお話しするよう努めています。ご質問にも曖昧にすることなく、はっきりお答えするよう心がけています。患者さんには、すべてをクリニック任せにするのではなく、「自分でできる範囲で頑張ってくださいね」というお願いをしているんです。頑張りといっても、無理なく継続できる程度で十分。可能な範囲で頑張ってもらい、それをベースに状態を良くするために投薬などで治療を提供していく、という方針で診療しています。「血圧が少し高いから、ちょっとだけ頑張ってみましょう」といった感じです。
例えばどのような頑張りであれば、多くの患者さんが無理なく続けられるとお考えですか。

高血圧症や糖尿病の治療というと食事制限のイメージが強いのではないでしょうか。ただ、食べたい物を我慢するのはかなりつらいですし、ストレスにもなりかねませんよね。個人的には、食べる物をコントロールするよりは、軽い運動を続けるほうがモチベーションを維持できると思っているんです。「食べても大丈夫ですが、食べすぎたと感じたら、一生懸命運動してカロリーを消費しましょう」という方向に、患者さんを誘導しています。「これは駄目」と否定してしまうのではなく「このようにしてください」という「提案」ですね。アドバイスどおりにできる方は徐々にハードルを高くしていき、うまくいかない方には将来予想される症状を交えて、努力を積み重ねるように念を押しています。
ただ、急に血圧の数値が跳ね上がったときなど、患者さんは焦ってしまうのではないでしょうか。
血圧が高くなって心配になるのは、高血圧が体に良くないとはわかっていても、その理由がうやむやになっているからだと、僕は考えます。高血圧が5年、10年と長いスパンで続くと血管が痛み、将来詰まったり破れたりして大きな病気にかかってしまう可能性が高くなるんです。そのことをきちんと説明し、将来のリスクに備えて血圧をコントロールする必要性があることを伝えれば、「たまたま血圧が高くても問題はないんですね」と多くの患者さんに安心して帰ってもらえます。健診などで引っかかった方であれば、血圧を1,2週間ご自宅で測ってもらい、再診するかを判断してもらうこともできますよ。来院された場合は、塩分制限や運動などを頑張っていくか、投薬治療を受けるかを選んでもらうことになります。不安感があれば血圧計の数値も上がるもの。患者さんが数値を見て慌てることのないよう、根拠を明確にした説明を大事にしています。
高齢者の体力維持にも注力し健康寿命延伸をめざす
開業から年数がたち、診療のスタンスなどで以前と変わったことはありますか。

開業して一人ひとりの患者さんとじっくりと向き合うゆとりが増えて、病院での診察時よりも全身に目が行き届くようになり、下半身の骨や筋力を強化する大切さを実感しました。年齢の高い患者さんが多いので、骨粗しょう症を抱えておられる方や、骨折して筋肉が弱り以前ほど歩けないという方が少なくありません。骨折などで一時来られなかった患者さんがまた来院されると、以前に比べ明らかに弱っておられるのが一目でわかるものです。そんな患者さんの姿を見て、「今の治療だけではなく、健康寿命を延ばすためのアドバイスもしなければ」と、骨粗しょう症など、専門から離れた分野の治療も積極的に提供しています。
患者さんの体力づくりも支えていきたいとお考えなのですね。
家庭菜園などで体を動かしている方とそうでない方は、同じ年代でも体力は全然違うんですよ。体力がなくなると治療中の病気にも影響が及ぶので、常日頃から歩くようにすることは本当に大事。僕自身も趣味のゴルフに加えて、意識してジョギングなどに取り組むようになりました。今後も自分自身が体力を維持していれば、予防医療や体を動かすことの大切さをお話しするにあたり、説得力が生まれると思うんです。見本とまではいかなくても、大きな病気にかかる前から先回りして体を動かし、生き生きとした姿で患者さんに接していかなければと考えています。
最後になりましたが、読者へのメッセージをお願いします。

禁煙の外来や往診などにも対応しており、これからも地域の皆さんのニーズに応える診療を提供していきたいです。今はネットなどで調べて来院される方が増えているからか、ほとんどの患者さんは風邪などの一般内科疾患や動悸などの循環器の症状で来られます。胃腸など別の分野の症状で気になることがあれば、ご相談すべき診療科や専門の医療機関・病院を紹介するので、診療の際に気兼ねなく話してみてくださいね。

