痛みに向き合い、快適な生活を送るための
リハビリテーション
谷口整形外科リハビリクリニック
(さいたま市大宮区/大宮駅)
最終更新日:2022/07/28


- 保険診療
「リハビリテーション」と聞くと、なんとなく手術の後に行うイメージを持ちがちだ。しかし実際は、脳梗塞や心筋梗塞などの術後に行われるリハビリテーションは、ほんの一部。「リハビリは特別なケガや病気のためだけのものではありません。包丁で指を切ったなどの単純なケガでない限り、ほとんどの整形外科疾患はリハビリを行う意義があります」と、「谷口整形外科リハビリクリニック」の谷口真史院長は話す。「ともに考え、ともに治す」を理念とする同院が大切にしているのは、患者が主体的にリハビリに取り組めること。なぜリハビリが重要なのか、具体的にはどんなことを行っているのか、谷口院長と同院理学療法士の瀧嶋亮太さんに聞いた。
(取材日2022年7月6日)
目次
理念は「ともに考え、ともに治す」。こまやかな提案で「体が動かしやすくなる」変化を実感してもらいたい
- Q診療において、リハビリの位置づけとはどのようなものでしょう?
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A
▲リハビリテーションの重要性について話す谷口院長
【谷口院長】整形外科を受診される患者さんの困り事は、「痛い」ことと「○○ができない、やりにくい」ことが大半です。その原因は、炎症や筋肉の損傷といった何かしらの障害と、姿勢や筋肉の使い方、使い過ぎといった生活・仕事・運動と体のミスマッチ。困り事を解消していくには、痛みを抑えるだけでなく、生活習慣や体の使い方を変えるなど、何かしらの修正・対策が重要になります。例えば糖尿病の治療はお薬を飲むだけでなく、食事管理や適切な運動が必要になるのと同じですね。リハビリはこの修正・対策として、動作や姿勢、機能にアプローチしていきます。本来の状態を取り戻し、再発防止までをめざす診療のために大切なポイントです。
- Qどんな症状・病気に対して行うのでしょうか?
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A
▲自身の体に起こっているミスマッチを解消するのがリハビリの役割
【谷口院長】リハビリは特別なケガや病気のためだけのものではありません。急なケガを除き、ほとんどのケースにリハビリを行う意義があると考えています。膝や腰に痛みが発生する原因の多くは、それぞれの筋力、柔軟性や動かし方などの「コンディション」と普段の歩行量や階段の量、仕事のタイプ、運動の仕方や量といった「生活習慣」の間でのミスマッチ。仕事や通勤距離は簡単には変えられませんから、自身の体のコンディションに着目してミスマッチの解消を図っていきます。そのために何が起こっているのかを細かく分析し、改善の提案と取り組みを行っていくのがリハビリの役割。だからこそ、ほぼどんな症状でも対象になるのです。
- Qこちらのクリニックのリハビリの特徴を教えてください。
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A
▲平日8人、土曜9人体制で理学療法士がリハビリを提供
【谷口院長】医師は診断をつけますが、診察時間の制約もあって、なかなか患者さん一人ひとりに細かい指導まではできません。実際に患者さんのコンディションを細かく分析し、その方に合ったリハビリを実践するのは理学療法士の役割です。当院には柔道整復師やマッサージ師は在籍しておらず、リハビリのメンバーは理学療法士のみ。平日8人、土曜9人体制でリハビリを提供しています。一般的な整形外科としては、多いほうではないでしょうか。理学療法士は、医師や看護師と同様に医療現場でトレーニングを積んでおり、医学的根拠に基づいた判断や施術が可能です。基本的に1回20分または40分をかけて、リハビリを行っていきます。
- Q理学療法士としてリハビリで心がけていることは何ですか?
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A
▲一方通行の提案・指導にならないよう、患者の価値観を尊重
【瀧嶋さん】患者さんの価値観を尊重しつつ、一人ひとりに合わせたリハビリを行っていくことです。例えば、膝の痛みで受診された方が、変形膝関節症と診断されたとして、そこから、日常生活でどんな問題が生じているのか、その原因は膝が伸びないからか、曲がらないからか、痛みなのかといったことを洗い出し、解決していくのがリハビリの役目です。具体的には、痛みなどの原因を取り除いていくために体の癖などにアプローチしたりするのですが「運動はしたくない」など、患者さんにはそれぞれ好みや大事にしている価値観があります。そこはしっかりくみ上げつつ、最低限やってほしいこととすり合わせながら、提案を行うようにしています。
- Q診療とリハビリの連携のために工夫されていることはありますか?
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A
▲患者が主体的にリハビリに取り組めることをめざす
【谷口院長】患者さんへの説明が食い違うことがないように、治療方針など疑問に思うことがあったら、遠慮なく声をかけてもらうようにしていますね。 【瀧嶋さん】新しい患者さんが入ってくるときは僕たちから聞くこともありますし、注意事項などがあれば、院長がリハビリ室まで来て引き継ぎをすることもあります。受付経由で情報を共有するパターンもあり、忙しい時でもさまざまな方法で密に連絡を取っています。月1回は理学療法士と医師がミーティングを開き、悩んでいることの相談や学んだことの発表を行うほか、うまくいかないことがあれば理学療法士同士でも相談し、複数人でどうしていくのがいいかを探っていきます。