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松井 亮好 院長の独自取材記事

さいきょうクリニック

(京都市右京区/西院駅)

最終更新日:2023/09/27

松井亮好院長 さいきょうクリニック main

西院駅から徒歩5分の場所にある「さいきょうクリニック」。1970年に前身である西京病院として開業し、2021年9月のリニューアルを経て50年以上にわたり診療を続けている。同院では、高齢化が進む地域にとって本当に必要な医療を提供するため、「認知症支援」「リハビリテーション支援」「在宅療養支援」「看取り」「介護予防」と地域包括の拠点となるべく、幅広く応じる。さらには総合診療に加えさまざまな専門診療を行う外来があるほか、リハビリテーション施設やメディカルフィットネス施設、介護医療院も併設し、地域の人々が健康に安心して暮らせる環境づくりに貢献している。インタビューでは松井亮好(まつい・たかよし)院長に、クリニックの歴史や特色、地域医療にかける思いなどについて語ってもらった。

(取材日2022年6月15日/再取材2023年6月6日)

総合診療でその人が抱える問題に丸ごと向き合う

クリニックの歴史や、現在の診療について教えてください。

松井亮好院長 さいきょうクリニック1

当クリニックの前身は1970年に開設された「西京病院」で、かつては150床の入院設備があるケアミックス病院でした。創立当時の診療は外科手術が中心で、救急搬送も受け入れていた時期もありましたが、時代の流れとともに「地域にとって本当に必要とされる医療」を模索する中で、近年は高齢者の疾病予防や、病気からの社会復帰を重視するようになりました。そして、2021年9月に「さいきょうクリニック」として生まれ変わったのです。現在は在宅療養が困難な方を受け入れる50床の介護医療院を併設し、外来診療と訪問診療、リハビリテーションを主軸に地域包括ケアに取り組んでいます。

現在、総合診療を担当する松井院長は、もともと消化器内科がご専門だそうですね。

消化器内科を選んだのは、大学卒業後に入局した公衆衛生学教室に社会医学、基礎医学の他に消化器内科の大きなグループがあったからです。現在は総合診療に力を入れていますが、全人的医療の基礎はホスピスのある淀川キリスト教病院で学びました。そこで消化器内科に限らず幅広い疾患を診た経験が今に生きていますね。総合診療では、診療科の枠に捉われず、広い視点でその人が抱える体や心の不調に丸ごと対応します。例えば、原因不明の不調の診断や、複数の疾患を持つ方の診療、在宅医療の相談などが可能です。「どの診療科にかかればいいかわからない」と来られる方も少なくありませんから、まずはお話にじっくりと耳を傾けて、必要に応じて適切な科へつなげています。

総合診療に力を入れる一方で、専門診療にも強みがありますね。

松井亮好院長 さいきょうクリニック2

当クリニックには各分野を専門とする医師たちが在籍し、整形外科、循環器内科、糖尿病内科、脳神経内科、消化器内科、精神科、心療内科の診療にも対応しています。物忘れや心の問題を診る外来も設けているので、「最近物忘れが激しい」「以前できたことができない」「気分が沈む」「仕事の人間関係がつらい」などでお悩みの方はご相談ください。スポーツをする人のメンタルサポートも可能です。総合診療は主に私と循環器内科が専門の石原尚子先生が担当しますが、2023年10月からは外科系の医師も加わり、各科の医師の連携のもとでクリニックの総合診療をさらに拡充していきます。また、疾患の早期発見・早期治療のため検査の精度を重視したいと考え、エックス線検査、超音波検査、MRI検査、全身骨密度測定、動脈硬化測定などができる体制を整え、先進の機器を導入しています。

リハビリからフィットネス、在宅医療まで幅広く

生活習慣病診療や独自の検診メニューなどにも力を入れていますね。

松井亮好院長 さいきょうクリニック3

地域の方が安心して生き生きと暮らせるよう、健康寿命を延ばすことが大切だと考えています。加齢に伴って特に注意したいのは「認知症」「ロコモティブシンドローム」「心不全」。要介護や寝たきりになるリスクが高いので、早期発見・早期治療のため、この3つの検診コースを用意しました。問診の上で、MRI検査、ロコモチェック、心臓超音波検査、血液検査等を行いますが、ご自身の体の状態を知るためにも気軽に受けていただければと思います。また、健康寿命延伸にもう一つ重要なのが、食事や運動、人と関わりを持つといった生活習慣。そのため当クリニックでは、健康教室などの場も提供しています。さらに併設の医療法42条施設「メディカルフィットネスさいきょう」では、運動指導の専門家が目的や体力に合った運動の継続をサポート。お子さんから高齢者まで幅広い世代が運動に親しむお手伝いをしています。

リハビリテーションについてお聞かせいただけますか?

けがや術後の運動機能回復をめざすと同時に、患者さんの生活に合った状態に近づけるよう、理学療法士が一人ひとりに対応しています。理学療法士に大切にしてもらっているのは、専門性の高いプログラムを提供することはもちろん、患者さんの気持ちに寄り添うことです。リハビリには努力や継続が必要で、つらい思いをされている方も多いですから、楽しく前向きになれるような声かけをするなど雰囲気づくりを大切にしてくれています。通所リハビリ・訪問リハビリでは、患者さんとご家族、医師、理学療法士、ケアマネジャーらが定期的に集まって「リハビリ会議」を実施し、リハビリの状況やご希望、お気持ちなどを聞いてプログラムを更新します。

在宅医療についてはいかがですか。

松井亮好院長 さいきょうクリニック4

当クリニックではスタッフ全員が一丸となり、チームで訪問診療・訪問看護・訪問リハビリ・居宅介護支援にあたっています。強みは365日24時間対応可能な機動力と、医師や看護師をはじめとするスタッフの経験値です。特に訪問看護は、前身が入院施設のある病院だったこともあり、重症患者さんの看護経験が豊富な看護師が多いので、安心してお任せいただければと思います。訪問リハビリは理学療法士がご自宅へ伺い、3ヵ月に1回は医師も往診してリハビリの状況を把握。リハビリは進行に個人差がありますが、当クリニックを選んでくれた患者さんやご家族に「頼って良かった!」と思っていただくことをめざしています。これは在宅医療に限った話ではありませんが、患者さんの喜びが私たちの原動力なんです。

住み慣れた場所で安心して暮らせる地域医療を

クリニックの体制について、リニューアルを経てどんな変化があったでしょうか?

松井亮好院長 さいきょうクリニック5

「患者さんに寄り添う医療」を大切にするため、体制や環境づくりに尽力しています。院内薬局を設置し、診察から薬の受け取りまでが院内で完結できます。医師と薬剤師が直接話せるのもメリットの一つです。また建て替えで診察室とバックヤードがつながり、電子カルテを導入して医療クラークを置くようになったことで、医師や看護師以外の職員も患者さんと距離が近くなり、接し方が変わったと感じています。患者さんの困り事は多岐にわたりますから、多職種の職員同士が互いの業務を理解して、サポートし合いながら誠意を持って対応しています。

地域医療連携の大切さについても着目されているそうですね。

急な入院や手術が必要になった場合は京都九条病院と連携し、患者さんに必要な医療を提供する体制を整えています。またアフターコロナ以降は、地域医療連携の重要性が一段と高まりました。5類になった現在も、発熱症状のある方や在宅の患者さんへの対応などについて訪問看護ステーション、介護療養施設などの地域の関係機関と密に協力し合うことが欠かせません。さらに京都市も例に漏れず高齢化が進んでいますから、地域包括ケアシステムの充実も急務です。当クリニックの「住み慣れた場所で安心して生き生きと尊厳を持って暮らせる街づくりに貢献する」という理念にも通じるところですので、医師会活動などに積極的に参加することで、看護や介護といった多職種と交流を深め、つながりをより強固なものにしていきたいです。

地域の方々にメッセージをお願いします。

松井亮好院長 さいきょうクリニック6

当クリニックでは総合診療のほか、各診療科で外来診療を行い、全身のあらゆる不調を診療しています。また予防にも目を向け、健康づくりのお手伝いができればと思いますので、各種検査やリハビリ、運動指導などについてもご相談ください。加えて、地域の方が愛着のある街で生き生きと暮らしていけるよう、当クリニックで在宅医療に注力することはもちろん、他の医療機関や多職種と連携し、地域包括ケアシステムの拠点をめざします。「健康と暮らしの悩みを気軽に相談できる窓口」として、お一人お一人の人生に寄り添いたいと考えていますので「こんなこと聞いても良いのかな」と思わずにぜひ頼っていただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

検診コース/物忘れ:1万9000円、ロコモ:1万5000円、心不全:2万円

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