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岡村 誠 院長の独自取材記事

医療法人清風会 岡村産科婦人科

(碧南市/碧南中央駅)

最終更新日:2019/08/28

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和やかで温かい雰囲気のスタッフが迎えてくれる「岡村産科婦人科」は、院内の各所にモニュメントや絵画などのアートが飾られ、ひとつひとつに院長の岡村誠先生のこだわりが感じられる。にこやかに、穏やかな口調で話す岡村院長だが、言葉の端々からは地域を支える産婦人科の医師としての熱い思いが感じられる。「地域に密着したクリニックだからこそ、総合病院では手が回らない細やかな診察・ケア・サービスを提供できることが強みです」と話す岡村院長にたっぷり話を聞いた。
(取材日2017年1月24日)

この地域のお産を任されたという使命感を持って

開院の経緯を教えてください。

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当院は1962年に父が開院して、1970年からずっとこの場所にあります。私は2代目なのですが、私が医師国家試験に合格した年に父が亡くなりました。医師免許を取得したとはいえ、卒業したての研修医に院長が務まるわけもなく、閉院を覚悟しました。母が医療雑誌に出していた院長の求人広告を見て、偶然、兵庫県から「岡村」という名前の先生が来てくださり、10年ほど院長を勤めていただけたんです。その間、私は名古屋大学附属病院などで経験を積むことができました。そのまま大学で先進的な医療や研究に従事することのほうがはるかに楽しいのではないかという思いもありましたが、地域の最前線に身を置き、家族のため、地域のために懸命に働いた父への憧憬から、父と同じ開業医の道を歩もうと決心しました。この決断に、産婦人科医師である妻は何も言わずについてきてくれました。

重厚感のある素敵な建物ですが、どのような点にこだわられたのでしょうか?

当初の医院から建て替えたのですが、想定以上の患者さんに来ていただいたため、増改築を繰り返して現在の建物になりました。増改築に際しては、統一感のある落ち着いた空間にこだわりました。産婦人科といえばかわいらしさをイメージさせるピンクを使用するクリニックが多かったのですが、別の路線で温かみを表現しようと考えました。そして、院内にはアートを多用しました。本物には、何かしら人の感性を刺激する力があります。そういう空間に身を置いて、心地よいひとときをお過ごしいただければという想いからです。またクリニックのロゴは、岡村のOをかたどった卵がモチーフになっており、過去から現在、未来へ続いていくイメージを表現しています。この卵は院内のサインにも取り入れています。

診察で心がけていることはありますか?

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私を含め、全職員が使命感を持って仕事をすることを大切にしています。単に生活のためだけの仕事では、職場はギスギスしたものになりますし、それでは患者さまに温かい医療・サービスを提供することはできません。そのため、特に人間教育には力を入れています。人が生まれ、健やかに成長し、やがて子を産んでいく。そして、その子を育てていく。この命の循環を少しでも安らかで、素晴らしく、誇らしいものとしていくためにあるのが、私たちの仕事です。命をつなぐという、人間の存在そのものにかかわる営みに携わる意味を、私たちは片時も忘れることなく考え続け、患者さまに向き合っていきたいものです。診察では、丁寧に聞くこと、正確に答えることを心がけ、最後に「何か聞きたいことはありますか」と問いかけます。この一言が話しやすさにつながり、信頼関係を構築する第一歩になると考えています。

産前教育から産後のケアまで長い付き合いを

医院の特徴について教えてください。

産前教育に力を入れています。診察や健診の際に伝えられることは限られますので、各種のマザークラスを開催しています。テーマが重ならないよう、そのクラスでお伝えしたいメッセージをハッキリさせて計画しています。産後も産んで終わりではなく、産後10日目に来院していただき、様子をお伺いします。1ヵ月健診も含めて、いつでも相談してもらえるような環境を作っています。また最近ではメンタル面の悩みを抱えておられる方が増えています。ある調査では、うつ病のテストをすると妊娠中に10%、産後1ヵ月で17%、産後3ヵ月で13%が悩みを抱えている可能性があると診断された結果もあるようです。このような背景から、メンタルヘルスに意識して接することで、育児にうまくつなげていけるよう、また、スタッフ同士も患者さまの情報を共有してスムーズに仕事が進めやすいように努めています。

ハード面・ソフト面を含めて、医院のこだわりについて教えてください。

医師が4人在籍していますので、心配な経過があれば、それを複数の医師の目で診ることができるというメリットがあります。私以外は女性の医師です。曜日で担当を固定しているので、患者さまが医師を選べるようにもなっています。また、助産師が妊婦健診を担当する機会を3回設けており、医師とは異なる視点での健診は非常に好評です。さらに、胎児超音波専門の検査技師が2人おり、妊婦健診では赤ちゃんを10分以上かけてしっかり診ていくことも特徴です。同時に、4D超音波診断装置により、赤ちゃんの様子をはっきりと見ることで、産む前から赤ちゃんへの愛情を育んでほしいと思っています。当院にはスタッフのための24時間体制の託児施設があり、医師も含めた全職種がお子さんを預けて働いています。良いスタッフが入ってきても、子どもが生まれると仕事が続けられず辞めてしまうことが続いたため、託児所を作りました。

現在特に力を入れられていることは何でしょうか?

メンタル面に悩みを抱える方の増加という背景もあり、出産にしても育児にしても、こうするべきだと全員に画一的な指導をしてはうまくいかなくなるため、基本方針は大切にしつつも、その人に応じた対応をするようにしています。そのためスタッフもたくさんのレシピを持つことが必要で、常に勉強をしていないと対応できません。スタッフの教育やコミュニケーションの時間は多くとるよう意識していますね。

育児支援も含めた産科のありかたを模索していきたい

食事がとても好評だと伺いました。

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昔から当院の食事は好評をいただいており、厨房のスタッフもそれをプライドに日々励んでいます。特に地元の食材、旬のものにこだわって、おやつまですべて手作りです。厨房のスタッフには、料理に3つの思いを込めて作ってほしいと伝えています。1つ目は、命がけで出産したお母さんへの「お祝い」、2つ目はこれから育児をがんばってという「励まし」、そして3つ目はおふくろの味を覚えてほしいという意味での「教育」です。ご自宅でお料理をされる際に役立てていただければと食事のレシピをお渡ししていますが、たいへん好評です。

やりがいを感じられるのはどんな時でしょうか?

病院というのは本来無生物ですが、そこに働く人の意志が吹き込まれることで、あたかも生き物のように生き生きと躍動していきます。そこで働く人の進む方向を指し示し、皆のベクトルを合わせるのが院長である私の役目です。私の仕事は、24時間365日の拘束が前提ですが、使命感を持つことで自分自身を鼓舞しています。患者さまからのアンケートで「ここで産んで良かった」「出産するならこの産院」と言っていただけるのはなによりもうれしいことですね。母娘二代にわたって当院でお産をされる方も多いのですが、産後「この子が子ども産むときにも良い病院であってほしい」と書いていただくこともありますね。私にとってはスタッフと患者さまの笑顔がやりがいにつながっていると感じています。

今後の展望についてお聞かせいただけますか?

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出産年齢も高年化してきている中で、育児支援も含めた産科の在り方を模索していきたいと考えています。出産までは産婦人科ですが、そこから小児科デビューまでの間には大きな谷間があると認識しています。ですので、そこを意識した支援ができればと思っています。母親に異変があればその影響は子どもに及ぶわけですし、子どもに異変があるときは母親も問題を抱えがちですから、この期間は母子を一体で診てあげることが必要だと感じています。産科という枠にとらわれずに、対応できる範囲を広げていきたいですね。また副院長である妻とご勤務されている医師の一人は、もともと不妊症を専門領域としていました。今はお産が増えてしまって、なかなか不妊症治療に力を注げていません。たくさん妊婦の方がおられる場所に、不妊症治療の方が来られるのはやはりつらい面がありますので、どれだけ不妊症の方に寄り添った治療ができるかは今後の課題でもあります。

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