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米田 實 院長の独自取材記事

米田病院

(名古屋市西区/東枇杷島駅)

最終更新日:2020/03/04

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名鉄本線東枇杷島駅から徒歩1分で「米田病院」の建物が見えてくる。2015年に建て替え工事を終え、より明るい清潔な空間に生まれ変わった。整形外科の専門病院としてこの地で開業して約70年。米田實院長は祖父、父の志を継いで1991年に院長に就任した。骨折や脱臼の生じた箇所を、できるだけ手術を行わず元の位置に戻す「整復」という保存療法に重きを置き、専門知識と豊富な経験を有するスタッフとともに全面的に患者をサポート。「患者さんの笑顔が何よりの喜び。感謝の毎日です」と穏やかにほほ笑む院長は柔道六段。実直な人柄への信頼は厚く、県外からも多数の患者が訪れている米田院長に話を聞いた。
(取材日2016年5月19日/記事更新日2020年2月5日)

1回ごとの診療の積み重ねが約70年の歴史の重みに

2015年に約4年にわたる耐震建て替え工事を完了されたそうですね。

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はい。全館バリアフリーで災害に強い建物に生まれ変わりました。今回の建て替えは第一に患者さんの移動距離を短くするという目的で、診察室から画像診断室までの距離は数十メートル以内に、また入院室54床は2階のワンフロアにまとめ、患者さんにもスタッフにとっても動線が短くなりました。3階のリハビリ室は広くなり、エレベーターで直行できます。また精度重視のMRIを2台備え、そのうち1台は緊急時や当日検査のために枠を空けておいています。手術室3つのうち2つはクラス100という清浄度のバイオクリーンルーム(無菌室)にするなど、高度な検査や手術、リハビリを行うための環境が整いました。

開業の経緯を教えてください。

もともと柔道家であった祖父が昭和の初めに米田道場を創設し、1951年に父が米田診療所を開設、その3年後に米田病院として開業しました。父は柔道九段で当時の柔道整復師会会長でもあり1959年に新たに米田道場を、その翌年に米田柔整専門学校を開設、私は1991年に医療法人米田病院の理事長・院長に就任しました。父には3歳違いの弟がいて副院長を務めていましたが、私も後を継ぐときに3歳違いの弟が外科医師を辞めて当院に加わってくれ、現在まで協力しあっています。私は東京医科歯科大学卒業後、名古屋大学大学院に入り、名古屋掖済会病院、中京病院などに勤めました。一番長くいた名城病院では脊椎や手の外科、スポーツ整形も担当し手術を多く手がけました。今私のところに通ってきてくださる患者さんは掖済会病院のときからのつながりが強いと感じています。

多くの方に長く信頼されていらっしゃるのですね。

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昔からの柔道の患者さんも多いのですが、関節リウマチは進行性の疾患ですから、患者さんとは長いお付き合いになりますね。昔と違い、リウマチは早期の診断と治療によって進行を抑えられる時代になりました。8~9割の方は仕事も続けられます。普通は病院で良くなって当たり前ですが、中には逆の患者さんもいらっしゃいます。そこで「何もしないでいると悪くなって数年たつと寝たきりになってしまうよ、ちょっと頑張ってみる?」と声がけしています。すると患者さんが続けて来てくれるんです。本当に1回ごとの治療の積み重ねで信頼関係が成り立っていくわけです。実は私の亡くなった伯母がひどいリウマチで、最後の10年は完全に寝たきりでした。子どもの頃はよく遊びにいき、随分かわいがってもらったものです。そんな伯母がリウマチだったというのは、今思えば、医師として私が患者さんと向き合うことの原点となっているのかもしれません。

チーム医療による保存療法で患者を全面サポート

こちらの病院では保存療法に重きを置かれているそうですが。

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整形外科というより、本当は「整形内科」というほうが実態を表しているのではないかと思うんですが、薬を使ったり生活指導をすることが、実は整形外科の一番大きな仕事なんですよ。折れた骨を元の位置に戻すことを整復といいますが、これは保存療法の一つです。手術による感染や体へのダメージを考えると、保存療法は患者さんの負担が少ないため、当院ではできるだけ整復で治療できるよう努めています。実はケアする側にとっては大変なんですが、当院のリハビリスタッフは併設クリニックと合わせて43人。そのうち半分が、骨折保存療法に強い力を発揮する柔道整復師です。専門知識を有し経験豊富なスタッフたちが気持ちを込めてケアさせていただきますので、患者さんにとって大きなプラスの存在であると思います。

医師とスタッフ皆さんの連携が重要ですね。

医師だけで一から全部をやるのは大変で、例えば看護師の聞く力や患者さんへの配慮、柔道整復師が初診から寄り添い症状を把握し、判断することなどで、時間的にも効率よく治療を進めていくことが可能になります。これだけ医療が発達した時代では、スタッフ全員が医療の仕組みを理解しコミュニケーションをちゃんととれることが大事です。周囲と連携できるような人あるいは病院が、これからの時代も信頼を得て生き残っていくだろうのと思います。患者さんは不調を抱えているわけですから、医師や柔道整復師はその苦しみを通してどこが本当に悪いのか見通す力が必要だし、もし自分の手に負えないと思った時は、誰にどう頼るかということまで決める能力も求められます。

皆さんが1つのチームのように患者さんをサポートしていると感じます。

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こうした体制が、私がめざしてきたチーム医療なんです。診察方針を決めたり手術をするのは医師ですが、患者さんを支えるためには、受付の事務のスタッフをはじめ看護師、放射線技師、リハビリのスタッフまで皆の協力が必要です。それぞれの職種が「たこつぼ」化してはだめで、お互いのコミュニケーションが大切です。そこでそのツールの一つとして、6年前から電子カルテを整備し、スタッフ同士のコミュニケーションを深めています。海外に出張した担当医師がカルテを見て、指示を出したり所見を見たりすることもできるんですよ。また週に3回、外来が始まる前の朝8時から勉強会を行い、患者さんの情報共有はもちろん、きちんと外へも発信できるような勉強を主にリハビリスタッフと継続しています。

各専門家がさまざまな症状に対し専門的な手術にも対応

米田病院ならではの保存療法について教えてください。

アキレス腱断裂の保存療法ですね。断裂すると手術が必要だと思われていますが、当院ではエコーとMRIを活用して切れた腱同士がくっつくかどうか確認し、手術をしない治療を実践しています。先だっても東京から剣道の有段者が治療に来られ半年かけて治療されました。日本整形外科の分野で成果を報告しており、今後日本の治療の流れを変えられるかなと思っています。またスポーツをしている小中学生で腰が痛いという場合、腰椎分離症といってその半分くらいは腰の疲労骨折の初期なんです。早く見つけて少し運動を控えたり、コルセットをつけたりすれば対応できるのですが、その見極めと方針を決めること、これも得意分野になります。

常勤医師も5名いらっしゃいますね。

はい。手術になった場合も、経験豊富な医師たちが執刀します。副院長は股関節外科が専門で、人工関節の手術数は愛知県でも多く行っています。またスポーツ整形の専門家は、前十字靭帯再建術など関節鏡視下手術を中心に多く行っています。術後はリハビリを重視し、スポーツ復帰のための機能回復治療も行います。さらに手の外科の若手専門家もいます。手の外科とは上肢の機能障害などで主にひじから先が多いですね。名古屋大学と密接に連携しており、脊椎外科、またがんなどの腫瘍については、専門の医師に毎週定期的に来ていただいています。

ご自身の健康法、また今後のことなどを教えてください。

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私自身は、柔道整復師でもあった祖父に柔道を教えてもらって、中学校、高校、大学とずっとやっていました。柔道六段でオリンピック柔道日本代表のチームドクターの経験もあるものだから、自分で言うのも何ですが、柔道をされている方には圧倒的に人気があり(笑)、患者さんも遠くから来られます。今は週1回、主宰している子ども道場の子たちと取り組み、投げられるのが仕事です(笑)。受け身は骨粗しょう症の予防にいいんですよ。この間骨密度を測ってみたら、30代だったかな。柔道は1対1の真剣勝負。相手の呼吸を感じ、瞬時にものを判断する能力が必要になります。診療に通じるものがありますね。私にとって患者さんの笑顔と「ここに来てよかった」という言葉が何よりのご褒美。これからも感謝して過ごしていきたいと思います。

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