循環器内科をかかりつけとし
心臓リハビリテーションで健康を守る
のがたクリニック
(中野区/中野駅)
最終更新日:2025/05/30


- 保険診療
心臓リハビリをやってみたいと思っても、都内でもまだ限られたクリニックでしか行われていない現状である。そんな中、厳しい施設基準を満たし、充実した環境で心臓リハビリに取り組む「のがたクリニック」は貴重な存在といえるだろう。循環器内科を掲げているので「胸が痛い」と訪れる患者が多いが、そのほか、内科全般に関して幅広い診療を行う。中でも積極的に取り組んでいるのが生活習慣病の管理だ。生活習慣病を進行させないためには運動を習慣化することが鍵だ。それは心疾患を未然に防いだり再発予防したりすることにもつながる。1人では挫折してしまいそうでも、集団でのエクササイズも取り入れている心臓リハビリならば楽しく続けられるだろう。そもそも循環器内科では何を診ているのか、心臓リハビリの詳細とともに詳しく話を聞いた。
(取材日2025年3月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q循環器内科はどのようなときに受診する人が多いのでしょうか。
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A
大半を占めるのが「胸が痛い」という訴えですね。まず、指で「この辺り」と示せるピンポイントな痛みなら、狭心症や心筋梗塞などの心配はほぼありません。一方、手のひらで胸を覆いたくなるような痛みは、心臓疾患の可能性があるので一刻も早く受診してください。そのほか「胸が苦しい」「ドキドキする」といった方は不整脈というケースもあります。不整脈の中でも心房細動があると脳梗塞のリスクが高くなるので、早めに大規模病院へ紹介する必要があります。また、循環器が専門の医師ならば、聴診器で大動脈弁狭窄症など心臓弁膜症に特有の心音を聞き取るのも得意分野。見逃されがちなので、心配な方は一度循環器内科を受診してみてください。
- Q心疾患と生活習慣病は密接に関連しているそうですね。
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A
胸の痛みから受診して心臓は何ともなかった患者さんでも生活習慣病が見つかる例は少なくありません。生活習慣病は心不全などを引き起こす原因の一つです。心疾患予防のためにも、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの生活習慣病はできるだけ早く管理を始めるようにしましょう。特に肥満の方は生活習慣病改善のためにも体重を落とすことが欠かせません。毎日の診療の中でも運動を呼びかけていますが、検査の上で対象となれば心臓リハビリを利用することもできます。当院でも理学療法士が常駐する専用スペースで心臓リハビリを行っているのでご相談ください。
- Qこちらが注力している心臓の検査や治療について教えてください。
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A
心電図検査、24時間ホルター心電図検査、心エコー検査、頸部エコー検査などが一通り行えます。特徴的なのは、一般的な投薬治療などに加え、スペース・医師・人員・機器の各要件において、「心大血管疾患リハビリテーション料I」という厳しい施設基準をクリアし、柔軟できめ細かな心臓リハビリを提供できる点にあります。例えば、心肺運動負荷試験(CPX)では、エルゴメーターというバイクをこいでいただきながら心電図、血圧、呼気ガスなどが計測できますし、突然死の原因になる狭心症、運動誘発性不整脈の検出にも有用です。適切な強度での運動習慣をつくるきっかけにもなるので、ぜひご活用ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1心臓リハビリの相談をし、実際の様子を見学
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診察時に心臓リハビリを提案されたり、自ら取り組んでみたいと希望したりするならば、クリニック2階にあるリハビリ室で行われている実際の心臓リハビリの様子を見学できる。エルゴメーターというリハビリで使うバイクなどの体験も可能だ。心臓リハビリを受けると決めた場合、そこで大まかなスケジュールを聞き初回の心臓リハビリの予約をする。
- 2初回予約日。来院して問診票を記入
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心臓リハビリでは毎回、運動の開始前に血圧と体重をチェックされ、院長の診察を受けた上で患者それぞれに適したリハビリメニューに取り組む。1回のリハビリの時間は60分で、ストレッチや上肢・下肢の筋力トレーニングなどは集団で実施。その後、各自でエルゴメーターでの有酸素運動、認知症予防を目的とした運動などを20~30分取り組む。
- 32回目以降の心臓リハビリ
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2回目以降もリハビリ前診察を受け、リハビリが可能と判断された場合は心臓リハビリに進む。身体機能チェックを受け、ライフスタイルに変化はないか伝える。また、自宅で毎日記録する血圧手帳を看護師がリハビリ中に確認しているので、リハビリ後は生活の振り返りやアドバイスなどが受けられる。日々の些細な変化に対しても心臓リハビリスタッフや医師からの丁寧なフォローが行われる。
- 4心肺運動負荷試験
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エルゴメーターでの運動に慣れてきたら、心肺運動負荷試験を受ける。心臓、肺、筋肉の予備能力が測定され運動強度が決められる。運動負荷試験は3ヵ月に1回ほどのペースで定期的に行われ、適切な負荷での運動に継続して取り組む。
- 5経過を共有し、継続的な運動とフォロー
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心臓リハビリと並行し、通常の診察も月に1回ほどのペースで受ける。心臓リハビリによる体の変化を医師・患者間で確認。院内で定期的に実施される多職種によるカンファレンスでは、心臓リハビリや診察の結果を踏まえて、服用している薬の減薬が可能かどうかが検討されるという。同院では、症状や体調の変化を長期的な視点で確認することで、その時々で適切な治療の提供に努めている。