若山 仁久 院長の独自取材記事
烏山耳鼻咽喉科
(世田谷区/千歳烏山駅)
最終更新日:2024/11/20

2014年に「烏山耳鼻咽喉科」を開院した若山仁久(のりひさ)院長は、この地に、父親が営んでいた医院もあったなじみ深いエリアだという。「父が40年近く診療を続けてきたこの場所で、私もお子さんから高齢の方まで、幅広い患者さんを長く支えたいと考えています」と話す。同院は、大学病院で長く経験を積んだ若山院長が、中耳炎、花粉症、急な喉の痛み、急性副鼻腔炎など多様な症状に対応。特に子どもの診療に力を入れ、さらにウェブ問診の導入や舌下免疫療法の開始など、新たな取り組みも積極的に行っている。「常に本当のことを正直にお伝えし、信頼関係を築いていきたい」と語る若山院長に、診療の特色や地域医療への思いなどを聞いた。
(取材日2024年8月7日)
子育て経験から小児の診療に注力
小児の診療に力を入れていると聞きました。

当院を受診している患者さんは年齢を問わず幅広いのですが、園児や小学生などのお子さんも多くいらっしゃいます。実は私も子育てをするようになってから、改めて小児を診ることができる耳鼻咽喉科が少ないことに気づきました。大学病院時代から、子どもの耳や鼻、喉などは耳鼻科に診てほしいと思う小児科の先生から相談を受けることも多かったですね。現在は、子育てで大変な親御さんを少しでもサポートできればと考えています。小児の患者さんに限っては、診察時間内に電話でご連絡をいただければ、本来の診察時間が過ぎていても診察するようにしています。
治療を継続することの重要性について詳しく教えてください。
小児の中耳炎は、症状が一時的に改善しても完全に治癒していない場合があります。特に小さなお子さんは自覚症状を伝えにくいため、親御さんが『もう大丈夫』と思っても、実際には治療を続ける必要があることが多いです。治療を中断すると再発や慢性化のリスクが高まりますので、最後まできちんと治療を続けることが重要です。
お子さんの診療で心がけていることは何ですか?

お子さんは自分の症状をうまく伝えられないことが多いので、省略せずに診察することを大切にしています。具体的には、症状がなくても必ず両方の耳の中を観察しますし、鼻汁の吸引なども丁寧に行うようにしています。最初は怖がっていたお子さんが、いつの間にか自分一人で診察を受けたいと言ってくれる時は本当にうれしいですね。
新たな取り組みで患者サービスの向上を図る
アレルギー治療の舌下免疫療法について教えてください。

舌下免疫療法は、スギやダニによるアレルギー性鼻炎の根本的な治療法として注目されています。アレルゲンを含む薬を舌の下に投与し、体質を改善していく方法です。治療期間は短くても4年程度かかり、その後も継続が必要な場合があります。小児から成人まで診察可能な耳鼻咽喉科での治療がおすすめです。私は注射による免疫療法も以前から続けており、舌下免疫療法が日本に導入された第1回目の研究会にも参加しています。体重が軽いお子さんにも導入可能な方法も取り入れています。
ウェブ問診も導入されているそうですね。
はい、当院では新たにウェブ問診を取り入れました。これにより、患者さんは来院前にインターネット上で問診票を記入することができます。選択肢を選ぶ形式なので、症状の把握がスムーズになり、診療前にある程度の情報を得ることができます。これによって、待ち時間の短縮や診療の効率化が図れ、患者さんの負担軽減につながっています。ぜひ有効に活用していただきたいですね。
患者さんからの反応はいかがですか?

舌下免疫療法については、すでに100人を超える患者さんから「普段の薬の効き目が良くなった」や「風邪をひきにくくなった」などの声をいただいています。ウェブ問診の導入により、治療方針や検査内容を事前に検討できるため、「待ち時間が短くなった」という声もいただいています。特に小さなお子さんを連れた親御さんからは、診療がスムーズになったと好評です。ウェブ問診は患者さん自身が症状を整理するきっかけにもなっているようです。
地域の中で患者とともに成長するクリニック
現在の活動についてお聞かせください。

以前は大学病院でも診療を行っていましたが、現在は地域医療に専念するため当院での診療に集中しています。お子さんの中耳炎とアレルギー性鼻炎は、通院が途切れて治療が中断してしまうこともあります。そのような時でも、今日からまた一緒にしっかり治療していきましょうというスタンスを大切にしています。
地域医療への思いや、今後の目標を教えてください。
開院してから十年がたち、小さかったお子さんが成長し、そのご兄弟やご家族も受診してくださるようになりました。地域の中で患者さんとともに成長していることを実感しています。これからも『病気を診ずして病人を診よ』という理念を大切に、患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供していきたいです。どなたでも気軽に受診していただけるクリニックをめざします。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

体調に不安を感じたら、小さなことでもお気軽にご相談ください。近年、一部のお薬が手に入りにくい状況が続いています。当院では、薬に頼らない治療法として、鼻水の直接吸引や喉の炎症に対するネブライザー治療なども行っています。特に小さなお子さんは、自分の体調を親御さんに適切に伝えるのはとても難しいことです。風邪の症状が続くときや、いつもと様子が違うと感じたら、すぐにご相談ください。私たちが全力でサポートいたします。