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酒匂 丈裕 院長の独自取材記事

さこう眼科

(川崎市中原区/武蔵小杉駅)

最終更新日:2024/09/06

酒匂丈裕院長 さこう眼科 main

武蔵小杉駅に直結する商業施設内のクリニックエリアにある「さこう眼科」は、日本眼科学会眼科専門医の酒匂丈裕(さこう・たけひろ)院長が2014年5月に開業したクリニックだ。検査機器は大学病院レベルの新型検査機器を数多く導入し、小さな子どもから高齢者まで、さまざまな症状に対応できる体制を整えている。「患者がいつでも気兼ねなく通える雰囲気づくりを大切にしている」と話す酒匂院長。地域の小学校3校で学校医も担当するなど、再開発により新たな発展を続ける街の成長を見守っている。とても気さくな人柄の酒匂院長。インタビュー中も日々の患者とのふれあいや小児の弱視や近視、緑内障など注意したい眼科の病気のこと、診療で大切にしていることなど、わかりやすくユーモアたっぷりに語ってくれた。

(取材日2023年12月5日)

子どもの見えづらさの原因を探り、適切な治療を提案

来年には開業10周年を迎えられるそうですね。

酒匂丈裕院長 さこう眼科1

おかげさまで来院いただく患者さんの数も増え、子どもから大人まで幅広く診させていただいています。駅周辺にいわゆるタワーマンションの建築が相次ぎ、小さな子どもをお連れのファミリー層が多く住んでいらっしゃることもあって、お子さんの来院の多さが際立っているでしょうか。周辺小学校3校で校医を務めており、いずれも規模の大きい学校です。そんな中で特に強く感じるのは、子どもたちの視力低下が進行していること。先日文部科学省が公表したデータでは、昨年度の眼鏡なしで1.0の視力が出ない子が過去最高となりました。

お子さんの視力のご相談も多いのですね。

学校健診で受診を勧められてというケースはもちろん、お子さんの見え方に気がかりな点があってお連れになる親御さんはたいへん多いです。入学前の年齢でご相談に来られる方も少なくありません。見え方の問題を抱えた子たちでは、まずは検査によって見えにくい原因を探ることが重要です。仮性近視と呼ばれる一時的な目の疲れであれば、休養により回復することもあります。しかし、学童近視では自然な回復を望むことは難しく、発症年齢や進行度に合わせて、何らかの対策を取っていくことになります。

どのような対策があるのでしょうか。

酒匂丈裕院長 さこう眼科2

一つは視力を矯正する方法で、眼鏡やコンタクトレンズがあります。できるだけ眼鏡はかけさせたくないという声もありますが、そのままにしておくと3ヵ月から半年でどんどん視力低下が進むことも。まずは何らかの方法で視力を矯正しながら、進行を防ぎ、改善をめざす方法を取ることになります。スポーツやバレエなどをしている子は、普段は眼鏡を使いつつ、競技中だけ1日使い捨てタイプのコンタクトレンズを使うという方法もあります。視力矯正と合わせて、特別なコンタクトレンズを夜のみ装着するオルソケラトロジーなどの視力補正を図る治療を行うことが多くなっています。もちろん、「集中して見るスマホやゲーム機などは、30センチ以上離して、30分以内に限る」といった生活上の指導も合わせて行います。

検査・治療機器の充実により、患者負担の軽減をめざす

子どもの視力では早期の対応が大切なのですね。

酒匂丈裕院長 さこう眼科3

はい。近視だけでなく、弱視でも早期発見・早期治療が鍵です。視力の発達する生後間もなくから8歳ぐらいまでの間に強い屈折異常などがあると、視力が悪い状態のまま発達が止まってしまいます。これを弱視といいます。眼鏡をかけると、1.0まで見える場合は弱視とはいいません。視力が0.9や0.8でも日常生活で困ることはありませんが、8歳を過ぎると治療・訓練を行っても、視力を1.0以上に発達させることが難しくなります。つまりこの時期を逃すと、視力の発達は生涯見込めないということです。だからこそ、弱視はできるだけ早く見つけて、視力を1.0まで上げることが大事なので、3〜4歳になったら一度視力検査を受けることをお勧めします。

大人の患者さんの相談はどのようなものが多いですか?

新型感染症の流行による業務のリモート化に伴い、近視が進行したり眼精疲労が慢性化したりするケースが増えています。受診される働き世代の方では「リモートで……」というのが枕詞のようになっていますね。とはいえ、PC作業はもはやなくてはならない時代。皆さんPC用の眼鏡をつくったり、目の周りを温めることで血流を促進したり、サプリメントを取り入れたりと工夫しながら付き合っていらっしゃるようです。眼底疾患では、当院では白内障より緑内障のほうが多い印象です。緑内障は失明の原因第1位であることも認知され、健診などでリスクを指摘されて受診される方が増えています。進行を食い止めるには、できるだけ早く見つけて早く治療することが重要です。自覚症状はないことがほとんどですから、気がかりがあれば早めの受診をお勧めします。

検査機器や治療機器も充実していらっしゃるとか。

酒匂丈裕院長 さこう眼科4

検査機器の性能は、検査の正確さや時間短縮などの部分で、患者さんの負担軽減に直結しますので、大学病院レベルの機器をそろえています。わずか1秒ほどの撮影で視神経や網膜の状態までつぶさにわかる新型OCT(光干渉断層計)は、先ほどお話しした緑内障の早期発見に有用です。また、視野計や角膜形状/屈折力解析装置、目の屈折や角膜のカーブを測るレフラクト・ケラト・トノメータなども新鋭のものを導入しています。治療では、レーザー光凝固装置を導入し、網膜剥離や網膜裂孔の日帰り手術に活用しています。タブレット型弱視訓練器も導入しており、ゲーム感覚で楽しみながら訓練を続けていただけます。

早期発見・治療が重要。小さな気がかりもまずは相談を

診療の際に心がけていらっしゃることは何ですか?

酒匂丈裕院長 さこう眼科5

「ここに来て良かった」と笑顔で帰っていただきたいので、患者さんの不安や心配が完全になくなるまで、とことん向き合う診療を心がけています。症状があると、「自分は病気なのかもしれない」と心配になりますし、万が一病気だった場合は、いつ、どこで、どんな治療を受ければいいのか不安でいっぱいになるでしょう。心配や不安の度合いは患者さんによって違いますし、知りたいことも変わってくると思いますので、まずは患者さんとのコミュニケーションを大切にし、会話のキャッチボールができる医師でありたいといつも思っています。小さなお子さんを診るときには、できるだけ泣かれずに診療できるよう努力しています。その点では子育ての経験も役立っていると感じます。

休日の息抜きに楽しんでいらっしゃることはありますか?

小学生の息子と娘がおり、休日は公園でキャッチボールをするなど一緒の時間を楽しんでいます。普段は現代っ子らしく、ゲーム機などの画面に向き合っている時間が長いため、視力低下が心配です。子を持つ親として、「あの時やっておけば……」という後悔だけは避けたい、という親御さんの気持ちも心から理解できますね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

酒匂丈裕院長 さこう眼科6

お子さんの近視について、もっと関心を持っていただきたい。そして、少しでも多くの子に適切な治療を届けられるよう、尽力していきたいと思っています。遺伝的な要素が一因とされる近視ですが、近年ここまで増加しているのはやはり環境要因も大きく関わっているはずです。幼い頃からデジタルデバイスとの上手な付き合い方を身につけていけると良いですね。お子さんが近視になると「自分のせいだ」「あの時こうしていれば」などと悩む親御さんも多くいらっしゃいます。しかし、一緒に暮らしていても、子どもの視力低下に早くに気づくことは難しいものです。近年はエビデンスのある視力矯正治療も登場しています。まずは小さな気がかりでも受診していただき、積極的に治療を受けていただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

オルソケラトロジー/両眼14万3000円~、片眼8万8000円~

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