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石井 千春 院長の独自取材記事

いしい外科

(世田谷区/新代田駅)

最終更新日:2024/12/09

石井千春院長 いしい外科 main

京王井の頭線・新代田駅から徒歩7分。環七通り沿いの住宅地の中にある「いしい外科」。明るくはきはきとした口調で親しみやすい印象の石井千春院長は、東京女子医科大学病院で勤務医として働きながら研究に従事した後、2013年に父が開業した同院を2015年4月に引き継いだ。以来、専門の整形外科にこだわらない「町のかかりつけ医」として幅広い診療に対応。地域医療に貢献するべく尽力している。「町のかかりつけ医としての役割をしっかり果たしていきたい」と語る石井院長に、女性ならではの視点も含め、患者との信頼関係を築くことの大切さや今後の展望など、さまざまな話を聞かせてもらった。

(取材日2024年9月12日)

患者に活力を与えられる医師をめざし、臨床に邁進

医師をめざしたきっかけを教えてください。

石井千春院長 いしい外科1

医師である父の仕事を幼少の頃から見ていたこと、そして親戚にも医師が多かったことがあり、「医業」という仕事が身近な環境でした。しかし、自然と進路が決まったわけでもなく、当初は医師の他にも生物学系の研究職や獣医師などにも興味を持っていました。将来を考えた時に「自立できる仕事」に就きたいという想いがあり、これをかなえるための要素として「自分にとってやりがいはあるか」「ずっと続けていけるか」を中心に、他の方々のご意見も参考にした結果、最終的に医学部へ進む道を取りました。

さまざまな専門の中でどうして整形外科を選んだのでしょうか?

医学生の時に「高齢化対策医療」の先進国ともいわれるスウェーデンに短期留学する機会がありました。そこでたまたま整形外科へ配属となり、手技を含めたさまざまな技術で治療を行う現場を目の当たりにしたこと、また幅広い年齢層の方々の症例について学べたことが、整形外科志望のきっかけの一つになったと思います。その中でも大きな印象として残っているのが、車いすで受診されているご婦人の生き生きとした表情です。バリアフリー設備でも先進的な国において、暗い表情でなく活力をもって治療に向き合っている様子に衝撃を受けました。この分野ではまだまだ日本は遅れていますが、自分が整形外科の医師として患者さんに活力を与えることができるのではないかと考えた際、この環境が自分の想いと合致していると感じたことが最大の理由です。手先を使うことも好きなので父と同じ外科も考えたのですが、整形外科を専門にすることに決めました。

大学卒業後から開業医になるまでにどのような経験を積まれたのですか?

石井千春院長 いしい外科2

東京女子医科大学の整形外科に入局し、大学病院や関連病院で勤務医として臨床経験を重ねてきました。加えて、手術や外来診療の合間に、骨と腎臓に関係する骨粗しょう症に関することや、脊椎外科に関することの研究も行ってきました。日本整形外科学会整形外科専門医となった傍らで、自分の知識と世界を広げるために分野を超え、病理学などの基礎医学や内科・皮膚科・麻酔科など幅広い分野に目を向けて複合的な視点から診療を行えるよう、さまざまな研鑽を積んできました。特に骨粗しょう症の分野に取り組んでおり、それらの経験を生かして当院では、骨粗しょう症の方の血液検査、投薬治療、経過観察などに対応しています。必要に応じて専門のクリニックにつなぎ、症状が落ち着いたら当院に通っていただくなど、臨機応変に患者さんをサポートすることも可能です。

「病気を診ずして人を診よ」をモットーに

お父さまが開業されたクリニックを引き継いだそうですね。

石井千春院長 いしい外科3

はい。父はもともと別の場所で開業医をしていたのですが、その医院は弟に継がせ、2013年に新たにこの医院を開業しました。私は父が続けていくと思っていたのですが、実は父の中では故郷の福島での開業の夢が強くあったようで、2015年の4月にここを私に任せたいと言われまして……。ちょうど大学病院での研究が面白くなってきたところでしたので、最初は少し悩みました。ただ、子どもが欲しいと思っていたこともあり、激務の大学病院から環境を変える相談を教授にしたところ、「研究は開業医をしながらでも続けられる。良い機会だ」と背中を押していただきました。何より父の想いをかなえたいという気持ちもあり、当院を引き継ぐことに決めました。

引き継がれてから年月がたち、クリニックはどのように変化したとお感じになりますか?

専門の外科のみならず何でも引き受けて診療していた父のスタンスを大切に、私も専門分野の整形外科のみならず、患者さん一人ひとりのさまざまな不調や悩みに対応してきました。近年「○○専門のクリニック」などクリニックの専門性が高まる中、時代に逆行するような当院ではありますが、高齢の方を中心に、多岐にわたる症状を気軽に相談できる「町のかかりつけ医」としての裾野が徐々に広がってきた印象はあります。「先日は高血圧のことで来ていたのですが、今回は別のことを相談できますか?」という患者さん、「私ではないのですが、こんな症状に悩んでいる人がいるので相談させてもらっていいですか?」という患者さんなど、つながりがつながりを呼ぶように当院を訪れてくださる機会が増えてきました。「石井先生に相談すればなんとかなる」と思っていただけるのはうれしいですね。

診療時に心がけていることは何ですか?

石井千春院長 いしい外科4

私の座右の銘にさせていただいている恩師の言葉に「病気を診ずして人を診よ」がありました。これは「広い視野で患者を診よ」という意味です。まさに大切なことは患者さんとのコミュニケーションだと考えています。何げない会話の中でのキーワードが診断のきっかけや適切な治療につながることもあります。信頼を得ることでぐっと距離を縮めていただき、ちょっとした不調も相談していただけるような、地域に根差した存在でありたいと思って診療に臨んでいます。

相手の目を見ながらはきはきと明るい口調の先生だからこそ、皆さんが相談したくなるのですね。

ありがとうございます。「医者」と「患者」の垣根を超えて向き合うことを考えると、アイコンタクトはとても大切だと思います。また、私は子育て中の母親でもあるので、お母さん世代の患者さんのお話も聞きやすいですね。お子さんのケガなどにも対応していますが、最初診察室に入ってきたときは緊張した面持ちのお子さんも、だんだん表情が和らいできます。お母さんから、「ここだと子どもが怖がらずに連れてくることができます」と言われたこともあります。最近は、地域の方だけでなく、この沿線にお住まいで少し遠方の方もいらっしゃるようになりました。

開業医として地域医療に貢献

院内処方をされているのですね。

石井千春院長 いしい外科5

そうですね。実際は薬の在庫管理などが大変ではありますが、父の代からのスタイルでもありますし、患者さんのメリットを優先した結果です。処方箋を発行することでの余分な金銭的負担を減らせることと、受診後また別の機関に行くというのも高齢の方にとっては負担となりますので、喜んでいただけるかなと。薬剤師は実母が担当しています。

休日には何をして過ごしていますか?

体を動かすことが好きで、フラダンスをしています。友達に誘われて始めたのですが、心身ともに癒やされはまってしまい、16年くらい続いています。フラダンスは整形外科の視点から見ても、体幹が鍛えられ、転びにくくなるんですよ。手芸も好きで、リボンや毛糸などを使って花や葉を表現するリボンレイを作ったりもしています。また、子どもが小学生になり、野球好きの夫の影響で家族でプロ野球観戦に行くようにもなりました。応援で大きな声を出しているうちに、声量もアップしました(笑)。

読者へメッセージをお願いします。

石井千春院長 いしい外科6

父から当院を引き継いでもうすぐ10年。少しずつ地域の方々が「かかりつけ医」として認めてくださっていると感じられるようになり、本当にありがたく思っております。この地域ではちょっとしたケガの際に相談できる医院が意外と少ないので、お困りの際はお気軽に相談いただきたいと思っております。また、同時にいろいろな部位の痛みや不調でお悩みで、どこにかかれば良いか迷ったときにもぜひご相談ください。デリケートゾーンのお悩みなど、女性医師ならではの、理解できることなどもあると思います。大きな病院に行く前に診察することで適切な橋渡しをさせていただくことも可能です。これからも、ご自身のみならずお子さんやご家族のお体に関する心配事などを気楽に相談していただけるように、開業医として、地域医療に貢献したいと思っています。

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