池田 春樹 理事長の独自取材記事
平和台ファミリー歯科
(練馬区/平和台駅)
最終更新日:2022/02/21

東京メトロ有楽町線・副都心線平和台駅より徒歩5分、2014年6月に開業した「平和台ファミリー歯科」。2020年に内装をリニューアルした清潔感あふれる院内では、理事長の池田春樹先生が質にこだわった予防と医療に力を注いでいる。開院当初は池田理事長が得意とする治療をメインに行っていたが、近年は予防歯科をより重視するようになったとか。「当院は『痛くなったときに通う歯科医院』ではなく、『生涯を自分の歯でいられるために、本気で予防に取り組む歯科医院』をめざしています」と穏やかに語る池田理事長に、予防歯科に力を入れるようになった背景や、今後の展望などを語ってもらった。
(再取材日2021年6月1日)
客観的事実に基づき、予防歯科の重要性を伝えていく
近年、予防歯科に注力しているとお聞きしました。

そうなんです。一般的に歯科医院といえば治療がメインで、「痛くなったときだけに通うところ」という認識をお持ちの方も少なくありません。もともと僕自身も治療がすごく好きでした。例えば、歯並びが悪く虫歯や歯周病もあるような多くの問題を抱えたお口の中を一から再建していくような治療が得意なんです。最近では治療の技術も格段にレベルアップしてきたと自負していますが、これからは予防歯科もより重視していきたいなと。そのきっかけは、副院長である妻です。妻からの誘いで、予防歯科のパイオニア的な存在である山形にいらっしゃる先生のもとで学ぶ機会を頂き、予防歯科の重要性を実感したからです。
歯の健康寿命を伸ばすためには予防歯科が大切なのですね。
予防歯科が普及しているスウェーデンでは、歯の健康寿命が長く生涯自分の歯を保っている方が多いです。しかし、日本人にとっては「歯医者に行くのは、歯が痛くなってから」という考え方が大きく、予防歯科の重要性はそれほど浸透していません。「虫歯をすぐ治してほしい」という考えの患者さんがほとんどだと思いますが、これでは根本的な解決にはならないなと。例えば脳や心臓の手術が必要なとき、いきなり手術を行うことはありませんよね。まずは体の健康状態やリスクを把握した上で、治療や手術の方針を立てます。これは、お口の中に関しても同じです。しっかり検査を行い、虫歯や歯周病のリスクなどを把握した上で治療を行ったほうが、後々良い結果につながりやすくなります。予防歯科の重要性を学んだことで、治療だけを行うのではなく予防も意識するようになりました。
虫歯や歯周病の予防と再発防止に重きを置いた診療スタイルに取り組まれていますね。

2018年からMTM(メディカル・トリートメント・モデル)という虫歯や歯周病の予防と再発防止に重きを置いた診療スタイルを取り入れています。予防歯科では虫歯や歯周病などのリスクを数値化し、評価することができるんです。つまり、客観的事実に基づき治療を進めることが可能です。そのため、初診時にまずは90分ほどかけてリスクの確認を行っています。身長や体重、血圧の測定から、唾液検査やエックス線検査など口腔内の検査、口腔内スキャナーにより噛み合わせのチェックなど、あらゆる側面から体や口の状態をチェックします。さらに、次の診療ではコンサルテーションを行い、歯科医師と歯科衛生士が患者さんとそれぞれ30分ずつお話しする機会を設けています。虫歯や歯周病のリスクの有無、食生活や生活習慣のこと、日本の歯科の現状など、さまざまなことをお伝えし、患者さんに理解を深めていただけるように努めています。
本気で歯の健康をめざしたいと思えるクリニックに
患者さんの層について教えてください。

2008年より地下鉄2路線が利用可能になったことから、近年は働き盛りの若い世代の方が多く引っ越して来られたように感じています。さらに、口腔ケアへの意識が高い方が増えたかなと。開業当初は痛い時だけ受診されるような患者さんがほとんどでしたが、今では「家族みんなで歯を大事にしたい」と考えておられる患者さんも多くなりました。ご自身の子どもの頃に歯の治療で後悔されており、「子どもに同じ思いをさせたくない」と思っているようです。「本気で歯の健康をめざしたい」という地域の方々にお越しいただいています。ちなみに、以前勤務していた病院も近いため、土地勘があるこの地で地域医療に貢献したいという思いも強いんです。以前はそんなご家族向けに「歯医者さん体験」などのイベントも開催していました。社会情勢が落ち着いたら、また行いたいですね。
患者さんとともに治療の方針やゴールを決めていると伺いました。
患者さんとのコミュニケーションを重視し、初診での検査やコンサルテーションを通して、患者さんとともに治療の方針やゴールを決めるように努めています。そして、納得いただいてから治療を始めるようにしています。当院ではいきなり治療に取りかかることはないため、中にはピンとこない患者さんもいらっしゃいます。しかし、いずれは根本的に治療することの大切さを理解してもらえるタイミングがあるはずだと信じています。もちろん、痛みが激しい場合など必要に応じて治療を行った上でリスク検査などに取りかかることもあります。患者さん一人ひとりにしっかり寄り添う診療を大切にしていきたいと考えています。
特に得意な治療は、マイクロスコープを使って行う根管治療だそうですね。

はい。患者さんの症状に応じて、マイクロスコープを見ながら歯の一部を切断して取り除き、歯根周囲の病変も取り除く歯根端手術も得意としています。根管治療は最初の治療がとても重要なので、当院ではラバーダムというゴムのマスクを装着して行い、強い薬剤などから口腔内を保護しながら治療を進めていきます。また、私は開業前までインプラント治療を専門的に行う歯科医院に勤務しており、さまざまな臨床経験を積んできました。当院でもCTでシミュレーションをして治療を進めています。ただ、インプラント治療は数ある歯科治療の中の一つです。メリットもデメリットもありますので、事前にしっかり検査をした上で、インプラント治療が適切だと思われる場合のみ対応させていただいています。
現在は歯列矯正も実施しているのですか?
現在月に1度、非常勤の矯正専門の歯科医師による診療を実施しています。私自身も2016年から矯正の勉強をはじめ、透明のマウスピース型装置を用いた矯正を行っています。矯正は、1本だけを動かせば良いのか、全部動かしたほうが良いのか、患者さんによって異なるものです。そのため、その方に合わせたベストな治療を提供していきたいと思っています。
「地域で患者さんを見守りたい」と医科歯科連携を強化
先生が歯科医師をめざした理由は?

影響を受けた人が2人いまして、1人は叔父です。叔父が歯科医師で、小学校高学年の頃に診療風景を見学させてもらい、興味を持ちました。自分も細かい作業が得意で好きでしたので。もう1人は最初に勤務させていただいた歯科医院の先生です。先生の「口全体を診て、総合的な見地から口の中を全体的に良くしていく」という考え方に感銘を受けました。卒後2年目に歯科医院を一つ任せていただいたのですが、診療後に毎日仕事やプライベートの相談に乗っていただき、たいへんお世話になりました。この方々のおかげで、今の私があると思っています。
スタッフさん同士のチームワークについてお聞かせください。
開業以来、紆余曲折を重ねながら、歯科医院としてめざす目標が明確になってきたことを実感しています。先ほども申し上げましたが、私たちの目標は、一人ひとりの患者さんが生涯自分の歯を保てるサポートをしていくことです。そのために、スタッフ全員で予防歯科をはじめさまざまな分野の勉強会に参加し研鑽を重ねています。楽しく明るい雰囲気の中、お互いが協力し合いながら診療に対応していることも、当院の大きな特徴の一つだと自負しています。
同級生医師の言葉「医療機関で定期的に通えるのは歯科医院だけ」に共感したそうですね。

医科歯科連携を強化し、口腔内の健康を全身の健康につなげていきたいと思っています。以前、同級生の医師から「医療機関で定期的に通えるのは歯科医院だけ」と言われたんです。歯科医院は予防でも通えますから。だからこそ、歯科医院がメンテナンスの際に血圧や糖尿、血糖値などの数値も把握しておけば、異常がある場合にすぐに内科を紹介できるかなと。逆に、内科の医師から「この患者さんは口腔内の炎症が強いから診てください」と依頼を受けることもあります。今後も連携を強化し、患者さんの健康を見守っていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円〜、歯列矯正/69万3000円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/99万円、根管治療/8万8000円~13万2000円、唾液検査/3300円
※症例によって費用が異なる場合がございます。詳細はクリニックにお問い合わせください。