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吉田 啓 院長の独自取材記事

ひらくクリニック

(世田谷区/仙川駅)

最終更新日:2021/10/12

吉田啓院長 ひらくクリニック main

上祖師谷の住宅街にある「ひらくクリニック」。一般内科のほか、日帰りシャント手術を行うクリニックとして開業したが、患者のニーズを受けて透析施設もつくり、2018年にリニューアルオープンした。院長の吉田啓(ひらく)先生は、東京慈恵医科大学附属病院で腎臓・高血圧内科に17年間勤務したベテランドクター。腎臓病や透析のほか、一般内科、検診にも力を入れている。特に検診の受診率が低いことを問題視し「大規模病院なら時間がかかるが、小規模のクリニックなら検診も短時間で受けられる。検診を受けやすい環境をつくるのは開業医の務めだ」と考えたことも開業に至った理由の一つだ。一人ひとりの患者と濃い密度で接することをモットーとする吉田院長に話を聞いた。

(取材日2018年6月21日)

透析施設をつくりリニューアルオープン

透析施設をつくられた経緯を教えてください。

吉田啓院長 ひらくクリニック1

当院は日帰りシャント手術をするクリニックとして開業したのですが、患者さんから「ここで透析をしてくれたら便利だ」というお声を多くいただいていたのです。仙川駅周辺には透析ができる施設がなかったこともあり、ニーズを受けて透析施設をつくりました。最大50床までベッドが入る広さがあり、ご高齢の方が多いので、車いすで移動できるようにバリアフリ―にしています。また、ストレッチャーの方も受け入れられるように、ストレッチャーを動かせる広さを確保しました。透析患者の平均年齢は75歳くらいです。ご高齢の方はベッドで透析を受けるほうが楽なので、透析室の大半をベッドにしています。

透析施設をつくられたことで、クリニックの規模も大きくなりましたね。

スタッフも増え、新たに2名の医師が診療に加わりました。1名が糖尿病内科の医師で、外来を担当しています。もう1名が透析室専任です。どちらの医師も女性で接し方が丁寧なので、患者さんから喜ばれ、慕われています。また、透析患者を診るために私の外来の枠を減らしました。規模が大きくなったことで患者さんは増えたのですが、私が患者さん一人ひとりに関わる時間が少し減ってしまいました。それで信頼が失われることがないようにと心がけています。少ない時間の中でも、患者さんに安心感を与えるように接し、密度の濃い時間を共有できればと思っています。

日帰りのシャント手術ができるのはとても珍しく感じます。

吉田啓院長 ひらくクリニック2

当院は午前に一般内科の診療、午後に日帰りシャント手術を行うというスタイルをとっています。シャント手術を日帰りでできる施設は東京都内でもまだ少ないんです。通常1〜2週間の入院が必要なので、その分費用がかかりますし、入院して手術をするとご高齢の方は足腰が弱ってしまいます。少しの入院で生活の質が落ちてしまうのです。できれば入院せず、普段の生活のまま手術できたほうが理想的だと考えていました。入院になってしまうのは、シャント手術の手術枠が非常に少ないためですね。病院勤務の時からずっとその点を問題視していまして、それを解消したいという思いがあり、開業したんです。それが患者さんからのニーズで透析施設もつくることになり、規模が大きくなりました。

いつでも患者を気にかけ、こまめにカルテをチェック

なぜ内科、特に腎臓内科を専門に選んだのですか?

吉田啓院長 ひらくクリニック3

範囲の広い内科ですが、中でも腎臓内科は血管をつなぐシャント手術や、カテーテルによる血管内手術もあり、極めて外科寄りなんですね。そこに魅力とやりがいを感じました。さらに内科の医師には患者さんへの精神的なフォロー、「自ら治療に向き合おうという気持ちにさせる」という役割もあると感じています。多くの患者さんに、自分の病状を受け入れたくないという気持ちがあります。血圧が高いと言われても、「一生薬を飲むのはまっぴらだ」と治療を拒否してしまう場合もあります。そういう方にはある程度危機感を持ってもらった上で、「こうすれば良くなって、薬も減らせますよ」と方向づけをし、前向きな気持ちにさせる。そうして治療や予防に向けた動機づけをします。積極的な方はやはり成果も違いますからね。

リニューアルしクリニックが大きくなったことで、心境の変化はありましたか。

今後患者さんが増えると、患者さん一人にかける時間が少なくなってしまいます。それが心配なんです。外来の患者さんももちろんそうなのですが、私が透析患者さんに会えるのは金曜と土曜しかありません。私自身としては、皆さんにもっとじっくり接したいんです。ですので、患者さんのカルテはどこにいても見られるようにし、外来診療をしていても透析を受けている患者さんの様子を見に行くなど、なるべく患者さんと接するように努力しています。

透析に力を入れているという印象がありますが、一般内科ではどのような患者さんが来院されていますか?

透析施設をつくったので、透析専門のクリニックというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。当院の診療科目には一般内科もあり、風邪や高血圧、糖尿病など生活習慣病などの患者さんも、もちろん診ています。半数以上の患者さんが一般内科で受診されていますよ。内科系で調子が悪い方も、気軽に来院していただければと思います。また、世田谷区の検診も、当院で受けていただけます。

診療の際に心がけていることを教えてください。

吉田啓院長 ひらくクリニック4

患者さんは病気のことを理解するのが難しいので、簡単な言葉を使ったりご自身の状態がわかりやすいような検査を受けていただき、納得できるように説明しています。例えば高血圧と診断され、治療が必要だと言われても、本人に自覚症状がなければなかなか受け入れられません。そんなときはエコーを使った血管年齢測定を行い血管の老化の程度を診断することで、治療の必要性を理解していただいています。予防をすれば大きな病気を防げる可能性が高くなります。そして、予防の成果は少しの心がけでも変わります。そういったことをご自身で自覚していただけるようお話しし、その方に合ったアプローチをアドバイスしています。ご本人に「できることから始めていただく」というのが、当院のスタンスです。患者さんの頑張りや変化にいち早く気づいて、褒めて差し上げるのも私の役目。何と言っても、患者さんのモチベーションが最優先ですからね。

30分で検診が可能。多くの人に検診を受けてほしい

休日の過ごし方を教えてください。

吉田啓院長 ひらくクリニック5

とにかく体を動かしています。子どもの頃から運動が大好きなんですよ。中学校からずっとサッカーをしていて、今はフットサルのチームに入っています。チームの都合もあるので毎週ゲームをするわけにはいきませんから、ゲームのない日はジョギングをしたりしていますね。健康のためにも適度な運動は必要だと思って続けています。お気に入りのチームの試合を観戦するのも楽しみです。

病気の予防に関してアドバイスはありますか?

病気の予防には食事と運動が大事です。食生活を改善したら病気が治ったということは珍しくありません。もちろん最初の頃は薬の力も必要です。皆さんの中には「薬は1度飲み始めたらずっと続けなければならない」という意識があるでしょう。しかし、やめることもできるということを知っていただきたい。もし既に生活習慣病になってしまった場合でも、早期であれば食生活を見直し、意識を変えて生活することで、投薬を極力抑えた無理のない治療が可能です。外食が多い人はスープは半分残す、運動が苦手でもウォーキングだけはするなど、実現可能な目標を持つことが大事で、この小さな達成感こそが長続きのこつです。意識を変えて良い生活を送ることで、病気を予防することは可能なんですよ。

読者の方へメッセージをお願いします。

吉田啓院長 ひらくクリニック6

当院では世田谷区の検診を受けられます。しかし、区の検診を受けている方は半数から6割程度らしいのです。病気を早く見つけるチャンスがあるのに、半数の人はそのチャンスを逃していることになります。当院には胃カメラがありますが、それは当院でも検診が受けられるようにし、検診を受けてほしいという思いからなんです。検診は時間がかかると思われているかもしれませんが、ここでは30分くらいで終わります。例えば、腎臓は悪くなってもなかなか症状が出ません。腎臓の症状が出てくるのは末期になってからですが、症状が出てもわかりにくいのです。しかし採血と尿検査を受けるだけで、腎臓が健康なのか問題があるのかをチェックすることができます。そういう面からも、検診はとても大切です。1年から2年に1度は、検診を受けてチェックしていただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

世田谷区の検診(胃内視鏡検査)/1500円

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