片山明彦院長の独自取材記事

稲毛デンタルクリニック

(千葉市稲毛区／稲毛駅)

最終更新日：2024/07/05

稲毛駅西口から徒歩30秒とアクセス抜群の立地に構える「稲毛デンタルクリニック」を訪ねた。2007年の開業以来、地域に根差した歯科医院でありながら、歯周病やインプラント治療、根管治療などの専門的な治療を数多く手がけ、幅広い世代の患者が訪れている。2021年には現在の場所に移転し、3フロアからなる診療空間に拡張。個室あるいは半個室のユニットで、メンテナンスや定期検診、難症例の治療などに、ゆったりとリラックスして診療を受けられる環境が整っている。歯周病やインプラント治療のエキスパートである片山明彦院長に、診療方針や治療の際に心がけていること、同院ならではのチーム医療体制などについて、話を聞いた。

（取材日2024年5月14日）

3フロアで専門的な治療やメンテナンスを提供
2つのクリニックで連携し、患者のメリットにつなげる
生涯自分の歯で噛める快適な生活を支えたい

3フロアで専門的な治療やメンテナンスを提供

なぜこの場所で開業されたのですか？

私は開業前、東京歯科大学の歯周病学講座に勤めていましたから、このあたりには担当していた患者さんも多くお住まいなんです。また大学も稲毛のキャンパスに通っていたので、ここは私自身にとってもなじみ深い街なんです。住宅街で緑も多く、海も近い、本当にすてきな環境ですよね。開業から早いもので17年。このエリアにお住まいの方は歯科に対する意識が高く、当院にも小さいお子さんからご年配の方まで、幅広い世代の方が来院されています。近隣にお住まいの方はもちろんですが、他院からのご紹介、インターネットの情報で当院を知って来院される方など、千葉県全域から来ていただいています。

診療室が3フロアにわたって配置されているそうですね。

はい。開業当初は1フロアで、ユニット6台で対応していたのですが、移転を機に計10台に増設しました。1階には主にご高齢の患者さんやメンテナンスの患者さんをご案内し、2階はマイクロスコープを備えていますから、根管治療や歯周組織再生療法などの専門性を要する治療を中心に手がけています。そして、3階には手術室と技工室があります。技工室には2人の歯科技工士が常駐し、先進のミリングマシンなどを駆使して補綴物を作製しています。技工のプロセスまで当院の中で完結できる態勢が整っている点が、当院の強みの一つでもあります。

こちらには各分野の専門家がそろっているそうですね。

私は日本歯周病学会歯周病専門医ですし、院内には補綴や矯正、根管治療などさまざまな分野を専門とする歯科医師が在籍しています。ですから一人の患者さんに対して、多方面から治療を提供することができます。また在籍する12人の歯科衛生士の中には、特に専門的に学んできたスタッフいますので、歯周病治療や予防においても専門知識を踏まえたアドバイスが可能です。こうした各分野に精通した歯科医師やスタッフがチームを組み、一つの治療体系として幅広い治療に対応できることが、当院の大きな特徴だと思っています。私が慶應義塾大学医学部の非常勤講師と東京歯科大学の臨床准教授を務めているご縁もあり、必要に応じて双方の関連病院に紹介するケースもあります。これまでの経験の中で得た人脈も生かしつつ、患者さんにとってより良い医療の提供に努めています。

2つのクリニックで連携し、患者のメリットにつなげる

こちらにはどのような主訴で来られる患者さんが多いのでしょうか？

当院にいらっしゃる患者さんは年齢層も幅広い上に、主訴もさまざまですが、どの患者さんにも共通してある思いは「歯を残したい」ということ。その次に多いのは審美的な面の訴えなので、その双方を融合させながら、歯周病や審美歯科、インプラント治療、矯正歯科など、各分野の専門家による総合的な診療を提供するように心がけています。私はインプラント治療を専門に手がけている立場ですが、実際のところ、インプラントが患者さんご自身の天然歯に勝ることはありません。自分の歯で噛めるならそれがベストなんです。インプラントや入れ歯、ブリッジはあくまでもその次の手段、オプションとしてあるものだと考えています。

こちらの他に、有楽町にも歯科クリニックを構えられていますね。

はい。稲毛と有楽町双方を行き来しながら診療にあたっています。この近辺から都内に通勤されている方も大勢いらっしゃいますから、初回はこちらを受診したものの、帰宅時間が遅くなりがちで通院が難しいビジネスパーソンは、勤務先に近い有楽町のクリニックで私の診療を受けていただけたらと思っています。お子さんは当院に、親御さんはお勤め先に近い有楽町へ通うといった、ご家族それぞれのライフスタイルに合わせた利用をしていただけるとうれしいですね。当院と有楽町のクリニックとで緊密に連携を取りながら、更なるレベルアップを図るための定期的な勉強会などにも積極的に取り組みたいです。

診療にあたっての先生のモットーをお聞かせください。

まずは、きちんとした診査・診断を大切にし、それを踏まえて患者さんと詳細なディスカッションすることを大事にしています。患者さんが求めるものは一人ひとり違いますからね。口の中の状況はもちろんのこと、お仕事の都合など治療にあたっての時間的な制約や経済的な側面など、個々の患者さんのご事情を踏まえて治療計画を立てていく必要があります。さらに、その方が何を望んでいるかを対話を通じて見極めながら、10年、20年、人によっては30年先もご自身の歯で噛めるようにすることを常に意識しています。とりわけ歯周病の治療においては、全身疾患の有無や生活習慣にも注視する必要があります。全身疾患が特にない場合はノーマルな歯周病治療で問題ありませんが、既に糖尿病や動脈硬化症などがある場合、もしくはその疑いがある患者さんに対しては、大学病院などと連携し、全身状態を踏まえたトータルな治療を施していくことになります。

生涯自分の歯で噛める快適な生活を支えたい

先生が歯科医師を志したきっかけをお聞かせください。

実は、私は医師の家系の生まれで、身内で歯科医師になったのは私が初めてなんです。父は精神科の医師で、祖父母も医療機関を営んでいましたから、小さい頃から医療が身近なところにあり、人を治療するという行為に対してやはり特別な思いで見ていました。医科ではなく歯科の道を選んだのは、医療の中でも最もダイレクトに健康に関わる分野ではないかと感じたことがきっかけでした。口は、食べ物を体に取り込む入り口であり、その反面病気の入り口ともなり得ます。そこから改善に導くことによって、より多くの人の健康に寄与することができるのではないかと考えたんです。

日々の診療では、どんな時にやりがいを感じられますか？

治療を終えた患者さんから「ここに来て良かった」と言われることが、何よりうれしいですね。この仕事はメンテナンスなども含め、一人ひとりの患者さんと長くお付き合いすることになります。特にご高齢の患者さんは、年齢を重ねるに従って糖尿病になったとか、透析治療を受けることになったとか、がんが見つかったとか、全身の健康にもさまざまな問題を抱えるようになってきます。気軽な外出もままならなくなってしまうと、食事だけが唯一の楽しみになる人も多くなるのではないでしょうか。そんな時にしっかりと噛んで食べられる歯があることは、心身ともにその人の支えになるだろうと思います。長く患者さんとおつき合いさせていただく歯科医師として、これからも患者さんの歯の健康や豊かな生活のためにまい進したいですね。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

今後も変わらず、来院してくださる患者さんたちの歯の健康を守り、地域医療により一層貢献していくことに尽きますね。そのために患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの歯科診療を提供し、一本一本の歯を大切に残すことができるよう努力していくつもりです。専門分野に関しては、歯周病の早期発見にこれまで以上に力を注ぎたいと思っています。虫歯に気づくことは簡単ですが、歯周病は初期段階ではなかなか気づけないので、成人の8割が罹患しているといわれています。そのまま放置されてしまうケースも非常に多く、気づいた時には歯がグラグラになってしまっている深刻な状態であるケースも少なくありません。早めに気づくことができるよう、ぜひ歯周病専門医のもとで定期的に検診を受けることをお勧めします。