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早苗 努 院長の独自取材記事

早苗クリニック

(横浜市鶴見区/京急鶴見駅)

最終更新日:2019/08/28

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源頼朝がツルを放ったことから名付けられたとされる鶴見。しかし地名研究によれば、「曲がりくねった河川周辺の土地」という意味でもあるらしい。京急鶴見駅から徒歩1分。医療機関が集まるメディカルビルの4階にこの10月、「早苗クリニック」が新たに開院した。それまで心臓血管外科を専門に手がけてきた院長の早苗努先生は、「全身管理こそが自分の原点」と、あえて一般診療を行う開業医の道を選択し、生活習慣病の治療を中心としたオールマイティーな治療体制を整えるに至った。そんな同院のモットーは、投薬による一時的な治療よりも、患者のライフサイクルそのものを治していくこと。「症状ではなく人を診るかかりつけ医として、地域に根ざしたい」と話す早苗先生に、開院直後の心境を伺ってみた。
(取材日2013年12月19日)

心臓手術の専門医からオールラウンダーへの転身

待合室ではサーフィンのビデオが流れているのですね。

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患者さんにくつろいでもらおうと、ゆったりとした雰囲気の映像を選びました。実は、趣味がサーフィンなのです。休日には、千葉や湘南方面に出かけますね。体を動かすことが好きなので、ホノルルマラソンにも参加し、時間があるときには、ジムのランニングマシンで汗を流しています。ジムといえば、有名な選手が指導している総合格闘技ジムにも通い始めています。当院では生活習慣病の指導もしていますからね、医師が不養生なようでは、患者さんも信頼してくれないのではないでしょうか。

どうして医師をめざすようになったのでしょう。

父親が歯科医師を開業していたので、小さい頃から後ろ姿を見ていましたし、その影響が大きかったのでしょう。人の役に立つ仕事がしたいなぁという意識は、小学生のときから持っていたように思います。しかし家を継いでくれという話は出なかったので、自分が興味を持った全身管理を学ぼうと、北里大学医学部へ進学することにしました。最終的には、心臓血管外科をめざすことになるのですが、勤務医時代はつらくて大変でした。心臓は急患が多く、日中の業務が終わってから通報を受けることが少なくありませんでした。夜遅くから準備をすると、オペが終わるのは明け方ですよね。そんな毎日が続き5日間以上家に帰れなかったこともあります。あの時の経験は忘れられませんね。

そのまま心臓外科医師を続けずに、開業に至った理由を教えてください。

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私がもともと興味を持っていたのは、「全身管理」です。そのため、このままプロフェッショナルとして心臓外科医を続けるか、それとも総合的医療を行う医師をめざすか、日々悩んでいました。それに、プロということは、逆に「それ以外、何も診ることができない」ということにつながりかねません。そのような思いもあり、幅広い科目を扱うべく、当院を開院することになりました。

治療の幅を広げるべく、医師の足りない種子島へ

スキルアップのために、取り組んだことはありますか?

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いろいろとありますが、あえて1つだけ挙げるとすれば、勉強をかねて鹿児島県にある種子島の公立病院に勤務したことでしょう。サーフィンをやっていたので、現地とはもともと交流がありました。待合室に飾ってある絵も、種子島在住のサーファー兼画家、松田大児さんの作品です。ちょうど独立を考えていた頃でしょうか、医師が足りないという話を地元の方々から耳にしまして、自ら志願して渡島することに決めたのです。種子島の病院というと、ドラマに出てくる離島の施設のようなイメージを持つ方も多いと思いますが、全くそんなことはありません。病床数も60ほどありましたし、建物もきれいだったことを思い出します。責任者の先生も自治医大の出身で、どのようなことにも広くて深い知見を寄せる、大変優れた方でした。

種子島の医院では、具体的にどのようなことを経験されたのですか?

わかりやすい例で言うと、マムシにかまれたとかね。日中なら専門の医師がいますが、私が当直のときに急患があると、全部ひとりで対応するしかないわけです。種子島含め離島では、対応できない急患はヘリコプターで本土まで搬送しますが、天候が悪ければヘリでの搬送ができない、あるいはヘリを待っている間に命を落とされた方も実際に経験し、離島医療ならではの難しさを感じました。種子島では常に対応力と経験が求めらますから、私には貴重な体験となりました。おそらく、研修医のレベルでは対応しきれないのではないでしょうか。また、意外と感じたのが、情報の広まり方ですね。島という閉じられた空間では、うわさが瞬く間に知れ渡ります。コンプライアンスというほどではありませんが、患者さんへの接し方や情報管理など、予期していなかった収穫もありました。

この場所で開院しようと決めたきっかけは、何だったのでしょう。

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種子島から戻った後は、神奈川県の寒川病院にお世話になりながら、同時に物件を探していました。そのような中、内科を探しているメディカルビルがあるというので、興味を持ったのです。この建物は、上の階には外科医院が入っていますし、下には精神化や皮膚科、それに調剤薬局もあります。イザというときに連携が取りやすく、患者さんの負担も少なくて済むでしょう。それに、後から知ったことですが、妙な縁も少なくありませんでした。例えば、上階の新田先生は北里大学の後輩です。ほかにも縁を感じるような偶然がいくつもあったので、「もう、ここまできたら、やるしかないな」と、まるで誘われているような感覚でこの場所を選ぶことになりました。
人の縁を身近に感じることができたのは嬉しかったですし、心強いですよね。鶴見という場所も人柄も温かくて開院してよかったと思っています。

患者ではなく人を診る、地域のかかつりけ医をめざして

独立して2ヶ月がたちましたが、どのような患者が来院するのでしょう?

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診療科目としては、内科・外科・循環器内科・心臓血管外科などですが、やはり多いのは生活習慣病の患者さんですね。健康診断で血圧などの異常が見つかり、来院されるようなケースです。そういえば、ちょうど開院した当日、ヘルニアを患った方がお見えになりました。専門医に見せた方が良いと判断したので紹介状を渡したのですが、それからというもの、事あるごとに報告のお手紙をいただきます。今後は、こうした地域とのつながりを、一層深めていきたいと感じています。

医院の特徴を挙げるとすれば、どのような点でしょう。

「白衣高血圧」という言葉をご存じでしょうか。普段はそうでもないのに、なぜか来院すると血圧が高くなってしまう症例です。当院では、白地に木調をアレンジした落ち着ける内装で、患者さんの緊張を解きほぐすようにしています。もちろん私も白衣は着用せずに、Yシャツで診療しています。治療面で気をつけているのは、あまり薬に頼りすぎないこと。特に生活習慣病の場合、ライフスタイルを変えていかないと、根本的な改善が望めない場合があります。したがって、日頃の食生活や運動の有無など、プライベートに関わることも時間をかけて聞いていきます。ときには患者さんの生き方にも接していくので、「人として話を聞いてもらえた」と喜ばれることも。やりがいを感じる瞬間です。

何かアドバイスがあればお願いします。

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大切なのは、「自分の体をよく知ること」なのではないでしょうか。いつもより疲れやすくなった、心臓がドキドキする、肩こりがひどくなってきた、頭が重い……こうした普段の生活の中で無視しがちな「?」を、見逃さないことが重要です。また、予兆を可視化するといった意味で、家庭用血圧計の常備をお勧めしています。自分で血圧手帳をつけていれば、「?」が一目瞭然ですよね。血圧計は、お近くのスポーツセンターなどにも置いてある場合があるので、上手に利用してみてはいかがでしょうか。どんなに小さな心配事でも構いませんので、お気軽に相談していただければ、必要に応じてアドバイスなどもいたします。「かかりつけ医」として患者さんの人生を支えていけるよう、禁煙外来などにも対応しながら、地域に根ざしていけたらいいですね。

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