岡崎 真大 院長の独自取材記事
岡崎歯科
(三鷹市/三鷹駅)
最終更新日:2024/11/15

「虫歯や歯周病治療後の再発の防止や新たな病気の発生を抑えるための“予防歯科”を最も大切にしています」と話すのは、三鷹駅から徒歩2分の「岡崎歯科」の岡崎真大院長。岡崎院長は口腔外科が専門だが、歯茎や舌、顎関節など全顎的に口の中を診て治療することを大事にしている。実績を重ねた高い外科技術に加え、納得して治療を進めてもらえるように、「車検」に例えて歯科検診の重要性を話すなどわかりやすい説明を心がけている岡崎院長にたっぷりと話を聞いた。
(取材日2016年3月24日/情報更新日2024年11月6日)
虫歯にならないために通うのが歯科医院
患者層を教えてください。

三鷹市は75歳以上の住民が多いエリアなのですが、若い方が多いのが当院の特長でしょう。お住まいは市内だけでなく、調布市など周辺地域の方もお越しいただいています。三鷹駅からはあちこちにバスが頻繁に出ていますから、会社帰りに歯の治療やメンテナンスを受けられるようです。診療内容は、親知らずの抜歯など口腔外科の処置が多いですね。また開業から4年たったので、虫歯・歯周病を予防するためのメンテナンスに通っていただける方も増えました。当院のメンテナンスでは生活習慣の改善を大事にしているのですが、これが歯周病を防ぐ、または悪化させない治療につながっていけばと思っています。また生活習慣が要因となりがちな顎関節症の治療も行っています。
その歯周病を防ぐためにも、こちらで力を入れている予防歯科が大切なのですね。
はい。歯を失う原因で最も多いのは、虫歯や外傷などではなく、圧倒的に歯周病なんですよ。そして一度歯周病になってしまったら、完治は非常に難しいと考えてください。最悪の場合は全身にまで悪影響を及ぼすこともあります。言い方が正しいかどうかはわかりませんが、がんにも匹敵するほど怖い病気だという意識を持っていただきたいですね。でも、日頃からきちんとした口腔内のケアを行っていれば、歯周病を防ぐことも可能ですし、歯周病になってしまったとしても悪化を防ぐことができるのです。ですから、とにかく歯科医院に通って、定期的にメンテナンスすることが何よりも大事。悪くなってからではなく、「悪くならないように通う」のです。そのために患者さんに意識改革を促すことも重視しています。
意識改革はどのように行うのですか?

よく「いつまでメンテナンスは続くんですか?」と聞かれるのですが、私は「車検はいつまで受けますか?」と尋ねます。事故を起こさないように車を定期的にチェックしてもらう。それと同じ感覚で歯科医院にも通ってほしいのです。すぐに理解していただくのは難しいでしょうから、そういった身近な例え話を出しながら少しずつわかっていただきたいと考えています。痛い思いをした人は予防に対する意識が高まるのですが、そうでない方はなかなか予防に対して意識が生まれにくいようなので、根気よく向き合っていきます。
患者の思いに耳を傾け、ゴールは提示する
心がけていることを教えてください。

自分に何ができるかではなく、患者さんが何を望んでいるかを聞くことから始めています。患者さんは歯科医師ではないので、治療のゴールについてはわかりません。ですからそこは私が提示しますよ。また治療では、「できるだけ削らない」ことを心がけています。歯に対して人の手を加えてしまったら、永遠と手を加え続けなければなりません。であれば、ちょっとした虫歯は削らず、定期的なメンテナンスとフッ素で進行を多少でも遅らせる努力をします。それは「なるべく残す」とは違います。歯周病管理の観点から見れば、普段のケアで細かいところまで歯ブラシが行き届くことが重要。歯を残すことに執着した結果、磨きにくい、もしくは手が入らないスペースを作ってしまったら何の意味もないんです。ですから「無理に残すことで新たなトラブルを生む」と判断した場合は、抜歯が有利な選択だと考えることもあります。
そうした判断ができるまで、どのような経験を積んでいらっしゃったのですか?
大学卒業後は大学病院の口腔外科で勤務しました。その後は大学院に進学して分子生物学を専攻し、大学院在学中に一般開業医の院長として8年間在籍していました。そこでは一般歯科治療はもちろん、口腔外科を中心とした急患対応や顎関節治療を行いました。歯科にはさまざまな専門分野がありますが、特に口腔外科、歯周病治療、根管治療に特化した診療体系づくりを行っています。その後に留学をし、ハーバード大学では審美・インプラントを、ペンシルバニア大学では歯周組織再生学について学びました。留学の目的は、海外では今何が注目されていて、どのような治療が行われているのか、また日本との医療に対する価値観の違いというものを自分の目で確かめることです。アメリカの教科書は翻訳されて日本で出版されるまで1年以上かかりますから、最新の情報を現地で学ぶことができたことはとても貴重な体験でしたね。
印象的な患者さんとのエピソードはありますか?

前に勤めていたクリニックの隣が、民間の病院でして、ある日入院されている方が入れ歯を作ってほしいとパジャマ姿で来られました。奥さまも付き添って来られて、話を伺うと旦那さまはすでにがんの末期だということでした。次に家に戻る頃にはもう最後かもしれないというのです。うなぎ屋のご主人で、最後に自分の歯でうなぎを食べたいという強い思いをお持ちでした。入れ歯は得意分野ではなかったのですが、そういう事情ならと心を込めて作らせていただきました。それからしばらくして奥さまが、「先生のおかげで……」とお礼を言うためだけにわざわざ来てくださったのです。私も気になっていたので、その言葉を聞いて安心すると同時に、最期にお役に立てたことがとてもうれしかったですね。
歯と体全体の関係を深く考えた歯科治療を追及
先生が歯科医師をめざしたきっかけは?

もともと、生物学的なものに興味があり、医学系の仕事に就きたいと考えていました。最終的に手先の器用さを生かせる歯科医師の道を選びましたが、専門を選ぶにあたり、歯だけを診て、ただ歯を削って詰めて終わりみたいな、いわゆる「歯大工」と思われるのは嫌だなと。「口腔」という器官は体内への最初の入り口なだけに、全身と深くつながっていて全身の健康にも影響を及ぼします。歯科の中では一番生物学的な面白さがあると考え、口腔外科を選びました。
ところで、内装も素敵ですね。設備など、こだわりはありますか?
清潔ですっきりとシンプルであることにこだわりました。広めの診察室では落ち着いて治療を受けていただけます。こまかいことですが、患者さんとスタッフの導線を分離した設計にしたので、スタッフはよりスムーズに動け、患者さんにとってもスタッフの動きがストレスになることはありません。機材の面では、私が口腔外科出身ということもあり、3次元の歯科用CTを導入しています。衛生面では、主に研究機関などに導入されている大型の高圧蒸気滅菌器を完備。これは以前所属していた遺伝子を操作する研究室で使用されているのと同様で、高精度の滅菌が可能なものです。一般治療器具・材料から、外科用に用いる大型の精密機器、機械類まで一度に滅菌でき、院内感染を徹底的に予防しています。さらに、研究施設用の大型浄水器を入れ、各ユニットに供給される水や医療器具・機械を滅菌する水はウィルスなどを排除した純水に近いため、より安心いただけます。
今後の展望と、読者にメッセージをお願いします。

口腔外科と歯周病治療を二本柱に、地域の皆さんが何かあった時には、いつでも診療できるクリニックでありたいと思っています。日頃からちゃんと口腔内の管理をしていれば、たとえそれが保険の詰め物でもかなりの年数は長持ちが期待できます。逆に管理しなければ、どんなに高級な歯を入れても半年でトラブルが生じます。でも予約がなかなか取れなかったりいつも待たされたりするようでは患者さんは不満でしょうから、規模を大きくし、患者さんのご希望に添えるクリニックづくりをしてまいります。また、私は歯と全身の関係を考えた歯科治療を長年行っていますので、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を抱えた高齢者の方も、安心してお越しください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。