齋藤 壽子 院長の独自取材記事
ひとみ眼科クリニック
(国分寺市/国分寺駅)
最終更新日:2025/06/09

国分寺駅南口から徒歩5分、にぎやかな商店街を抜けた閑静な住宅街の一角にある「ひとみ眼科クリニック」。同クリニックを訪れるのは、乳幼児から高齢者まで幅広い。院長の齋藤壽子先生は、開院以来約25年にわたって地域の目の悩みや疾患と向き合ってきた。小児眼科のエキスパートとして、子どもに多い斜視や弱視のための検査機器や視力回復用のトレーニング機器をそろえるだけでなく、地域の小児科とも連携して早期の発見と治療をめざしている。また、「きれいな目」をつくりたいという思いから、目の周辺のエイジングケアにも取り組んでいる齋藤院長。患者に対する思いはどのようなものなのか、話を聞いた。
(取材日2025年1月14日)
子どもの眼科疾患は小児科とも連携して早めに対応
小児眼科がご専門と伺いましたが、子どもの患者さんは多いのでしょうか?

厳密に比較したことはないですが、小児眼科を掲げていない他院よりは比率は高いと感じます。割合でいうと、おそらく一般的な眼科医院はお子さんは1割程度だと思うのですが、当院では3割くらいです。20年以上と長く続けているおかげで、視力改善のために通ってくれていた子どもたちが大人になり、結婚して自分の赤ちゃんを連れてくることも最近はありますね。お子さんが成人した後、そのまま親御さんは継続して来てくださることもあり、3世代にわたってかかりつけ医をさせてもらっています。子ども時代に診ていた子の赤ちゃんを診ている時はおばあちゃんになった気分で、この仕事を続けてきた醍醐味(だいごみ)やうれしさを感じる瞬間です。
子どもにはどのような症状がよく見られますか?
弱視、斜視などが多いですね。弱視にもいろいろあって、例えば不同視弱視は、遠視や近視・乱視などの左右差が著しいことで起きる片目の視力障害です。他に屈折異常弱視と呼ばれる、極端な乱視、近視、遠視などで網膜にピントが合わず、視覚中枢の発達が遅れる症状もあります。一般的には、行政が行う3歳児健診などで見つかることが多く、健診を受けていなければ、見た目から弱視であることはわからず、子どもから弱視の症状を訴えてくれるわけでもないので、検査をして診断がついたらできるだけ早く治療に取りかかりたいのが弱視です。一方の斜視は、片方の目が内側に向いている内斜視、外側に向いている外斜視などがあります。こちらは見た目からわかるので、親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんなどが気づいて連れてきてくれる場合が多いですね。他には小児科を受診したことがきっかけという方も増えています。
小児科から紹介されるケースも多いのですね。

はい。近年は機器の高性能化もあり、遠視や近視を測れる視覚スクリーニング検査用の機器を、眼科だけでなく小児科でも置くようになってきました。当院の近隣にある小児科にも導入されていて、健診に来た子どもを漏れなく検査して、異常が見つかった場合は当院で治療するという流れになっています。これにより、1歳未満の乳児でも異常を見つけやすくなりました。子どもの弱視治療は早く始めたほうが良いに越したことはありません。視覚スクリーニング検査機器は、研修医時代から眼科の仲間と「こういうのがあったらいいね」とずっと話していたものなので、それが実現して、小児科の先生とも連携しながら早期発見ができるようになったことは本当に喜ばしいことです。
充実の医療機器やエイジングケアでより良い目をめざす
視覚スクリーニング検査機器のほかにどのような機器がありますか?

他には3次元解析装置も活用しています。これは簡単にいうと、撮影した目のデータから病巣や網膜の断面像を映し出す機器です。網膜の厚みは1mmもないほど薄いのですが、この機器を使えば10層構造で識別することが可能です。イメージとしては、超音波とCTを組み合わせたようなものですね。例えば、眼圧が上がって視神経が障害されることで視野が狭くなる緑内障や、網膜に出血やむくみが起きる加齢黄斑変性といった疾患の発見に役立つので、成人の患者さんの治療で使うことが多いです。とても精密な画像データが撮れる一方、患者さんへの負担が少ない非接触・非侵襲的な検査ができる、非常に画期的な機器だと思います。また、画像を見ていただきながら説明もできますから、患者さんに状況も理解してもらいやすいです。
視力トレーニング用の機器も導入されているそうですね。
そうなんです。専用の機器を用いて、通院による視力トレーニングを行っています。特に子どもの近視は、毛様体と呼ばれるピントを合わせるための筋肉が過度に緊張して、遠くを見る時に緩められない状態であることが多いのです。この機器をのぞくと、立体的な風景が近づいたり遠ざかったりしながら動いたり、ぼやけたりするので、遠くの景色を長時間見つめるのと同じように目を動かすことができ、毛様体の緊張をほぐすことが見込めます。ただし、5分間のぞき続けなければならず、小さい子どもは集中力が続かないこともあります。だいたい小学校に入る6歳くらいからできるようになる子が多いので、その時期からトレーニングを始めると良いでしょう。視力トレーニングが合うかどうかは個人差がありますが、視力低下の抑止と、最終的には上がることをめざしていきます。
エイジングケアにも力を入れているとか。

開院後4、5年ほどたってからエイジングケアにも取り組むようになりました。目をより良く見えるようにするということだけではなく、「きれいな目」をつくりたいという思いがあったからです。エイジングケアを希望されるのは、現在は女性が9割、男性が1割ほどですね。もし気になる部分の改善を図ることができれば、皆さん元気になると思いますし、それが仕事のやる気などにもつながっていくと思います。私自身も治療後に患者さんが明るくなったり、笑顔が増えたりする姿を見るのが一番うれしいことです。年齢を重ねることで出てくるしみやしわについて「ちょっと気になる」という方や美容皮膚科に行くことに少しハードルを感じる方が気軽に施術を受けられるようなクリニックをめざしています。
異常がなくとも年に1回は眼科で検診を
患者さんと接する時に心がけていることを教えてください。

私の中で大切にしていることは患者さんの立場に立って、寄り添うことですね。そのためにまずは、患者さんの目を診るだけではなく、お話をよく聞くことを意識しています。物が見えづらくなると不安になりますから、それを取り除いて差し上げたいのです。地元の方が多いので、「元気に過ごしていますか?」といった何げない声かけもするように心がけています。また、当院のスタッフはあまり入れ替わりがなくてベテランばかりですから、患者さんたちとも顔なじみですね。子ども好きなメンバーも多く、子ども連れの親御さんが診察を受ける時に、スタッフから「お子さんを抱っこしていましょうか?」と声をかけるなど、アットホームな雰囲気だと思います。
先生のプライベートについても伺いたいのですが、どのように過ごされることが多いですか?
最近は着物にはまっています。たくさん持っているわけではないのですが、自分で着つけもしますし、こだわり始めると「他の人は気づかないけれど、帯の形がちょっと気になるな」と感じることもあり、奥が深い世界だと感じます。うまく着つけができると、外食に行くだけでもすごくウキウキしますね(笑)。初釜と呼ばれる、新年を迎えて初めて開く茶道の茶会にも行きました。なかなか上達しないのですが、ゴルフも趣味で続けています。
最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

普段は異常がない限り、目のことを気にかけることは少ないと思いますが、まずは1年に1回ぐらいの気持ちで定期検診に訪れていただけると良いと思います。大人の場合、それで白内障や緑内障が見つかることもあります。お子さんは小中学生だと毎年、学校で視力検査はありますので、少しでも不安なことがあれば眼科受診をお勧めいたします。しっかりと専門の検査機器で測定しないとわからないことも多いので、一度親御さんに連れてきていただきたいですね。先述したとおり、何かあればすぐ治療を開始できますし、それは早いに越したことはありません。もちろん検診だけでも保険適用が基本ですし、先進の技術や機器も導入しておりますので安心していらしてください。眼科で検査を受けることが目の自信にもつながると思います。より若々しい眼瞼および目周囲を保つために、保険診療の範囲で顔のイボやほくろの治療も行っていますので、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは目尻のしわのケア(両眼)/2万円~