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大川 延也 院長、大川 翼 副院長の独自取材記事

大川歯科医院

(東大和市/東大和市駅)

最終更新日:2020/04/16

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西武拝島線の東大和市駅から徒歩15分の場所にある「大川歯科医院」。院長の大川延也先生が東大和市に開業して30年目の2012年7月に、息子の大川翼先生が副院長に就任。同時に以前の場所から移転リニューアルした。10台分のスペースのある駐車場の横には、医院入口へ続く手すりつきのスロープが設置され、院内は患者が少しでも快適に過ごせるようこまやかな配慮で待合室や化粧室、診察室などが整えられている。「おもてなしの心」をテーマに掲げ、地域に密着した歯科診療を提供する同院。中でも、延也院長を中心にした訪問歯科診療は、30年近く前から行われているという。その訪問診療を始めたきっかけや、診療で大切にしていること、今後の展望など、延也院長と翼副院長にたっぷり聞いた。
(取材日2020年2月28日)

患者が必要な時、自宅での受診をかなえる訪問歯科診療

こちらでは通常の診療に加え、訪問歯科診療にも力を入れていらっしゃるのですね。

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【延也院長】歯科の訪問診療を始めて30年近くになります。きっかけは、ずっと診ていた患者さんが脳梗塞になり、ご家族から訪問の依頼を受けたことです。その患者さんの入れ歯は僕が作った金属床の入れ歯だったのですが、入院して痩せたことで入れ歯が合わなくなっていました。僕は補綴科の出身でしたし、当時は40歳くらいでしたが、自分なりの自信も出てきた頃で「人の役に立てる診療ができる」と意気揚々と訪問しました。ところが、痩せた分を補うように入れ歯を整えていきましたが、装着という面では良く仕上がっていても、脳梗塞によって口腔内にまひがある患者さんにはうまく機能しなかったんです。当時の歯科では入れ歯を入れさえすれば食べられると考えられていましたが、まひなどその人の口の状態があり、その状態に合わせないと、食べられるようにはならないことに気づいていなかった。僕はこのことがきっかけで、あらためて勉強を始めました。

訪問診療を含め、日々の診療で大切にしていることなどありましたらお聞かせください。

【延也院長】ここで37年診療していますので、僕も患者さんも年を取っていきます。今は歩いて通って来ることができても、通院できなくなった場合を考え、「歩けなくなったら僕が行きますので心配しなくていいですよ」と伝えるようにしています。この一言が患者さんに大きな安心感を与えます。誰もが一生自分の歯で食べたいですから。僕が生きている限りですが、ずっと面倒を見るのが本来のかかりつけというものでしょう。

こちらに通っていた患者さんだけではなく、訪問診療では、新規の患者さんも診ているのですか?

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【延也院長】在宅で療養されている人には必ず介護に関わる人たちがいます。家族、ケアマネジャー、ヘルパー、看護師、医師などですが、そういう人たちが患者さんの「食べる」ということを考えたときに、当院に依頼があります。僕はそのために、いろいろな所に出て行っています。介護認定審査会の審査員を務めたり、僕が主催する勉強会を企画したりするなど、顔が見えている関係のほうがより良くコミュニケーションできますので、僕は地元の組織づくりをしながら地域を中心に活動しています。

「医療技術の向上」と「おもてなしの心」を大切に

「おもてなしの心」がテーマなのだそうですね。

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【翼副院長】「おもてなしの心」とは、歯科治療技術はもちろんのこと、その上で、患者さんに喜んでもらうために最善を尽くしていくということ。患者さんが当院に来て、治療を受けて、帰るまでの間に不安を感じないようにリラックスできる配慮をすることだとも思っています。当院では、2012年の移転リニューアルの際に、車いすやベビーカーがスムーズに入れるように、駐車場から院内まですべてバリアフリーにしました。また、親御さんが治療しているときに、診察台からお子さんの様子が見られるように、キッズスペースにカメラを取りつけました。そして私が特に大切にしているのが清掃です。院内はもちろんですが、駐車場周りの掃き掃除は毎朝私自身がやっています。

2012年に翼先生が副院長に就任されてから、治療方針などに変化はありましたか?

【延也院長】僕は30年間一人で患者さんを診ていましたから、とても忙しく、新規の患者さんも3ヵ月待ちで、急患も診ることができずに他の先生を紹介していました。医療技術さえあれば良いという当時の僕の意識がスタッフにも伝わったのか、患者さんに不安な思いをさせることもあったようです。そんな時、息子と一緒にやることになり、この方針は違うと指摘され、何度もぶつかりました。今では僕の考えも変わり、さまざまな点で患者さんに満足していただけるようになってきたのではないかと思っています。
【翼副院長】父の診療の仕方は、歯の治療のみにフォーカスしたものでした。もちろん、それは必要なことです。しかし、それ以外のことも考える必要があります。患者さんは多くの不安を抱えて歯科医院を訪れます。それらの不安を取り除いていくのも歯科医師の仕事だと思っています。そのことを徹底的に話し合いました。

お二人それぞれが歯科医師になった経緯を教えてください。

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【延也院長】母方の祖父が歯科医師だったのですが、医院を継ぐ人がおらず、小さい頃は何も考えずに継いであげると言っていたんです。祖父は地域に根づいた診療をして地元の方からとても慕われていましたから、僕も患者さんの中にいた商店の方にかわいがってもらってもいましたね。そんな良い思いをしたから継いであげると言っていたのでしょう(笑)。最初は子どもながら自分が言ったことに従っていただけでしたが、祖父の背中を見ているうちに自分の意思で歯科医師をめざすようになりました。
【翼副院長】父から歯科医師になれとは言われませんでしたが、父の背中を見ていて自然に歯科大学に入学しました。最初はまだ迷いがあったのですが、大学で勉強していくうちに、自分は歯科医師に向いていると思うようになり、気持ちが固まっていきました。歯科医師は職人的な部分があると思いますので、そこが私に向いているのかもしれません。

人々が歯に不安なく快適に過ごせるようさらなる充実を

延也院長が高齢者の歯科診療など精力的に活動されるようになったきっかけを教えてください。

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【延也院長】それは僕の父の病気に起因しています。父は80歳の時に破傷風で意識不明になり、ICUを出た後は僕が口腔のケアを行い、病院に泊まり込んで入れ歯を修正したりしていました。当時の担当医師に「良くても寝たきりだろう」と言われていた父が、仕事に復帰できたときはうれしかったですよ。「トロが食べたい」と言う父にトロを食べさせられるようになり、1年半後にはゴルフをし、89歳のときには孫の結婚式に東京まで行き、94歳まで生きました。このことを通して、人間は食べると元気になることを実感しましたし。この経験もあり、僕は患者さんを家族と同じように、父や母、祖父や祖母のように診ています。

介護の役割を担う人たちへのアドバイスがありましたらお願いいたします。

【延也院長】在宅と歯科医院での診療の違いは、歯科医院では基本的に患者さんを診ますが、在宅診療では患者さんだけでなく、ご家族や環境などに気を配る必要があります。患者さんの治療は当たり前で、介護の役割を担う人をいかに楽にできるか。例えば、歯を磨くだけでも、他人の歯を磨くのは大変です。命がある限り、ケアは一生続くものですから、決して無理をしてはいけません。頑張り過ぎてはいけない。例えば、食後の歯磨きも、夜寝る前だけの日があってもいいのです。後は、適切に頼ることが大切です。僕も介護度によって利用できるサービスをアドバイスしたりしています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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【延也院長】これからも僕がずっと診ている患者さん、僕を頼ってくださる患者さんを大切にしたいと思っていますので、僕自身がどこまでフォローできるかを考えています。患者さんとともに年を取っていきますが、寄り添っていけるところまで頑張りたい。この地元で僕がそうできるように副院長も協力をしてくれています。
【翼副院長】私が当院に来てから目標としている診療内容や体制、設備などを徐々に実現していっていますが、今後もさらなる充実を図っていきたいと思います。また、在宅歯科医療に関して豊富な知識と経験を持つ院長が、心身ともに健康で長く活躍し、そして人々が快適に過ごせるよう、その環境を整えるのも私の目標です。

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