福島 直人 院長、福島 理佐 副院長の独自取材記事
立川北口・ナオ矯正歯科
(立川市/立川駅)
最終更新日:2024/03/13
立川駅北口からほど近い「立川北口・ナオ矯正歯科」。階段を上がり入り口のドアを開けると、心安らぐ香りに包まれ歯科医院とは思えない雰囲気だ。福島直人院長、福島理佐副院長は矯正を専門としており、矯正・予防歯科・デンタルエステティックに特化した専門クリニックとして2006年にオープン。同院が最もこだわるのは患者のニーズを的確にくみ取るためのカウンセリング。矯正は長期の通院が必要となるため、来院者がリラックスできる雰囲気づくりにもこだわったという。院内の香りもその一つ。加えて両先生の親しみやすく気さくな人柄が、一般的には敷居が高いと感じる矯正歯科の印象を和らげている。2人に診療方針や注力しているケアについて話を聞いた。
(取材日2018年3月15日/情報更新日2024年2月13日)
患者のことを考え院内づくりからこだわる
院内は、とてもよい香りが漂っていますね。
【理佐副院長】開業の際に女性の患者さんを意識して、すっきりした内装やパウダールームにもこだわりました。実際、当院に来院される方はお子さんの治療に付き添われるお母さま方を含め、20代から40代の女性が多いのです。ですから待ち時間にも女性にくつろいでいただけるよう、アロマオイルによる芳香浴を取り入れたりしています。私はアロマコーディネーターの資格を持っているので、リラクゼーション効果などが期待できる香りを選んで毎月変えています。また、コロナ禍で今は撤去していますが、自由に飲めるフレーバーティーやカフェオレを用意したりもしています。
【福島院長】歯科には「痛い」というイメージがつきものです。特にお子さんには恐怖心を持ってほしくない。そのため治療器具を下の棚に収納し目につきにくくするなど、あえて歯科医院らしくない雰囲気にし、通院が苦痛にならないように配慮したつもりです。
患者層に変化はありますか?
【福島院長】お子さんの数は圧倒的に増えました。親御さんが矯正を経験されているというケースも増えていますし、歯に対する意識も変わってきたのだと思います。また近年では学校健診で歯列・咬合という検査項目があり、いわゆる歯並びや噛み合わせが悪いことをチェックされるようになりました。それで受診される方が増えてきたというのも、あると思いますね。
キッズスペースを設けたのは、子どもの患者さんのためにですか?
【理佐副院長】それもありますが、お母さまのためでもあります。お子さんの患者さんには、もちろんお母さまが付き添われてくるのですが、そのご兄弟姉妹を連れていらっしゃることも多いのです。私も子どもがいるのでわかるのですが、治療をしていないお子さんをおとなしく待たせるのはすごく大変。待っている間に子どもを遊ばせるスペースがあれば、そのストレスが軽減するのではないかと思い、キッズペースをつくりたかったのです。実は開業から10年を迎えた年に、院内のプチリニューアル計画がありました。そのタイミングでキッズペースを新設しようと、いろいろなクリニックを見学し、参考にさせていただきました。そして狭いながらも、念願のキッズスペースをつくることができました。
虫歯になるリスクを下げるため、予防管理にも注力
矯正の流れを教えてください。
【福島院長】初診時にカウンセリングを行った後、レントゲン検査、口と顔の写真撮影、歯型の採取、虫歯や歯茎のチェックなど精密検査をします。検査で得られた情報から治療計画を立て、約1時間半かけてその人に合った矯正方法をご提案します。その際には患者さんの歯型をもとに、矯正前後のシミュレーションをパソコン画面に映し出してイメージを共有します。マウスピース型装置を用いた矯正、裏側矯正では口腔内スキャナーを使用しますが、印象材を用いた歯型に比べテクニカルエラーや材料の歪が少なく、精度の高さを望めます。なによりスキャンしたデジタルデータをインターネットで送るので、装置を付けるまでの時間を従来より短縮できます。矯正を受けるかどうか、その場で決める必要はありません。ご自宅でじっくりと検討していただきたいので、ご説明内容を書面でお渡ししています。
力を入れて取り組んでいることはありますか?
【理佐副院長】当院では一般的な金属製のものや目立ちにくいセラミックなど、ご用意している矯正装置のメリットを生かした、患者さんの口内環境に合わせた矯正を行います。なかでも、矯正中の予防管理に力を入れています。
【福島院長】矯正装置をつけると歯が磨きにくくなり、虫歯になるリスクが高まることは否めませんので、それまで以上にお口のケアに注意が必要です。ですから矯正中は、歯科衛生士による徹底したブラッシング指導とクリーニング、虫歯予防のためのフッ素塗布などを行います。また事前に虫歯のリスク検査をし、食事により酸性に傾いたお口の中を中和する唾液の能力や虫歯の原因菌の数を調べて、虫歯になりやすいリスクを数値化します。さらに患者さんに日々の生活をお聞きし、食事のタイミングや食事にかける時間などを加味しながら、リスクを下げるにはどうしたらいいかを歯科衛生士とともに探って、患者さんに指導します。
お子さんの歯並びを気にする方に、アドバイスをいただけますか?
【理佐副院長】ご相談で多いのは、何歳くらいから矯正を始めればいいかということですが、これはその子によってさまざまです。ただ悪い歯並びを放置すると成長の過程で、顎の骨のゆがみや噛み合わせの不調和を起こすことがありますので自己判断はせず、気になったら早めにご相談ください。当院では「キッズのための歯磨き教室」があり、不正咬合のチェックを含む歯科検診、歯磨きトレーニング、フッ素塗布などをします。対象は、歯が生え始めた頃から小学校卒業までのお子さん。矯正を受けているいない関係なく定額でどなたでも参加できます。矯正のタイミングチェックだけでなく虫歯予防にもなりますので、検診を兼ねて定期参加する方も多いですね。
矯正歯科に苦手意識を持たずに、気軽に来院してほしい
診療の際に心がけていることを教えてください。
【福島院長】とにかく徹底したカウンセリングを行うことです。また矯正に関しては、常に患者さんの視点に立ち、治療計画をきちんと共有し、本当に納得していただいた上で進めます。例えば患者さんがイメージする歯並びのために、歯の本数を減らさなくてはならないとします。ですが患者さんは、抜きたくないと希望している。もし患者さんの理解を得られないまま抜歯してしまったら、患者さんにとって「抜かれた」治療となってしまいます。私たちも本当なら歯は抜きたくありませんが、抜歯にはメリットがあり、抜かないことによるデメリットもあります。患者さんはそれをご存知ないので、そこは時間をかけて説明させていただきます。それでも「抜きたくない」と思われたのなら、「治療しない」という選択肢もご提示します。
ところで、なぜ矯正を専門にされたのですか?
【福島院長】私は富山県の出身で、父は一般歯科の開業医でした。ですから幼い頃からうっすらと、「自分が後を継ぐのだろうな」という自覚はありました。矯正を専門にしたのは歯学部で専攻を決めかねていた時、父が「お前がうちで矯正をやってくれたらな」と、ボソリと言ったのがきっかけです。数年前父は他界しましたが、開業したときはまだ元気で「自分のクリニックが軌道に乗るよう東京で頑張れ」と言って応援してくれました。
【理佐副院長】矯正を経験したからです。自分の歯が動くのが面白くて、興味を持ちました。歯科医師になりたいというよりは、矯正をしたかった(笑)。ですから矯正をしている方の気持ち、高校生の女の子が「早く外したいです」というのも、本当によくわかります。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
【福島院長】歯列矯正には、それまで口元を隠して笑っていた方が自信を持って笑顔になれるという大きな変化があります。矯正後の患者さんからいただく「やって良かった」「ここに来てよかった」というお言葉をご褒美だと思って、日々の研鑽を怠らず頑張っていきます。また当院に来院される高校生の患者さんなどは、他のスタッフには敬語を使うのに、なぜか私には友達口調という方が多いんです(笑)。こうした「気安さ」のようなものは、気を許されているようでうれしいです。
【理佐副院長】矯正歯科は敷居が高いと感じるかもしれませんが、そんなことはないんです。実は院長も歯科医師になってから矯正を受けていますし、スタッフにも経験者が多いので、歯並びで気になることがあったら気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは裏側矯正:132万円~
マウスピース型装置を用いた矯正:110万円~
小児矯正/33万円~
唾液検査/5500円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。