年齢や回数に限りのある不妊治療は
1回のチャンスを大切に
立川ARTレディースクリニック
(立川市/立川駅)
最終更新日:2024/10/23


- 保険診療
不妊治療に興味があっても、どこに相談すれば良いかわからずに迷っている人もいるだろう。「立川ARTレディースクリニック」の右島富士男院長は、「妊娠を望むのならば、迷わずに不妊治療を専門とするクリニックへ相談を」と呼びかける。不妊治療はいつまでも受けられるものではなく、年齢や回数に制限があるためだ。不妊治療の方法は、大きく分けるとタイミング療法・人工授精・体外受精の3つ。また体外受精には「自然周期」と「刺激周期」があり、同院では世界で広く採用されているという「刺激周期」の体外受精に力を入れている。生殖医療の分野で数多くの研究・臨床実績を持つ右島院長に、不妊治療について詳しく聞いた。
(取材日2024年4月3日)
目次
妊娠率の向上が期待できる「刺激周期」の体外受精。胚盤胞は凍結して、その後の周期に用いることも可能
- Q不妊治療を始めるタイミングを教えてください。
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A
▲悩んでいたら、不妊治療専門の医師にすぐに相談してほしい
妊娠を望む男女がなかなか妊娠に至らない場合には、年齢に関わらずすぐに相談にいらしてください。不妊症というと年齢が原因になると思われがちですが、実際にはそれだけではありません。若い方でも卵巣の機能が衰えていることもあれば、早発閉経や、子宮筋腫などの病気が隠れていることもあるのです。女性はいつまでも妊娠できる体でいられるわけではありません。検査で不妊の原因をはっきりさせて、早期に治療や生活改善に取り組むことが必要です。パートナーと一緒でも、女性お一人でも、まずは不妊治療を専門とする医師に相談して検査を受けましょう。
- Q不妊治療にはどのような方法があるのでしょうか?
-
A
▲不妊に悩む患者に寄り添い、それぞれに適切なサポートをする
大きく分けると、タイミング療法・人工授精・体外受精があります。排卵に合わせて性交渉を持つタイミング療法は、卵管の健全な方が対象です。もし子宮頸管に問題がある場合には、精液を子宮内へ直接送る人工授精を選択するケースが多いです。これらの方法でも妊娠に至らない場合、体外受精を検討します。例えば卵巣の機能が衰えている場合や、年齢により妊娠が難しいと思われる場合、精子の動きを止めてしまう抗精子抗体が陽性の場合、男性側に何かしらの問題がある場合などです。体外受精には「刺激周期」と「自然周期」の2種類の方法があります。
- Q先生は「刺激周期」の体外受精に力を入れていらっしゃいますね。
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A
▲患者に寄り添い丁寧なカウンセリングを心がける
はい。国内では「自然周期」の体外受精が一般的ですが、実は世界で標準とされているのは「刺激周期」の体外受精なんですよ。当院には妊娠を強く望む患者さんが多くいらっしゃいます。その望みがかなうよう、採卵できる卵子の数・胚盤胞の数ともに自然周期よりも期待できる「刺激周期」の体外受精を積極的に行っています。移植されなかった胚盤胞は凍結することにより、その後の周期で移植に用いることが可能です。患者さんの体への負担軽減と、妊娠率の向上をめざして「刺激周期」の体外受精に取り組んでいます。
- Q検査や治療内容の決定はどのように行うのですか?
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A
▲丁寧な診療と検査を通して患者と一緒に治療法を考える
まずは体の状態を一通り確認。血液の状態や血圧などの健康状態に加え、ホルモンの数値、卵管の状態、子宮筋腫など婦人科の病気の有無も確認します。また、不妊治療では卵巣年齢がとても重要です。これは血液中のAMH(抗ミューラー管ホルモン)値を測ることでわかります。体の状態や卵巣年齢は人それぞれ。不妊治療は、患者さんの実年齢や検査結果をもとに、医師と患者さんが一緒に考えていく「オーダーメイドの治療」です。タイミング療法、人工授精、体外受精と段階を踏んでいくこともあれば、最初から体外受精を選択することもあります。
- Q不妊治療専門のクリニックを受診するメリットを教えてください。
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A
▲精度の高い診断により、患者それぞれのゴールをめざす
不妊治療を専門とするクリニックでは、妊娠が可能かどうかを対象に検査・診断を行います。女性側だけでなく精子の動きも確認しますし、ホルモンについても詳しく確認します。その上で生殖医療を行えるのは、不妊治療を専門とするクリニックだからこそです。不妊治療を受ける年齢や回数には限りがあります。広く健康管理を目的とするのではなく、具体的に「妊娠」を望んでいるならば、最初から不妊治療専門のクリニックを受診することをお勧めします。