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泉 康二 院長の独自取材記事

泉医院

(立川市/立川駅)

最終更新日:2021/10/12

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立川駅から徒歩5分のホテル1階にある「泉医院」は、産婦人科、内科の診療を行うアットホームなクリニック。気さくな人柄で何でも相談しやすい雰囲気の泉康二院長は、国立立川病院に勤務していた頃も含めて30年以上この地域での診療を行ってきた。常に患者により良い治療を提供していくため、新たな治療方法や薬の情報の収集に余念がない。近年では子宮内黄体ホルモン放出システムを用いた診療に力を入れ、月経困難症などの改善に取り組んでいる。病診連携や診診連携にも積極的で、そのネットワークを生かした幅広い診療が強み。写真や登山など趣味も多く、公私ともに充実の日々を送る泉院長。約5年半ぶりの取材を通して診療内容や患者への思い、今後の展望を聞いた。

(取材日2014年6月18日/再取材日2020年1月22日)

過多月経・月経困難症の診療に注力

約5年半ぶりの取材になりますが、この間の変化について教えてください。

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一番の変化は子宮内黄体ホルモン放出システムを用いた診療に、力を入れ始めたことですね。当院ではこの薬が出始めた頃から、可能性に注目をしていたのですが、保険適用となっていなかったため、当時は自費診療で1回10万円という高額な費用がかかっていました。近年、過多月経や月経困難症の治療に関しては保険が適用されるようになったのと、一度装着すると最長で5年間の維持が可能であるため、費用の負担が大きく減りました。これは、黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを、子宮内に放出し続けることで、子宮内膜の増殖を抑えて、月経量や月経痛などの月経困難症の症状を軽減していく仕組みになっています。

この治療を希望される患者さんの年齢層はどれくらいですか?

40歳頃から閉経までの間、装着される方が多いですね。通常、月経困難症の治療には低用量ピルが多く取り入れられますが、低用量ピルの場合、40歳を過ぎると血栓症の副作用の可能性が増える傾向にあります。そのため、患者さんに詳しくお伝えして、ジエノゲストの服用や、この子宮内黄体ホルモン放出システムをご提案しています。もちろん、20代、30代の方もいらっしゃいますよ。この子宮内黄体ホルモン放出システムは、毎日薬を服用しなくていいという理由から、選ばれる方が多いですね。もちろん、この薬を外せば妊娠も可能です。

先生は患者さんへの思いがとても深いですね。実際に産婦人科の医師になられていかがですか?

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一言で言うと、心から良かったと思っています。僕の父も兄も内科の医師で、当たり前のように同じ医師の道へ進みました。どの科を専門にするのか自由に選べたのですが、臨床研修での産婦人科の当直中に、分娩室で逆子の臍帯(さいたい)脱出が発生しました。そのままにしておくと赤ちゃんが危険なので、その場の分娩室で局所麻酔をして手術という場面に立ち会ったんです。その時に味わった生命の誕生に感動し、ご家族の皆さんが喜んでくださる姿を見て、産婦人科に決めたのです。それから産婦人科の医師として何十年と経験を積みましたが、やはり命に関われる素晴らしい仕事だと思っています。また、やむを得ない事情を抱え、中絶を選ばれる方もたくさんいらっしゃるのも現実。私は心を決めた患者さんに対して「今の選択は、あなたにとって一番良い選択だよ」と寄り添い、サポートするように心がけています。

患者の思いに寄り添い、病診連携や診診連携にも注力

こちらの医院は、引き継ぐ形で開業されたと伺いました。

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駅前のホテルの中にある診療所なんておもしろいでしょう? 以前はここに別の医院があったのですが、オーナーだった先生が亡くなられ、その後を引き継ぐ形で1991年に当院を開業しました。僕はそれまで国立立川病院に勤務していて開業することは考えていなかったのですが、以前から患者さんを通じて懇意にしていた医院だったので、お話をいただき快諾しました。開業に至った一番の理由はゆっくりと時間をかけて自分のスタイルで診療をしたいと思ったからです。僕の診療モットーは「体の健康には心の健康が必要」なので、患者さんの話をきちんと聞いて、いろいろな面からサポートすることを忘れません。

産婦人科と内科の診療をされていますが、どのような患者さんが多いですか?

国立立川病院時代も含めて30年以上この地域で診療をしていますから、紹介でいらっしゃる患者さんが多いですね。駅前なので会社帰りに来られる人も。産婦人科の受診がほとんどで、一番多い患者さんは子宮内膜症の方ですね。また、病院連携や診診連携にも力を入れ、連携している国立立川病院に通っている妊婦さんの妊婦健診を当院でも行っています。病院では重症者や救急対応を中心に行うため、定期健診は近隣の診療所に振り分けてスムーズに診療を進めるため、妊婦健診や婦人科の病気でお薬をもらうだけの人、そして経過観察中の人については当院で受け入れています。

どのようなことを心がけて診療しているのですか?

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毎日診療していると、体の健康と心の健康の相互作用がよくわかります。ですからなるべく何でも話してもらえる医師でありたい思っています。趣味が合う患者さんとはすぐに打ち解けて診察室で盛り上がっていると、看護師に注意を受けるほど(笑)。でも、あまり時間は気にしちゃだめですよね。開業当初はお一人ずつ時間をかけて診療をするために完全予約制にしていたのですが、急患や、突然のことで受診したいこともあると思うので、予約していなくても受診できる時間も設けてあります。また初診の患者さんの場合はやはり時間がかかるので、ほかの患者さんを待たせてしまうこともあるのですが、皆さんにご理解いただき楽しく診療しています。

「来てよかった」という言葉が、一番のやりがい

心に残っている患者さんとのエピソードを教えてください。

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最近のエピソードとしては、国立立川病院で勤務していた頃に、出産を担当させていただいた女性の娘さんが大人になって再会した時に「私、先生に取り上げてもらったんですよ」と言ってくださったエピソードですね。長年、産婦人科の医師をやっていると、こんなに感動的なこともあるんだと思いました。他にも、月経前緊張症(月経前症候群)がひどくて学校に行けなくなってしまった小学校高学年の女の子が、大きな病院に行っても症状がよくならないということで相談を受けたことがありました。月経前緊張症は排卵が起こって次の生理まで活発になる黄体ホルモンによって自律神経が安定せず、うつ症状やイライラを引き起こすのですが、小児科ではそこまで診られません。子どもなので普通の安定剤やホルモン剤は使えないため、漢方薬を処方して対応しました。

写真や登山など、たくさんの趣味をお持ちですね。

カメラは高校の時から好きで、大学で写真部を友人と復活させました。出かけた先で撮った写真は院内に飾っています。最近は登山が一番の趣味ですね。真冬にガイドさんをお願いして、八ヶ岳の赤岳に登った経験も。2月だったのでマイナス20度という極寒でしたが、雲海や朝日の美しさ、頂上へたどり着いた時の爽快感や達成感は一度味わったらやめられません。実は渓流釣りもはじめ、自分で作った疑似餌で釣れた時はうれしいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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子宮内黄体ホルモン放出システムについては一般的にはまだあまり知られていないので、今後、必要な患者さんにはお伝えしていきたいですね。ほかにも患者さんにとって有効なお薬が承認されたら、積極的に取り入れて手術をしないで済むようにしていきたいです。以前、立川市で子宮筋腫や子宮内膜症体験者の方々が主催する市民講座でお話をさせていただきました。人前で話すことで、自分も勉強になったので、今後も機会があれば参加して患者さんに必要を知識をお伝えしていきたいと思っています。産婦人科というと、緊張してしまう女性も多いと思いますが心配いりませんよ。誰にも相談できなかったデリケートなお悩みなども、安心して打ち明けてください。

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