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小澤 尚 院長の独自取材記事

小平北口クリニック

(小平市/小平駅)

最終更新日:2022/02/02

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西武新宿線の小平駅から徒歩7分。「小平北口クリニック」は、人工透析を中心として、内科、腎臓内科の診療も行っているクリニックだ。広い駐車場には送迎のバスが頻繁に出入りを繰り返していて、多くの患者が通院していることがうかがえる。院長の小澤尚先生は、クリニックの診療から管理業務、小平市医師会の活動と、忙しい日々を送る経験豊富なドクターだ。そんな小澤院長が何よりも重視しているのは血の通ったチーム医療だという。「何事も地道にこつこつと重ねていくことが大事です」と強調する。多くの業務に関わりながら、スタッフの意識改革や業務改革などにも積極的に取り組んでいる。診療にかける思いや今後の展望などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2021年12月3日)

チーム医療で、総合的腎臓病医療に取り組むクリニック

いつ頃開業されたのでしょうか?

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当院の開業は1997年です。僕はここに来る前は横浜市立市民病院の内科医長の職に就いていて、透析治療にも携わっていました。知人からの紹介を受けて院長に就任したのは1999年です。医療法人欅会の中でこの「小平北口クリニック」が最初に開業し、現在では同じ人工透析を中心とした治療を行っているクリニックが全部で5施設と、糖尿病治療に特化したクリニックが1施設、合計6施設があります。

当初からチーム医療の構築を重視されたとか。どのような部分に注力されましたか?

最初はすべてが手探りの状態でしたが、職員の意識を高め、きちんと目的を共有化すれば、病院よりも物事が進むのが早いなとは感じました。こういった自由度の高さはクリニックのメリットですよね。患者さんを取り巻く職種は多種多様で、お互いの気持ちを推し量るのが意外に難しいところがあります。一体感を持つ組織にするには、全員が成長していくという雰囲気づくりが大切だと思います。医療は専門領域なので、自分自身のスキルアップだけを考えがちですが、そうではなく、全員の共感力を高めていけるようにすることが大事だと思います。

診療の特徴についてお教えください。

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人工透析を中心として、一般内科から腎臓内科、またそれに付随するリハビリテーションなどを行っています。当院は、同時透析人数が60人まで可能です。透析は、血液透析(HD)や腹膜透析(PD)、血液透析ろ過(HDF)も導入しています。特に日本は世界に比べて血液透析に偏っている傾向があるとされ、腹膜透析はまだまだ普及していません。血液透析の施設が多い一方、腹膜透析の管理ができる施設は少ないのが現状です。こうした腎不全医療のアンバランスを是正するために、国や学会も腹膜透析の導入を推奨しています。幸い僕は横浜市立市民病院時代から、多くの腹膜透析の患者さんを診てきた経験があるので、今後、当院でも対応していきたいと思います。

多職種が連携し、患者の治療と生活を支える

患者さんのスムーズな治療のために取り組んでいることはありますか?

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患者さんは透析治療だけでなく、メンタル面や仕事の悩み、加えて高齢化が進み、介護の問題など、治療に付随するさまざまな問題を抱えています。当院では、医師だけでなく、間接部門である看護師や臨床工学技士、理学療法士、また、医療ソーシャルワーカーや栄養士なども在籍し、治療を含めて患者さんを総合的にサポートする体制を整えています。特に透析患者さんにとって、リハビリは重要です。ベッド上で理学療法士が行うこともありますが、リハビリ機器を使ったリハビリや、専門的なリハビリが必要な場合は、関連施設での通所リハビリも可能です。

スタッフの連携や勉強などはどのようにされているのでしょうか。

症例カンファレンスや検討会を通した意見交換や、部署ごとの勉強会なども盛んに行っています。例えば看護部門では、看護師が主導する勉強会やカンファレンス、看護研究発表を行ったり、関連施設との交流を行ったりしています。また、地域との交流を通して知識の向上や情報提供も行っています。2021年から栄養管理科を設立したのですが、外来での栄養指導はもちろん、市からの依頼で栄養予防教室へ栄養士を派遣したり、薬科大の授業に講師として派遣したりしています。

透析中に災害や停電などが起きた場合は大丈夫なのでしょうか。

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透析は基本的に一生継続しなければならない治療なので、止めることができません。災害時でも最低限度の治療を行う必要があります。当院では大規模災害発生時でも対応できるよう、東京や千葉、埼玉、神奈川の連携施設と直接無線連絡ができる設備を整えています。公共通信機関が麻痺した場合を考えてのことです。さらに、院内には自家発電装置や避難用スロープも備えているほか、歩行が困難な方を速やかに避難させられるよう、非常用階段避難車も設置しています。

基本を重視した地道な取り組みを重ねていく

法人内で連携して診療されているそうですが、そのメリットはどこにありますか?

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よく店舗などでチェーン店と聞くと、何となくパターン化した良くないイメージがつきまといがちですが、決してそうではありません。どこでも質の良い同じサービスが受けられるというメリットがあると思うのです。それは医療機関も同様です。当院が所属する法人にも他に複数の医療機関がありますが、その中で、良い点は全員で共有し、直すべきところは意見を出し合いながら是正する。こういった一体感を持った組織風土にすることに力を注いでいます。それが結果的には、患者さんへの医療サービス向上にもつながると思っています。

医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

僕はどちらかというと理系よりも文系でした。小中学校では本を読むのが好きだったので、将来は司法関係の職業が自分に向いているなと感じ、弁護士になりたいと思った時期もありました。でも、親族にも医療職の人が多かったので、自然と医師への道を歩むようになりましたね。実際、医師になってみると、ハードな職業だなと思いました。患者さんの治療のために自らレベルアップしていくのですから。医師同士、看護師、他の職業も含めて、非常に競争が激しい世界だと感じました。

その中でなぜ腎臓を専門に選んだのですか?

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僕が大学を卒業した頃は、腎臓内科自体があまり標榜科として定着していませんでした。まだ新しい分野で、循環器や消化器のようにある程度確立した分野にはない魅力を感じたのです。自分の力でいろいろと切り開いていける領域ではないかと感じていたので、医学部を卒業後は、ずっと腎臓内科で臨床経験を積んできました。

今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

僕自身はスーパードクターではありませんので、血の通った医療をスタッフ全員で提供していきたいと思っています。自分の体が今後どうなるのか、不安に思う患者さんも多いでしょうが、そうした不安に向き合いながら、患者さんを支えていきたいと思っています。派手なことではなく、基本を重視した地道なことを積み重ねていくのが当院のスローガンです。これは簡単そうで、実は結構難しいことなのですが、スタッフたちにはこの理念がしっかりと染みついており、それが当院の強みだと思っています。また、これからの透析施設は、高齢者に対応した多機能の透析施設が必要です。ご存じのように、透析患者さんには高齢者が多いので、単に透析だけでは、患者さんの生活を支えていくことが難しくなってきています。通所リハビリや介護多機能施設といった、透析を含めた生活全般をサポートしていく機能を備えた施設を考えていきたいと思います。

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