苦痛の少ない大腸内視鏡検査
迅速・手厚いアフターフォローも徹底
八王子内科・消化器内科クリニック
(八王子市/八王子駅)
最終更新日:2025/04/14


- 保険診療
大腸がんで命を落とす日本人は多いが、自覚症状がほぼないのがやっかいだ。だからこそ「定期的に大腸内視鏡検査を受けることを習慣にしてほしい」と「八王子内科・消化器内科クリニック」の金崎峰雄先生は力を込める。患者が二度と検査を受けたくないと思うことのないよう、工夫を凝らし苦痛の排除に取り組んでいる。また、悪い結果を告げられたときどうなってしまうのかが心配で検査を敬遠している人への配慮も忘れない。万が一、検査で異常が見つかった場合は、大規模病院へ紹介するが、その際は医師まで指定する徹底ぶりだ。「患者さんに安心していただけるよう、1秒でも早く最適な医療につなげたい」と語る金崎院長に、同院の大腸内視鏡検査と検査後のフォローについて詳しく話を聞いた。
(取材日2025年3月27日)
目次
大腸内視鏡検査はスピーディーに大規模病院を紹介してくれるクリニックで
- Q大腸内視鏡検査はどういったタイミングで受けるべきですか?
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A
▲シンボルツリーのゴヨウマツを飾り、スタッフと患者を迎える
健康診断で便潜血陽性が指摘されたときはもちろん、何もなくても大腸がんのリスクが上がる40代に入ったら一度は検査を受けてほしいです。ここ数年、大腸がんは患者数が増え続けていて、男女ともにがん死亡ランキングで常に上位に入っています。命を守るためには、できるだけ早い段階での発見と治療が欠かせません。定期的に大腸内視鏡検査を行えば、がん化する前の大腸ポリープを見つけて、検査と同時に切除することも可能です。しかし、一度どこかで苦しい思いをして検査から足が遠のいているうちに、大腸がんが進行していたという例が後を絶ちません。そうならないためにも、当院では不安を取り除く独自の工夫を重ねています。
- Q下剤や鎮静剤にこだわったオーダーメイドの検査をしているとか。
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A
▲鎮静下で、新鋭機器による精密な内視鏡検査をめざしている
AIを搭載した先進の内視鏡システムや細いスコープの導入、担当する医師たちの確かな技術は大前提ですが、それだけでは患者さんの苦痛を完全に除去できません。まず、下剤を2リットルも飲まなくてはいけないのは苦しいですよね。そこで、当院では下剤はコップ2杯、あとは好きな飲み物をペットボトル3本程度飲むだけという方法を採用しています。また、最近は鎮静剤を用いた内視鏡検査が浸透していますが、重要なのはどの鎮静剤をどのように使うかです。当院では患者さんの体格や病歴だけではなく生活習慣にも配慮し、薬剤の種類や量を決定。酸素飽和度や血圧モニターを厳しくチェックしながら追加投入するなど緻密に対応しています。
- Q検査後の流れとアフターフォローについて教えてください。
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A
▲丁寧かつ効率良くスピーディーに診療することを心がける
例えば、検査結果を何日もお待たせしては患者さんは心落ち着かないでしょうし、当院では必ず当日にお伝えするようにしています。クリニックでは切除できない大きな大腸ポリープや大腸がんの可能性が濃厚な部位が見つかることもありますが、そのときも実直にお話しするのが大事だと思うんです。次の行動へと迅速につなげたほうが、患者さんの動揺も少なくて済みますしね。特に大腸がんの疑いがある場合、生検の結果を待って大学病院を紹介するのが通常の流れかもしれませんが、当院ではよりスピーディーに対応を心がけています。勤務医時代は転移性のがんで苦しむ患者さんを数多く診てきたので「1秒でも早く紹介する」をモットーとしています。
- Q患者さんを紹介先に送るとき何を大事にしていますか?
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A
▲近隣病院と連携しているため、必要な場合はスムーズに紹介
近隣には患者さんの体に負担が少ないロボット支援下手術を行っている立川病院がありますし、症状や希望に応じて適切な大学病院や基幹病院を紹介するようにしています。その際、必ず先生も指定するのが当院のこだわりです。これまで培ってきたネットワークを生かして、信頼できる先生方につなげています。どなたもスキルが高いのはもちろん、ホスピタリティーにあふれる先生ばかりです。大切な患者さんをお任せするのですから、お人柄も重視しています。緊急性が高い場合はその旨を強く伝えるようにしていますが、優先度のご配慮をいただくことも多く、ありがたいですね。
- Q東京都医療連携手帳も活用していると伺いました。
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A
▲患者の話をよく聞き、丁寧な診療を心がける金崎院長
東京都が運用している東京都医療連携手帳(がん地域連携クリティカルパス)を大いに活用しています。なぜならば、大規模病院の執刀医と術後フォローをするクリニックの医師が、密に連絡を取るのに非常に役立つからです。術後の腫瘍マーカーの変遷、CT検査の結果、抗がん剤の処方歴などを随時伝えてもらえるので、どうフォローアップしていくかの指針になります。また、当院からも血液検査や内視鏡検査の結果を報告し、病診連携しながらより良い治療をめざしていくことができるのです。東京都医療連携手帳は義務ではないので意外と使われていないのですが、当院では今後も積極的に活用していきたいと思っています。