金崎 峰雄 院長の独自取材記事
八王子内科・消化器内科クリニック
(八王子市/八王子駅)
最終更新日:2025/04/14

八王子駅北口からすぐの場所にある「八王子内科・消化器内科クリニック」。院長の金崎峰雄先生は消化器内科を専門とし、基幹病院などで数多くのがん患者を診てきた。末期がんの患者にも全力を尽くしてきたからこそ、そうなる前に早期発見・早期治療をしたいという気持ちを強く持つ。精密な内視鏡検査と超音波検査で胃・大腸はもちろん肝臓・胆道・膵臓もくまなく診る。先進的な機器、積み重ねた経験と技術のみならず、同院が徹底しているのは「患者ファースト」、そして「諦めない医療」だ。まっすぐな瞳で穏やかに耳を傾け、温かな声で語りかけてくれる金崎院長に安心感を覚える患者も多いだろう。やわらかな雰囲気の院内で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年3月26日)
ホスピタリティーを大切に「患者ファースト」を追求
待合室に置かれた大きな松の盆栽が印象的ですね。

五葉松は「御用を待つ」とかけて、おもてなしを表現する樹木なんです。それでホテルのレセプションなどによく置かれているんですね。当院の五葉松はスタッフ全員に患者さんをおもてなしする気持ちの大切さを思い出させてくれるシンボルツリーでもあります。季節の花に入れ換えることもあり、先日の桜はたくさんの方が写真を撮っていました。喜んでいただけたのなら何よりです。基本的に通院というのは楽しいものではないからこそ、少しでも明るい気持ちで過ごしていただけるよう「もっと工夫できることはないか」と日々考えを巡らせています。医師もスタッフも全員が「患者ファースト」を追求するホスピタリティーを大切にしているのが、当院の大きな特色です。
スタッフの対応にも真心が感じられました。
私が言うのも何なのですが、事務も看護師も本当に優しいんですよ。患者さん一人ひとりの様子をきめ細かに見ていてくれるのでとても助かっています。例えば、予約がいっぱいで限界まで頑張ってくれている時でさえ「先生、さっきようやく1週間後の予約が取れた方がとてもつらそうにしていたので、どうにか明日、診てもらえないでしょうか?」と、僕に耳打ちすることもあるんです。患者さんからお褒めの言葉をいただくことも多い、自慢のスタッフたちですね。当院でも医療DXは積極的に取り入れていて、ウェブサイトやコミュニケーションアプリでの予約や、スマホでの順番待ちの確認もできるようにしていますが、それだけでは不十分。ベースに人と人との昔ながらの絆があってこそ、患者さんの安心感にもつながると考えています。
検査を担当した医師から説明を受けられるのも安心ですね。

そのほうが患者さんにとって違和感がないですよね。内視鏡クリニックは内視鏡検査のみの時間帯を設けるというスタイルもありますが、当院は違います。予約枠もありますが、外来の時間はいつでも内視鏡検査が可能です。基本的には三診体制としていますが、普段は大学病院や総合病院などに勤務するエキスパートの先生方が来てくださっています。卓越した技術をお持ちなだけではなく、ホスピタリティー精神にあふれる先生ばかりです。また、検査結果は必ず当日お伝えする「迅速な医療」にもこだわっています。不安なまま何日もお待たせしたくないですし、がんの疑いがあるようならば一日も早く大規模病院を受診してほしいからです。かつて、転移性のがんで苦しむ患者さんを数多く診てきたからこそ、強くそう思います。
病気だけではなく心とも向き合う「諦めない医療」
内視鏡検査の苦痛を軽減するため独自の工夫をしているとか。

当院でも先進の内視鏡を導入し、操作スキルも磨いてきていますが、それだけでは患者さんの苦痛を除去できません。例えば、大腸内視鏡検査ならば下剤の問題があります。通常、約2リットルを服用しなくてはいけませんが、当院ではコップ2杯分で足りるような下剤を使用。あとはお好きな飲み物を何回かに分けて飲んでいただくだけです。水分の大量服用は腸管穿孔のリスクもあるので、当院ではごくわずかな便が残っていても検査に進みます。体位を変えたり、内視鏡先端から水をジェット噴射したりすることで、便を取り除きながら検査できるからです。重要なのは患者さんに我慢を強いて「腸を空にする」のではなく「見逃しなく検査できる状態にする」ことですからね。
内視鏡検査における鎮静法にもこだわっていると伺いました。
上部、下部、上部・下部の同日検査、すべて静脈内鎮静法で行っています。内視鏡検査でクローズアップされるのは往々にして挿入技術ばかり。もちろん大事なことですが、実は鎮静の技術もまた患者さんへの負担を大きく左右します。あってはならないことですが、検査中に目が覚めて苦しんだ経験がある方もいるのではないでしょうか。当院では患者さんごとに薬剤の種類を変えるなどきめ細かに対応しているのでご安心ください。ご高齢の方は誤嚥性肺炎のリスクがあるので一律、鎮静はしないといったこともありません。薬剤の量に関しても体重だけではなく、これまでの経験も総動員して微妙なさじ加減で決定。患者さんの苦痛が少なく、検査に支障もないギリギリの点はどこか、常に「攻めの医療」で追い求めています。
絶え間ないチャレンジを支えている原動力は何ですか。

根本にあるのは当院のコンセプトでもある「諦めない医療」です。これは、NTT東日本関東病院に勤務していた頃の上司の教えでもあります。若い頃の私は彼が提唱する「ノーリミット」を理解できずにいましたが、言われるままに末期のがん患者さんにもあらゆる手を尽くしていました。ある時、肝臓に無数のがんが転移していた患者さんに「患者は医者に諦められるほどつらいものはない。諦めずにいてくれてありがとう」と言われて……、亡くなる数日前のことでしたが「ノーリミット」の意味を患者さんから教えていただいた瞬間でした。現在も、機能性ディスペプシアなど検査で消化器の異常が見つからない疾患に対しても、ストレス由来だからと諦めません。患者さんのお話をよく聞き、まずは心を軽くできるように、一つ一つ治療を進めていきます。
西東京で一番の安心感を届けるクリニックをめざす
今後の展望についてお聞かせください。

西東京で一番のクリニックになれたらと思います。それは単に内視鏡検査の件数が多いというだけではなく、最も安心感を与えられるような存在になりたいという意味です。心とおなかはつながっていて、消化器疾患を抱える患者さんは後ろで背中を支える存在が欠かせません。患者さんの生活上のお悩みなどにも丁寧に耳を傾けていきたいですね。また、一人の医師としては開業前からライフワークとしてきた肝臓がんの治療にも引き続き取り組んでいきたいです。現在、週に1回、国際医療福祉大学三田病院で肝臓がんのラジオ波焼灼療法(RFA)などを続けることができています。開業後も先進治療に触れる機会を維持できているのは極めて恵まれていますし、患者さんにすべてを還元したいです。
お忙しい毎日ですがリフレッシュ法などはありますか。
患者さんと接する時間が何よりのリフレッシュです。「一外来一笑」を掲げて、全員を診察中に笑顔にするのをめざしています。そのためにも、カルテに「犬を飼っている」などの情報も書き込んでいるんです。「ワンちゃん元気ですか」といった雑談が緊張を解くこともありますからね。患者さんだけではなくスタッフがどうしたら温かな気持ちで働けるか考えるのも楽しいひとときです。スタッフルームにはお茶やコーヒーだけではなく、オーガニックスープ、プロテインドリンク、パティスリーのマカロンやフィナンシェなどを置いています。就業後、おしゃべりを楽しみながらアフタヌーンティーで気分転換してくれているようですね。スイーツなどを選んでくれている妻にも感謝しています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

診察の終わりに「先生、もう1つ聞いても良いですか?」とおっしゃる患者さんもいますが、いくつでも気になることはすべてお尋ねください。消化器内科だけではなく循環器内科の先生もいるので、内科に関しては幅広く対応できます。生活習慣病の管理などもお任せください。腰痛や頭痛なども「うちでは診ません」とお断りすることはありません。必要があれば専門的な治療ができる医療機関を直ちに紹介しています。温泉のように、疲れた時に立ち寄って元気になれる場所をめざしています。どんな小さなお悩みでも気兼ねなく足を運んでください。おせっかい焼きなかかりつけ医として、末永く皆さんと温かな関係を続けていけたらと願っています。