金崎 峰雄 院長の独自取材記事
八王子内科・消化器内科クリニック
(八王子市/八王子駅)
最終更新日:2026/06/05
八王子駅北口から歩いてすぐの「八王子内科・消化器内科クリニック」。院長の金崎峰雄先生は消化器内科を専門とし、基幹病院などで数多くのがん患者を診てきた。末期がんの患者にも全力で手を尽くしてきたからこそ「早期発見・早期治療を」という強い思いを持つ。精密な内視鏡検査と超音波検査で胃・大腸はもちろん肝臓・胆道・膵臓まで、消化器全般に目を光らせている。先進的な機器、卓越した技術を駆使するのみならず、同院が徹底しているのは「患者ファースト」、そして「諦めない医療」だ。まっすぐな瞳で患者を見つめ、患者の声に耳を傾け、温かな声で語りかけてくれる金崎院長に安心感を覚える患者も多いだろう。五葉松が見守る穏やかな雰囲気の院内で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2026年2月25日)
患者ファーストを胸に「安らげる医療」を追求
扉を開けると迎えてくれる大きな松の盆栽が印象的ですね。

ホテルのレセプションなどにもよく置かれている五葉松は「御用を待つ」とかけて、おもてなしを表現する樹木です。当院の五葉松はスタッフ全員に「おもてなしの心を忘れずに」と日々思い出させてくれるシンボルツリーでもあります。藤、桜など季節の花に入れ替えることもありますが、どれも樹齢を重ねていて枝ぶりも見事。写真を撮られる方も多く、喜んでいただけているなら何よりです。基本的に通院というのは気が重いものですから、少しでも楽しみを見つけてもらえたらと思っています。そのために「もっと、ここを変えてみませんか」とスタッフが提案してくれることもあるんですよ。全員が患者ファーストを胸に「安らげる医療」を追求しているのも、当院の特色といえるでしょう。
スタッフさんたちの対応も丁寧で真心が感じられました。
年齢も個性もさまざまですが、しっかりと患者さんと向き合いたいメンバーが自然と集まりました。事務も看護師も本当に優しいんですよ。私もカルテに「繊細な方なので手厚く声かけを」などとかなり細かく書きますが、同じくらい患者さんの様子をきめ細かく見てくれています。予約がいっぱいでどんなに院内が慌ただしくても「1週間後しか枠が空いてなかったさっきの方、とてもつらそうでした。どうにか明日、診てもらえませんか?」というように、僕に耳打ちすることもあるんです。患者さんへの声かけや、丁寧な対応などについてお褒めの言葉をいただくことも多い、自慢のスタッフたちですね。
診察時間に内視鏡検査が可能なのも心強いです。

内視鏡クリニックは外来をストップして内視鏡検査のみの時間帯を設けているところも少なくありません。しかし、当院では外来の時間にも内視鏡検査ができるようにしています。そのほうが患者さんがより都合のよいタイミングを予約できますし、すぐに検査が必要なケースにも迅速に対応できますからね。基本的には三診体制とし、大学病院や総合病院などに勤務するエキスパートの先生方が来てくださっています。卓越した専門性を持ち、ホスピタリティー精神にあふれるドクターたちです。また、当院では検査結果は検査を担当した医師から当日にお伝えする「迅速な医療」にもこだわっています。不安なまま何日もお待たせしたくありませんし、がんの疑いがあるなら一日でも早く大規模病院を受診してほしいですからね。
病だけではなく人と向き合う「諦めない医療」
内視鏡検査の苦痛を軽減するために独自の工夫を重ねているそうですね。

当院も内視鏡検査を強みとするからには、先進機器を導入し、細いスコープを使い、操作スキルの向上にも努めていますが、それだけでは患者さんの苦痛は除去できません。例えば、大腸内視鏡検査では下剤の問題が大きく立ちはだかっています。通常、2リットルも服用しなくてはならず、検査から足を遠のかせる原因の一つといってもよいでしょう。当院では大量に飲まなくても済む下剤を採用し、ごくわずかに便が残留していても検査に進みます。体位を変えたり、内視鏡先端から水をジェット噴射したりすることで、便を取り除きながら検査できるからです。重要なのは、「患者さんに我慢を強いて腸を空にすることをめざすこと」ではなく「見逃しのリスクが少ない検査ができる状態にすること」ですからね。
内視鏡検査における検査法にもこだわっていると聞きました。
できる限り患者さんの負担を軽減することに配慮し、胃・大腸の同日検査も静脈内鎮静法で行っています。内視鏡検査では往々にして挿入技術ばかりが注目されがちです。もちろん大事なことですが、実は鎮静の技術もまた患者さんへの負担を大きく左右します。あってはならないことですが、検査中に目が覚めて苦しんだ経験がある方もいるのではないでしょうか。当院では患者さんごとに薬剤の種類を変えるなどきめ細かに対応しているのでご安心ください。「ご高齢の方は誤嚥性肺炎のリスクがあるので一律、鎮静はしない」といったこともありません。薬剤の量に関しても体重だけではなく、これまでの経験も総動員して絶妙なさじ加減で決定。患者さんの希望に沿う形で問題を解決したいという思いから、苦痛が少なく、検査に支障もないギリギリの点はどこか、常に「攻めの医療」で追い求めています。
絶え間ないチャレンジを支えている原動力は何ですか。

根本にあるのは当院のコンセプトでもある「諦めない医療」です。これは、NTT東日本関東病院に勤務していた頃の上司の教えでもあります。末期がんの患者さんにも手を尽くそうとする姿は鬼気迫るものがありましたが、最初は彼が提唱する「ノーリミット」を理解できずにいたんです。しかし、ある時、転移性のがん患者さんに「患者は医者に諦められるほどつらいものはない。諦めずにいてくれてありがとう」と言われて……。亡くなる数日前のことでしたが「ノーリミット」の意味を患者さんから教えていただいた瞬間でした。現在も、機能性ディスペプシアなど検査で消化器の異常が見つからない疾患に対しても、ストレス由来だからと諦めません。患者さんのお話をよく聞き、まずは心を軽くできるように、一つ一つ治療を進めていきます。
「一外来一笑」を目標におなかも心も元気にしたい
先生がめざしている「一外来一笑」とは?

すべての患者さんを診察中にほんの少しでも笑顔にする「一外来一笑」を目標にしています。そのために、カルテには「犬を飼っている」といった情報も書き加えるようにしているんです。「ワンちゃん元気ですか?」という雑談が緊張を解くこともありますからね。心とおなかは密接につながっていて、消化器疾患を抱える患者さんは後ろで背中をそっと支えてくれる存在を必要としている場合も少なくありません。何が精神的な負担になっているのか、言葉にすることで癒やされる方もいます。「先生がそこまで真剣に耳を傾けている患者さんを、私たちも放ってはおけません」とサポートしてくれるスタッフたちに、いつも助けられています。
今後の展望について教えてください
患者さんを笑顔にするためにも、まずはスタッフが心穏やかに働ける環境をこれからも整えていきたいと思っています。例えば、ささやかではありますが、スタッフルームにはお茶やコーヒーだけではなく、オーガニックスープ、プロテインドリンク、パティスリーのマカロンやフィナンシェなどを置くようにしているんです。休憩時間や就業後などに、おしゃべりを楽しみながら気分転換してくれているようですね。スイーツなどを整えてくれている妻にも感謝しています。また、新しい試みとして生活習慣病、アルコール依存症、禁煙などへの「アプリケーションの外来」も始めました。患者さんがスマホで記録した血圧、食事内容などが毎日クリニックに届くというものです。患者さん自身が主体的に健康への取り組みを続けられるよう応援していきたいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

診療の終わりに「先生、もう1つ聞いても良いですか?」とよく聞かれるのですが、気になることはいくつでも、すべてお尋ねください。当院は内視鏡検査に力を入れていますが、すべてにおいて根底にあるのは「見つけたい」だけではなく「治療したい」という思いです。腰痛や頭痛なども「うちは専門外です」とお断りするのではなく、必要があれば専門的な治療ができる医療機関を直ちに紹介しています。どこに相談すべきか迷ったときはもちろん、疲れたときにふと立ち寄って元気になれる温泉のような場所をめざしています。おせっかい焼きなかかりつけ医として、末永く皆さんと温かな関係を続けていけたらと願っています。

