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木村裕幸 院長の独自取材記事

みなみ野レディースクリニック

(八王子市/八王子みなみ野駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR横浜線八王子みなみ野駅から徒歩5分。広々とした大通りから見える大型のクリニックモールの一角に「みなみ野レディースクリニック」はある。院長の木村裕幸先生は2004年の開業時から産婦人科の一般診療を中心に行いながら、不妊治療にも力を入れている。「不妊治療専門ではないクリニックだからこそ、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドに近い不妊治療がしやすい」と語る木村院長。話を聞いていると、その優しい語り口、これまで出会ったさまざまな恩師に対する尊敬の念など、人とのつながりを大切にしている院長の人柄が伝わってくる。大学時代に研究していた卵子成熟の話、クリニックの診療方針や漢方治療のことなど、多岐にわたる話を聞いた。
(取材日2015年11月18日)

開業によって実現したかったのは、「患者さんの気持ちに寄り添った診療」

開業から11年と伺っていますが、勤務医時代から開業は考えていらっしゃったのですか?

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慶應義塾大学医学部の産婦人科学教室に入局した後、国家公務員共済組合連合会立川病院で長く勤務医として勤めていました。勤務医としてとても充実していたので開業はあまり考えていませんでしたが、ある程度勤めた頃から、チーム医療もいいけれども、自分ですべての診断、治療を一貫してできる開業医もいいなと思い始めました。みなみ野での開業を考えたのは、八王子を拠点に活躍されていた尊敬できる産婦人科の先生と知り合ったことがきっかけの一つですね。今はもう亡くなられてしまいましたが、同じ大学の先輩である青木産婦人科の青木先生は患者さんの搬送にいつも必ず付き添っていらして、詳しくお話をしてくださいました。また以前、浅野産婦人科(現:新クリニック)の院長でいらした浅野先生も大学の先輩で、お二人ともとても人情味溢れた先生だったことから、八王子には素晴らしい先生方がいるという印象を持っていました。立川病院には八王子から来られる患者さんも多く、南多摩病院で週1回外来を担当していたり、八王子医療刑務所准看護師養成所で何年か続けて講義を行ったりと、八王子にはかなりなじみがありましたね。

診察室は完全個室ですし、待合室が広々としていて居心地がいいですね。

あえて中待合を作らず待合室と診察室を分けて、完全に閉じた状態で診療ができる形にしました。また、二人目、三人目の出産を考えた時に、子どもと一緒に安心して通える雰囲気になるように意識しています。内装などは、家内の意見と専門家の意見を取り入れて決めましたね。家内はインテリアのコーディネートが得意でアイデアも豊富なので、開業の時は自分よりもいろいろと考えて手伝ってくれました。スタッフもとても評判が良く、事務的でなく患者さん目線で対応してくれていて助かっています。総合病院や大学病院ですと、どうしても診療優先にならざるを得なくて、患者さんの気持ちに寄り添うことが難しい環境でもありますが、開業医は院長の考えである程度主導できるので、そういうところは重視したいと思います。

院内のあちこちに絵画が飾られていますが、産婦人科のイメージに合った優しい絵ですね。

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実はこの絵を描かれた方は、もともと当院で妊婦健診を受けていて、無事に出産された患者さんだったんです。八王子に住んでいる方で、毎年個展を開いておられるのですが、個展の合間に作品を飾ってもらえないかと申し出てくださったので、当院で飾らせていただいています。作品の色使いなど雰囲気もそうですが、ご本人もとても優しい方です。

人生をトータルで診る。命にかかわる産婦人科ならではのやりがい

医師をめざされた経緯、産婦人科を専門とされた経緯を教えていただけますか?

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自分は慶應義塾普通部からの内部進学でした。家はサラリーマン家庭だったので、逆に自分の技術や腕、考えでできるような仕事をしたいという思いがあり、医学部か法学部のどちらかに進学しようと考えていましたね。迷った揚げ句医学部を選んだという感じです。ご存知のように大学ではどの科も勉強して、最終的に教室に入局するわけですが、産婦人科を選んだ理由として二人の先生の存在が大きな決め手となりました。一人は当時の産婦人科助教授の諸橋先生。自分が所属していた籠球部の部長で、大会に来てくださったり、熱心に指導してくださったりしてくれました。もう一人は当時産婦人科に入局した際に教授だった飯塚先生。不妊症治療で著名な方で、実際に仲人をしていただいたりしました。産婦人科入局後、学術奨励賞受賞や学位取得にあたっては、研究室のボスであった鈴木助教授と、野澤教授・吉村教授に大変お世話になりました。産婦人科は人の誕生からがんの患者さんのケアまで、人の人生をトータルで診ることができるという点が一番の魅力だと思います。やはり命に関わる科であるということ、赤ちゃんから重大な病気まで診ることができるところにやりがいを感じました。

卵子成熟に関する研究を行っておられたと伺いました。

卵子はお母さんのおなかの中にいる胎児の時から卵巣の中にあるわけですよね。それが思春期になって活動し始めて機能が成熟し、実際に受精卵のもとになります。人間と共通する哺乳類であるマウスを使って、受精卵になるための卵子成熟の過程を研究していました。卵子成熟というのは妊娠に至るのに大切な行程なので、当然通常の体外受精では体内で自然に成熟した卵子が使われます。その一方、最近では未成熟の卵子を体外で成熟させたり、卵子を保存しておいて将来それを使うといった研究がなされていますが、私が行っていたのはそれらの基礎となる研究です。卵子の研究で有名な鈴木秋悦先生の研究室に在籍していたので、大学の時から不妊治療に関わる研究が中心でしたね。産婦人科にしかない研究や勉強ができればということで研究室に入り、未知数の分野に魅力を感じました。

こちらのクリニックでは、やはり不妊治療が診療の中心になりますか?

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昼間は一般婦人科診療や妊婦検診、夜はピルなどをもらう方やプラセンタ注射、不妊治療で来られる方が圧倒的に多くなります。当院は午後7時まで診察しているので仕事帰りに来られる方も多いですね。現在は、30代、40代の患者さんが中心ですが、みなみ野はまだ新しい町なので、町の成長とともに今後は50代、60代の患者さんも増えてくると思います。それに応じて、更年期障害であるとか、内科的な高脂血症、高血圧などの診療もより増えてくるでしょう。現在、みなみ野には当院しか産婦人科がないので、地域に根差した一般診療を軸にしつつ、専門である不妊治療も行っていきたいと考えています。

一般診療主体のクリニックだからこそ、オーダーメイドの不妊治療が可能

こちらでは漢方専門の外来も設けていらっしゃいますね。

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漢方治療で有名な村田高明先生に月に2回ほど来ていただいています。以前、村田先生が南多摩病院の院長をされていた時、私もそこで週に1度勤務していました。当時はよくテレビにも出演されていたので、九州や北海道からも患者さんが来られて、1日百何十人もの患者さんを診察されていたほどです。村田先生が処方された漢方薬のカルテを見たり、わからないことを先生に相談したりしていろいろ教えていただいてからのご縁です。現在も他院で漢方治療をされているのですが、子宮筋腫や月経不順、月経困難症、月経前症候群、不妊症、更年期障害の方など産婦人科の施設でないとそぐわない診療もあるので、当院で診療できないかというお話をいただき、ぜひ来てくださいということで漢方外来が実現しました。漢方薬は体質に合ったお薬を使うことで、比較的副作用が少なく、西洋薬で有効性を発揮できないものに有効だったりします。不妊治療においても、生理不順、排卵障害の改善が期待できるなどの例がありますね。何度も体外受精をしたけれども妊娠できなかった患者さんがうちに来られて、漢方治療を始めて2ヵ月で妊娠されたという症例もありました。村田先生の場合、患者さんとの話や生活習慣の改善を指導する中で信頼関係が培われるのも安心感につながるのだと思います。

こちらのクリニックの診療方針を教えてください。

不妊治療に限らず、一般の診療においても診療の第一の目標は正確な診断をするということです。それと、患者さんの気持ちに寄り添った診療を心がけることですね。この場所にクリニックを開業するきっかけともなった八王子の2人の先生方が、「診療内容に関係なく、患者さんが来て良かったなと、満足して帰れるような診療をしなさい」ということをおっしゃっていました。自分はまだ両先生のようにはできていないと思いますが、その言葉を常に念頭に置いて診療にあたっています。忙しかったり、診断の正確さだけにこだわっていたりすると、検査中心の専門的な方向に行ってしまうこともあるので難しいところですが、患者さんとの会話でちゃんと心を通わせ合いながら、よりよい診療をしていかなくてはいけないと思いますね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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漢方治療も含め一般診療を軸に、不妊治療にも力を入れていくという方針は今後も継続していきたいと思っています。不妊治療に関しては、患者さんの経済状況や、通える回数、初めての子か2人目か、不妊の期間や年齢などを総合的に考えて、患者さん一人ひとりに合わせてオーダーメイド的に治療することが、一般診療主体のクリニックだからこそやりやすいのではないかと考えています。産婦人科はいくつになっても緊張するとか、内診台は嫌だとか思う方もいらっしゃると思いますが、あくまでも患者さんの希望に応じて、必要な治療だけ、必要な診察や検査だけということを心がけているので、気軽に来ていただいていろいろ相談してもらえるとうれしいです。

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