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村井 隆三 院長の独自取材記事

おなかクリニック

(八王子市/八王子駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR八王子駅と京王八王子駅のちょうど中間、ホテルの向かいにある6階建てのビルが「おなかクリニック」だ。その名のとおり、胃と大腸の内視鏡検査や痔の日帰り手術など、おなかに関係する病気の診療に専門的に取り組んでいる同院は、大学の助教授や基幹病院の部長などを歴任してきた村井隆三院長が、鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査や品質管理システムを取り入れ、患者が安心して受けられるような消化器内視鏡検査の提供をめざす。さらには、自らNPO法人を立ち上げて、若者を中心にピロリ菌検査の重要性を啓発し、胃がんのリスク軽減や次世代への感染を予防することにも力を入れている。そんな村井院長に、同院のことや胃がんの撲滅に対する取り組みなどについて話を聞いた。

(取材日2019年2月5日)

消化器内視鏡検査と痔の日帰り手術に特化

こちらのクリニックの特徴について教えてください。

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当院は、胃と大腸の内視鏡検査と痔の日帰り手術に特化したクリニックです。胃腸科、消化器科が専門ですので、来ている患者さんは5〜6割が消化器疾患の患者さんで2割くらいが肛門外科、残りの3割が生活習慣病や風邪、インフルエンザなどのいわゆる一般内科の患者さんです。専門に特化したクリニックをうたっていますが、駅近の便利な場所にあることから、かかりつけ医的な診療も行っています。あとは在宅医療にも、細々とですが取り組んでいます。がん難民という言葉があるように、がんでターミナルケアが必要な患者さんたちの行き場がないという現状があります。そういう方々に少しでも力になりたいということで、がんのターミナルケアを中心に在宅医療を行っており、お看取りもしています。

消化器内視鏡検査について教えていただけますか?

内視鏡検査室は全部で4つあって、約30人の非常勤医師で胃と大腸の内視鏡検査を行っています。ほとんどの検査で、セデーションといって鎮静剤を使って苦痛が少ないようにしていますので、内視鏡検査が苦手だという方でも、安心して検査を受けられるようになっていると思いますね。大腸内視鏡検査については、ポリープが3〜4割の方に見つかりますが、切除すべきポリープはその場で切除しています。大腸のポリープ切除、そして痔の手術もですが、出血のリスクがわずかながらありますので、そういうときにはオンコールで対応できるように体制を整えています。

内視鏡検査の需要は増えているのでしょうか?

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胃の内視鏡検査については、日本全体で見ると頭打ちになってきています。これは、ピロリ菌の感染率がかなり下がったことで胃がん自体の件数も減っていて、それに伴って胃の内視鏡検査も、減ってはいませんが横ばいになってきています。ただ八王子市では、昨年から胃がんの内視鏡検診が始まったこともあって、需要が大幅に増えました。がんの発見には、バリウム検査に比べて内視鏡検査のほうが有用とされていますし、早期にがんを発見しやすいのが、内視鏡検査の最大のメリットと言えるでしょう。大腸については、日本全体でも大腸がんが右肩上がりで増えていて、大腸内視鏡検査の需要は今後もさらに増えていくだろうと考えています。それに対応できる体制をつくっていくことが、内視鏡検査を専門とする当院の使命であると考えています。

NPO法人を立ち上げて、ピロリ菌検査の重要性を啓発

肛門外科についても教えていただけますか?

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痔の手術については、内・外痔核、裂肛、痔ろうの3種類の痔疾患のすべての手術を日帰りで行っています。肛門外科の診療は、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医である羽田丈紀(はだ・たけのり)先生が中心に担当していて、2018年12月から2019年11月までに300件以上の手術を手がけています。また非常勤ですが、肛門外科を専門とする女性医師も診療を担当しています。肛門外科というのは、特に女性の患者さんには敷居が高くて受診がしにくいところがあると思いますが、そのような方でも安心してかかっていただけるかと思います。

ピロリ菌の検査にも力を入れていると伺いました。

ピロリ菌の検査には、非常に力を入れています。2014年に「NPO法人 二十歳のピロリ菌チェックを推進する会」、通称ハタピの会を設立して、胃がん撲滅を掲げ、若い人を中心にピロリ菌のスクリーニング検査を行っています。胃がんのほとんどはピロリ菌が原因といわれていますから、ピロリ菌の感染率が下がると胃がんも減って、胃がんで亡くなる方も減ると考えられます。日本では20代のピロリ菌の感染率は10%前後と少ないのですが、いかに見つけて除菌をするかが大切です。そして現在は、衛生環境が良くなりましたので、ピロリ菌のほとんどは母子感染と考えられます。特に若い女性には、妊娠、出産をする前にピロリ菌の検査を受けていただいて、万が一感染していたら除菌をしていただきたいのです。そうすることで、自身の胃がんのリスクも減らせますし、自分から自分の赤ちゃんへの感染も防ぐことができると思います。

ピロリ菌の検査を受けたいときには、どうすれば良いですか?

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例えば、当院を含めハタピの会に賛助してくれている先生方の医療機関では、ピロリ菌の尿検査を行っています。尿を取るだけなので負担が少なく、とても簡単な方法です。結果は郵送していますが、陽性の方には結果と一緒に診療情報提供書を送りますので、それを持って近くの医療機関へ行って、内視鏡検査を受けてもらって、現時点で胃がんがないことを確認してから、ピロリ菌の除菌処置を受けていただくという流れになります。年齢に関係なく受けられますので、興味のある方は当院のホームページを参照いただくか、お気軽にお問い合わせいただければと思いますね。

検査の品質管理にも力を入れる

検査の品質管理にも取り組んでいるそうですね。

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私は開業をする前に東京医科歯科大学の大学院で、医療経営、マネジメントの勉強を2年間しました。そこで学んだのが、品質管理です。過去、そして現在も、いろいろな医療事故が起きていますが、そのような問題が発生するのは、医療の品質管理が徹底されていないことに最大の原因があると思うのです。実際に医療の品質管理は難しいのですが、当院では、例えば胃の内視鏡検査なら、組織を取って検査をする生検の率をモニターしたり、大腸内視鏡検査ならポリープの切除率や、一番奥にある盲腸までの内視鏡の到達時間をモニターして、数値化することで内視鏡検査の品質を保てるよう努めています。加えて、当院で内視鏡検査を受ける方には全員、スマホをお渡ししています。院内の各所にセンサーがついていて、スマホで場所をキャッチするんです。そうすることで、患者さんの安全を確保するようにしています。

どのようにリフレッシュをしていますか?

3年前の61歳になった時に、バリトンサックスを始めて、おなかスウィングスという当院のバンドで演奏しています。以前はギターをしていたのですが、メンバーの入れ替えがあったりして大きなバンドが維持できなくなったので、サックスアンサンブルという形でサックスだけでバンドをしていくことになったんです。それで始めたら、またピアノを弾く人が入ってきたり、非常勤で来てくれている先生がトランペットを担当してくれて、またビッグバンド風に戻りつつあります。それに最近は毎年、ハタピの会の主催で、他の病院の先生方のバンドと一緒に「胃がんをぶっ飛ばせ」というバンドライブも開催しています。音響設備や照明も入れて、なかなか本格的にやりますので、音楽をしている人にはたまらないと思いますよ。

最後にメッセージをお願いします。

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胃がんや大腸がんは、早期のうちには症状がないことがほとんどですから、検査をしなければ見つかることはほぼありませんし、症状が出てから検査をすると、ほとんどの場合は進行がんで、場合によっては手遅れということもあります。ですから、いかに定期的に検査を受けて病気を早期発見して、早期治療に結びつけていくのかが一番大切です。しかし、日本の医療保険制度では、何かの症状や病気もない人に対しては保険内で検査をすることができませんから、健診や人間ドックを利用しながら、病気の早期発見と早期治療を心がけていただけたらと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

尿中ピロリ菌抗体検査/2000円

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