全国のドクター13,939人の想いを取材
クリニック・病院 156,803件の情報を掲載(2025年7月15日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 日野市
  4. 豊田駅
  5. 小松医院
  6. 日名子 尚子 院長

日名子 尚子 院長の独自取材記事

小松医院

(日野市/豊田駅)

最終更新日:2025/07/01

日名子尚子院長 小松医院 main

日野市「小松医院」の待合室に立つと、大きな窓から庭の木々が色濃く生い茂っているのが見えた。「アンズ、モミジ、シャクナゲ、ツツジなどが植えられて、四季折々の彩りが楽しめます」と教えてくれたのは、2代目院長の日名子尚子先生。65年以上にわたって地域医療を支えてきた同院は、何でも相談できるかかりつけ医をめざし、家族のように患者と接するアットホームなクリニック。3~4世代で通う患者も多いという。日名子院長は心臓疾患治療を得意とし、その前段階ともいえる生活習慣病の予防に力を注ぐ。また、日野市医師会の副会長としての務めも果たし、地域の医療連携を強化することにも余念がない。「どんな患者さんも受け入れ、力になりたい」と患者ファーストを貫く日名子院長に、診療のモットーや地域医療について詳しく聞いた。

(取材日2025年3月27日)

将来の心臓疾患リスクに備えて生活習慣病の予防を重視

1959年に開業された、歴史のあるクリニックですね。

日名子尚子院長 小松医院1

父が開業し、2017年7月に私が2代目院長に就任いたしました。父は長年、行政や医師会と協力し地域医療に貢献。特に福祉をライフワークとし、通常の診療と並行して、障害者の診察や障害者施設への訪問診療に力を入れてきた歴史があります。当院は開業して65年以上たつので、3~4世代で通ってくれる患者さんも少なくありません。現在は、0~100歳以上まで、幅広い年齢層の患者さんを診ています。お子さんは予防接種や風邪症状、近年は不登校などによるメンタル面のご相談も増えてきました。成人では、生活習慣病や心臓疾患の患者さんが目立ちます。

前院長は福祉をライフワークとされていたとのことですが、先生はいかがですか?

私も父の意志を受け継いでいるので、福祉には力を入れています。父は障害者医療に重きを置いていましたが、私は医療や福祉といった生活に必要不可欠な仕事をする方々、いわゆるエッセンシャルワーカーに対する医療を推進しています。そのため、産業医学の知識は有用です。また、エッセンシャルワーカーに限らず、40代以降になると健康診断で生活習慣病の指摘をされる方が増えてきます。高脂血症、高血圧、糖尿病といった生活習慣病に対するアドバイスに力を入れ、積極的な予防につなげたいと考えています。私は循環器を専門としていて、中でも不整脈、狭心症、心不全といった心臓疾患の治療を得意としています。生活習慣病の予防は、将来の心臓疾患予防に役立つでしょう。

なぜ、生活習慣病の予防を重視されているのですか?

日名子尚子院長 小松医院2

私は、東京医科大学八王子医療センターの循環器内科に勤務していたことがありました。毎日のように運ばれてくる心筋梗塞などの心臓疾患患者さんの中には、健康診断でリスクを指摘をされても放置していた方が多かったのです。「自分だけは大丈夫」と思ったり、自覚症状はないので通院が面倒だったりするのかもしれません。放置することに大きな問題があることを感じていたし、「病気になる前に、自分にできることはないだろうか」と考えるようになりました。以前、生活習慣病の予防医学を学んでいた経験もあり、開業後のテーマとして、「生活習慣病の結果となるような、脳卒中や心筋梗塞などを減らしたい」という思いが強いのです。今は健診や診察を通して生活習慣病を早期発見し、早期治療に結びつくように努めています。

日野市医師会の副会長を務め、医療連携に尽力する

生活習慣病予防には、具体的にどのようなアドバイスをされていますか?

日名子尚子院長 小松医院3

生活習慣病を指摘された方の多くは、生活が不規則な傾向があります。仕事が忙しく手軽なお弁当とお酒が夕食になり、カロリーオーバーすることが少なくありません。できれば夕方にお弁当を食べてから残業をして、おなかが物足りないなら帰宅後に豆腐などヘルシーな食品を食べるようにお勧めしています。また、例えば糖尿病の方は塩分制限が必要です。1日6グラム以下が推奨されていますが計量するのは難しいので、避けてほしい食事のアドバイスをしています。ラーメンならスープを飲まない、和食なら漬け物や佃煮は残す、お酒は週に2日を休肝日にするといった具合です。

診療のモットーをお聞かせください。

患者さんファーストを第一に、できることをやって差し上げたいと思っています。クリニック全体で掲げている目標は、患者さんを癒やすことと、「小松医院に来て良かった」と思ってもらえること。診察中は医学的なエビデンスを用いて病気のご説明をして、少しでも安心してもらえるように努力しますし、診察後はスタッフが温かい言葉をかけてくれるでしょう。毎月定期的に来ることは少し面倒かもしれませんが、来ることで気分が晴れたり、「塩分制限を頑張ってみよう」といった気持ちになっていただけるとうれしいです。当院はスタッフ全員が同じ気持ちなので、連携もスムーズです。例えば受付で「患者さんの様子がいつもと違う」とスタッフが思ったら、カルテにその旨のメモが入っているので診察時に私も慎重に対応することができます。

総合病院などとの連携にも力を入れているそうですね。

日名子尚子院長 小松医院4

日野市立病院、東海大学医学部付属八王子病院、東京医科大学八王子医療センターほか、その方の症状に合う病院をご紹介し、逆に大きな病院での治療を終えた患者さんを受け入れることもあります。私は日野市医師会の副会長を務めているので、近隣の大学病院や基幹病院と地域クリニックとの医療連携の会なども開いています。お互いに顔見知りになることで協力関係を深められれば、地域医療がより発展するのではないでしょうか。また、当院では「専門外だから診ません」ではなく、いったんは患者さんを受け入れ、必要な病院の診療科へご紹介する「医療の窓口」としての役割を果たしたいと考えています。大学病院ではカバーすることが難しいプライマリケアが重要なのです。プライマリケアとは、普段から何でも診て相談に乗ってくれる身近な医師による医療のこと。患者さんの症状や気持ちに寄り添うかかりつけ医になることをめざしています。

患者と丁寧に向き合い、心と体に寄り添う医療を

「どのような患者さんもいったん受け入れる」という診療姿勢は、患者さんにとって心強いと思います。

日名子尚子院長 小松医院5

東京医科大学八王子医療センターの循環器内科時代、命に関わる救急患者さんが毎日運ばれてくる生活は、夜も帰れない、帰宅しても呼び戻されるなど、非常に過酷だったのです。教授は「どんな患者さんも助ける。救急車を断ってはいけない」という方針で、重篤な患者さんと夢中で向き合う日々でした。その経験がしみついていて、「どのような患者さんもいったん受け入れる」という姿勢につながっています。そのほか、循環器内科で一番お世話になった恩師からは、「患者さんは教科書。一人ひとりと丁寧に接して、患者さんから学ばないと成長できない」と教えられました。病気だけでなく、性格や生活習慣などの周辺情報も見極めながら患者さんを観察して診療するようになり、その心がけは今も大切にしています。

「患者さんが教科書」というのは、心に残る言葉です。

本当にそうですね。当院には、90歳や100歳を超えても毎月しっかりと通院される方がいらっしゃいます。持病がありながらも、元気に過ごすため医師のアドバイスを守り、うまく薬に頼りながら生活されています。いずれ高齢者になる私たちにとって、彼らはまさに「生きた教科書」であり、お手本です。だから、どういう生活をしてきて、なぜ長生きして元気に過ごせているのかを伺いながら、その暮らしぶりを若い方へのアドバイスに役立てることが多くあります。

今後の展望をお聞かせください。

日名子尚子院長 小松医院6

時間をかけて患者さんの生活を改善し、病気の予防につなげたいです。そのほか、禁煙治療や認知症予防への取り組みなども考えています。特に認知症に関しては、待合室で音楽に合わせて体操をしたり、歌ったりするプログラムを取り入れてみたいですね。また、障害がある方は病院に行きたくても受診を断られてしまうケースがあります。ご家族が高齢で行き場のない障害がある方の相談も多く、力になりたいと感じます。当院では訪問診療や在宅医療も受けつけているので、認知症の親御さんや障害があるお子さんがいるご家族の相談にも乗っています。皆さんが長く健康でいられるにはどうすれば良いかを、常に考えていきます。「誰に聞いたら良いのかわからない」「健康について漠然とした不安がある」といった小さい悩みで構わないので、いつでもご相談ください。

Access