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泰江 慎太郎 院長の独自取材記事

銀座泰江内科クリニック

(中央区/銀座駅)

最終更新日:2020/04/01

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銀座駅、有楽町駅からそれぞれ徒歩5分、複合医療施設の4階にある「銀座泰江内科クリニック」。ジョージアンスタイルのインテリアに、さりげなく飾られた書家の作品や唐紙のオブジェが和洋折衷の粋な趣を感じさせ、泰江慎太郎院長の遊び心がうかがえる。しかし院長のこだわりは、診療にこそあるといえるだろう。日本循環器学会循環器専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を持ついわば「ダブル専門医」として、心血管疾患、糖尿病、高血圧、メタボリック症候群、さらには睡眠時無呼吸症候群と、複雑に関わり合う病気を包括的に診ることで、重大な病気を防ぐことに力を尽くす。その根底にある想いや、医師としての軌跡に迫った。
(取材日2018年3月13日)

専門知識から見出した、重大な病気を防ぐ予防的治療

日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本循環器学会循環器専門医として、独自の診療をされていると伺いました。

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心臓病や血管の病気と糖尿病を軸に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、肥満、高血圧など相互に関係する病気をワンストップで診療しています。もともとは循環器の医師としてキャリアをスタートし、研修医時代は心停止からの蘇生、心エコー、カテーテル治療など、命の最前線で貴重な経験をしました。その傍ら大学院で突然死や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な病気について研究していると、糖尿病との深い関わりが浮き彫りになったのです。糖尿病を予防すれば重大な病気が一気に防げる。そう考え、大学院修了後は内科一般、循環器、内分泌・代謝、糖尿病などさまざまな分野の専門施設で臨床経験を積みました。そこでもそれぞれの病気の関係性を実感することになり、病気を予防する近道を探るうちに自然とたどり着いたのが今の診療スタイルというわけです。

他院に任せず、ご自身で治療を完結しようと考えたのはなぜですか?

心臓病の患者さんは糖尿病を併発していることが多く、複数の診療科を受診するのは大変です。だったら自分が心臓病と糖尿病の両方を究めて、総合的に診ればいいという純粋な発想でした。専門医になるには研修指定病院で長年研鑽を積み、質の高いレポートを提出し、さらに筆記と面接の試験を通らなければなりません。そういう点でも、安心して治療をお任せいただけると思います。

先生が推進されている「攻めのインスリン治療」とは?

上がった血糖値を下げる、というのが従来の糖尿病治療の考え方です。それで良くなる方もいますが、生活を改善できずに高血糖が続くと、膵臓が疲弊してインスリンの分泌量がさらに減り、血糖値が高くなるという悪循環に陥りかねません。やがて薬が効かなくなり、最後の手段としてインスリン注射を一生打ち続けることになるのです。一方、早い段階でインスリン注射を始めて負のスパイラルを断ち切り、膵臓を復活、長持ちさせるのが「攻めのインスリン治療」の発想です。注射針は採血で使う針の20分の1という細さで痛みはほとんどありませんから、「スタンプ」といったほうがいいかもしれませんね。ゆっくり効果の出る持効型インスリンが登場したことで、効き過ぎによる低血糖の副作用もほぼなくなり、就寝前あるいは起床後の1日1回打つだけ。注射を持ち歩く、食事の30分前に打つといった煩わしさからも解放されます。

「攻めのインスリン治療」で負のスパイラルを断ち切ろうとしているのですね。

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これまで「攻めのインスリン治療」を行ってきましたが、半年ほどで血糖値が下がり、正常値になっている方も多くいらっしゃいます。その後、飲み薬だけでコントロールできたり、薬すらいらなくなったり、インスリン注射を打たなくて済むようになった卒業生が大勢います。私にとっても患者さんが良くなっていくのはやりがいで、血糖値300、HbA1cが12%といった健診結果を持って来られると、逆に「治してやるぞ」とワクワクしますね(笑)。ただし、遅くても発症から5年以内には治療を始めること、膵臓が完全に復活したかどうかは数値や画像ではわからないので、治療後も定期的に検査を受けることが大切です。

決して患者を置き去りにしない、納得の説明で安心感を

他に力を入れていることはありますか?

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睡眠時無呼吸症候群の治療です。無呼吸状態になると血圧や脈拍が急上昇するので、心臓病、脳卒中、糖尿病、難治性高血圧のリスクが高まるといわれています。その証拠にこれらの病気の方の大半が、いびき、日中の異常な眠気、就寝中の一時的な呼吸停止、寝起きの倦怠感など、睡眠時無呼吸症候群の条件に複数該当する傾向にあるのです。そこで当院ではしっかりと診断をつけ、予防的治療としてCPAPを積極的に行っています。CPAPは睡眠中に特殊な装置を着け、鼻から空気を送り込むことで気道を広げて無呼吸を改善する方法。装置を着けている間しか効果は得られませんが、翌朝から別世界だと感動する方もいらっしゃいますよ。

メタボリック症候群の治療も行っているそうですね。

予防としてのメタボ・肥満治療を行っている医院は少ないですが、メタボもやはり心臓病や糖尿病と深く関わります。私は大学時代からメタボに関する研究をしており、早くからそこに着目していました。当院のメタボ治療第1号の患者さんは、大幅な減量をされましたね。毎週来院してメディカルチェックを受け、食事と運動に関する指導をしっかり守られたこと、さらにはお互い良好な信頼関係を築けたことが成功の秘訣だったと思います。食事指導といっても、大好きな肉や外食を厳しく制限することはありません。偏っていた食生活を普通の状態に改善し、適度な運動・活動を定着させることで、その人の本来あるべき体重に戻すというだけのことなのです。

心がけていることはありますか?

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例えば糖尿病の患者さんに、インスリン治療を始めましょうとだけお話ししても、「注射が怖い」「一生続けることになるのでは?」と不安にさせるばかりです。だから私はなぜその治療が必要なのかを段階を踏んで、論理的に説明することを大切にしています。印象に残っているある患者さんは、強引に治療を押しつけられた経験から通院をやめてしまい、状態が悪化した末に当院にやって来られました。そこで順を追って丁寧に説明したところ、「先生のもとでなら治療を受ける」と言ってくださったんです。人は納得しないと次のステップには進めないことを実感しました。

医師である以上、見えない病気のリスクに挑み続ける

医師を志したきっかけは何でしたか?

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父が外科の医師だったことが影響していると思います。幼少の頃から内臓の標本を見るような機会も多く、初めは人体の神秘性に魅せられ、それがいつしか病気への興味につながり、医師の道を選ぶことになりました。かといって理数系の人間かというと、そうでもないんですよ。昔から読書が趣味で、小説からグルメ本まであらゆるジャンルの本を読んでいます。特に人の生き方を問うようなテーマに興味があって、医療に対しても、生物的な関心より「いかに生きるか」という視点で向き合っています。

開業の地に銀座を選ばれた理由は?

10人中9人が反対しました(笑)。関東には縁もゆかりもなく、銀座は家賃が高い、クリニックも多いから、経営的にも絶対に無理だと。それでもここに開業したのは、循環器と糖尿病の専門医としての直観といいましょうか。低カロリーでヘルシーなランチを、行列に並んででも食べたいと思うような高い健康意識を、都心部の方々は持っておられます。その中心といえる銀座でなら、心臓病や脳血管障害、糖尿病、高血圧、高コレステロールまでをワンストップで診られる医療を必要としてくれる人はたくさんいると確信したのです。あれから6年、今では中国や台湾、香港からの患者さんも増えています。同じアジア人なので体質が似ており、治療の成果が出やすく、それがクチコミで広まっているそうです。やはり自分の選択は正しかった、という手応えを感じています。

今後の展望をお聞かせください。

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今は私が代表理事を務める日本メディカルヘルスケア協会の取り組みとして、糖尿病予備軍に対する啓発運動を行っています。具体的には、企業健診で再検査になった方や、再検査を受けずにいる方にアプローチし、予防のための情報を提供したり、オンラインで生活改善の指導をしたり。今後もこうした病気の潜在層を掘り起こし、病気を未然に防ぐ地道な活動を続ける計画です。開業から6年、診療に役に立つものは積極的に導入し、進化を遂げてきました。今後も同じスタンスで、日本のみならず世界の皆さんの役に立ちたいと思います。

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