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適切な回復支援で就労など社会復帰へ導く
統合失調症の治療とケア

錦糸町クボタクリニック

(墨田区/錦糸町駅)

最終更新日:2021/10/12

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  • 保険診療

厚生労働省の推計によれば、世界で統合失調症を発症する人は人口の約0.7%、100人に1人弱と考えられる。珍しい病気ではないが、幻覚や妄想などの症状により孤立し、社会復帰が難しいと思われがちだ。しかし、患者の半数近くが統合失調症という「錦糸町クボタクリニック」の窪田彰理事長は、「近年は薬で症状を抑えることも期待でき、適切なリハビリテーションで就労など社会復帰がめざせるようになりました」と現状を語る。「一方で、初期にはうつ病と間違えやすい症状も出るため、正しい診断による治療が大切。ご本人も周囲の方にも統合失調症を正しく知っていただき、社会の一員として迎える体制を整えたいですね」。そう話す窪田理事長に統合失調症の症状や治療、就労に向けた支援などを詳しく聞いた。

(取材日2021年8月26日)

幻覚や妄想等の症状を抑える目的の薬物療法と精神療法、デイケア等のグループ活動を通じ生きづらさの緩和を

Q統合失調症の主な症状や治療法を教えてください。
A
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▲穏やかな口調で患者に寄り添う窪田理事長

初めは、心の過敏な状態が生まれ、考えや気持ちがまとまらない時が続きます。眠れない、何となく不安といった症状、引きこもりの傾向もあり、うつ病と間違えられることもあります。また、「周囲の人には聞こえない声が自分には聞こえる」「他人が自分を見ている」という幻覚や妄想も多く見られます。統合失調症の原因ははっきりとわかっておらず、治療はうつ症状や幻覚・妄想などを抑えるための薬物療法と、「人が怖い」「集団生活ができない」といった暮らしにくさの軽減を図る精神療法やリハビリテーションが行われます。ただ、治療に最初から積極的な患者さんは少ないため、無理をせず自ら取り組む意欲が持てるようなアプローチも重要です。

Q医師以外にどんなスタッフが診療に加わりますか?
A
2

▲多くの職種のスタッフがチームを組んで支援に取り組む

統合失調症の治療は、患者さんが病気とうまく付き合いながら、ご自分の暮らしに戻っていただくことが目標で、ご本人の生活能力の向上、復職への支援が欠かせません。それを支えるのが看護師の他、精神保健福祉士、公認心理師などの多職種による連携です。しかも当院では各分野で専門性を発揮するだけでなく、医師の診療前に、必要に応じて専門職が患者さんへの面談も行っています。患者さんにとっては主治医以外の相談相手ができて安心感につながりますし、当院は毎日のミーティングで各自が得た情報を共有しています。これにより患者さんの状態を多方面から捉え、必要な治療を常に検討し、提供することができます。

Qこちらではデイケア、ナイトケアを提供されているそうですね。
A
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▲体調や目的に合わせてプログラムを選択することができる

統合失調症で人や社会との関係が希薄になり、周囲とのコミュニケーションが難しくなった患者さんに、多様なプログラムや同じ病気を経験した人との交流を通じて、人や社会との関わり方を再構築してもらうためのものです。日中に行うデイケア、夜間に行うナイトケアがあり、当院では、シルバーアクセサリーや編み物など各種の手工芸、パソコン講座、音楽・DVDの鑑賞、軽い運動など多様なプログラムを用意し、内向きになりがちな患者さんに、少しでも興味を持ってもらえるよう工夫しています。また、活動的な内容が中心のグループ、ゆったり取り組めるグループ等に分けていますが、特に年齢制限は設けず、気に入ったほうに参加していただけます。

Q働くためのトレーニングなども行うのですか?
A
4

▲話し合いやパソコンの練習など仕事に向けた幅広い活動を実施

ええ、治療やリハビリテーションなどを通じて社会に目を向け、就労を希望されるようになった患者さんに対し、さまざまな活動場面で就労支援プログラムを用意しています。当院はデイケアでも基礎的なパソコンの使い方などを習得できますが、より実践的なビジネスマナー、仕事を前提としたパソコンのスキルを身につけたり、履歴書作成や面接練習などで就職活動をサポートしたりできるように、同一法人内の就労移行支援事業所をご紹介しています。そういった中でも医療スタッフが各所とスムーズに連携し、患者さんの健康状態を細かくチェックし、再発を防ぐようフォローできるのは当院の強みと言えるでしょう。

Q症状が落ち着いた後のフォローはどうなるのでしょうか?
A
5

▲地域で自立して暮らしていくことを支援している

日本の精神科治療は長期入院する方が多かったのですが、近年は症状が落ち着いたら早めに退院し、ご自宅などでリハビリテーションをしていただくことが一般的です。特に当院は関連施設がすぐ近くに点在し、地域全体で患者さんをフォローする「錦糸町モデル」を構築しています。このため患者さんが住み慣れた地域で、外来診療、デイケア・ナイトケア、就労支援、訪問診療や訪問看護など、必要な支援を受けられる体制を整えている点が特色です。患者さんも、街のあちこちに知っている施設があることで、自分を受け入れてくれる街だという安心感が持てると思います。

ドクターからのメッセージ

窪田 彰理事長

統合失調症の患者さんやご家族は非常に大変な思いをされているでしょう。しかし、生きる上での難しさやつらさを語り合う仲間がいれば、少し楽になるかもしれません。当院は初診、再診を合わせると外来患者さんの約半数が統合失調症という専門性の高いクリニックで、経験豊富な医師、看護師などさまざまな医療専門職がチームとなって診療にあたります。さらにデイケアには同じ病気を経験した方が集まり、新たな交流も生まれています。近年は社会的な支援制度も充実し、有用な薬により症状を抑えながら暮らすことも望めるようになりました。新しい環境に飛び込むことが苦手な方もおられると思いますが、一度当院を受診されてはいかがでしょうか。

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